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トランプ米大統領が、核兵器の実験を国防総省に指示したと表明した。唯一の戦争被爆国・日本での滞在直後に核超大国のトップから飛び出した言葉に、広島と長崎からは「国際世論への重大な挑戦」「核軍拡競争を助長し、断じて容認できない」と一斉に批判の声が上がった。 広島県原爆被害者団体協議会(箕牧智之理事長)と原水爆禁止広島県協議会(県原水禁)は30日、連名で文書を発表し「被爆地の思いを踏みにじる、到底許せないもの」と抗議。「国際世論に対する重大な挑戦と言わざるを得ない」と糾弾した。 広島の被爆者で原爆資料館元館長の原田浩さん(86)は「核兵器がもたらす悲惨な結果を知らないのではないか。被爆地に来て自分の目で実態を見てほしい」と求めた。 トランプ氏は27〜29日の日本滞在中、強固な日米同盟をアピール。高市早苗首相も、トランプ氏をノーベル平和賞に推薦すると伝えていた。長崎市の鈴木史朗市長は30日の定例記者会見で「実際に実験を開始すれば、平和賞には値しないのではないか」と訴え、指示の即刻撤回を求めた。 トランプ米大統領は1期目からロシア、中国を巻き込んだ核軍縮交渉の必要性を繰り返し訴える一方、米国の核戦力の技術的、数的な優位性を誇示してきた。核実験を指示したことで、ロシアや中国に同様の実験をする口実を与えかねない。「平和の大統領」を自任するが、危険な威嚇を強め、核拡散防止条約(NPT)体制を揺るがした。 「米国はどの国よりも多くの核兵器を持っているのに、実験はしていない。他の国は実験をしている」。トランプ氏は30日、専用機内で記者団に他国の核戦力増強に対抗するために実験が必要だと力説した。 米中ロ3力国の核軍縮交渉を模索するトランプ氏だが、米国とロシアに核戦力で劣る中国は呼びかけに応じず軍拡を続けている。トランプ氏は習近平国家主席を交渉のテーブルに着かせる手段として30日の会談直前に核実験指示を公表し、圧力をかけた。 ストックホルム国際平和研究所(SIPRI)によると、今年1月時点の推計核弾頭数はロシアが5459発、米国が5177発、中国が600発と続く。第1次トランプ政権で国家安全保障問題担当の大統領補佐官を務めたオブライエン氏は2024年、核爆発を伴う実験の再開を提唱していた。 米シンクタンク、軍備管理協会などによると、米国は1992年までに核爆発を伴う実験を1030回実施。その後は包括的核実験禁止条約(CTBT)の署名もあり、モラトリアム(凍結)を「自主的に守ってきた」(米議会図書館の報告書)経緯がある。 核爆発を伴わない臨界前核実験は97年から定期的に実施し、バイテン前政権の終わりまでに30回以上に上る。2000年代に入って爆発を伴う核実験をしたと確認されているのは北朝鮮だけだ。 軍備管理協会のダリル・キンボール会長はトランプ氏による「愚かな表明」が米国を警戒する敵対国による核実験の連鎖を引き起こし、NPT体制を崩壊させることになるだろうとX(旧ツイッター)で警告した。(共同) 【慶州共同】トランプ米大統領は30日、国防総省に「核兵器の実験を指示した」と交流サイト(SNS)で発表した。他国の核計画を踏まえ「対等な立場」になる必要があると主張。中国やロシアへの対抗心を示し、実験に向けた作業は「直ちに始まる」と表明した。核爆発を伴う実験を再開すれば1992年以来となる。核軍縮に逆行し、軍拡競争を招く恐れがある。被爆地の広島と長崎では反発の声が広がった。 中ロは近年、核爆発を伴う実験をしておらず、米国が実際に強行するかどうかは不透明だ。米国は97年から核爆発を起こさない臨界前核実験を実施している。トランプ氏は実験の具体的な内容には言及しなかった。 トランプ氏は韓国から米国に戻る専用機内で、核実験は『われわれは何年も前に停止した。他国がしており、米国もやるのは適切だ』と記者団に主張し、場所や時期は今後決めるとした。SNSで、2017〜21年の1期目に核兵器の更新や改修を進めたことについても触れ「途方もない破壊力があるため嫌だったが、やむを得ない選択だった」と振り返った。 トランプ氏は韓国・釜山で中国の習近平国家主席と会談する直前、SNSに投稿した。習氏をけん制する狙いもあったとみられる。 SNSでトランプ氏は中国が核兵器保有数で米口に大きく離され3位だが、急速に増強しており「5年以内に追いつく」と指摘した。中国は核軍縮交渉参加に慎重姿勢を維持している。ロシアも核戦力強化を推進。核弾頭を搭載できる新型原子力魚雷の稼働実験に成功したほか、超長射程の原子力推進式巡航ミサイルの実験も完了させた。 木原稔宮房長官は記者会見で、日本は「核兵器のない世界の実現に向けて、包括的核実験禁止条約の早期発効を含めて、現実的で実践的な取り組みを進める」と述べた。 【慶州共同】トランプ米大統領は30日、対米投資の見返りとして韓国が原子力潜水艦を建造することを承認したと交流サイト(SNS)で発表した。「韓国が東部フィラデルフィアの造船所で原潜を造る。古き良き米国でだ」と表明した。同じく原潜建造を目指す北朝鮮や、海洋活動を活発化させる中国をにらみ、韓国は米国が求める自主防衛を強化。米韓協力が広がる一方、東アジアの軍拡競争に拍車をかける恐れがある。 米韓の動きは日本の原潜保有の議論にも影響しそうだ。小泉進次郎防衛相は22日の記者会見で、潜水艦の動力としての原子力活用を巡り「あらゆる選択肢を排除しない」と述べていた。 李在明大統領が29日の米韓首脳会談で原潜保有への支援を求めていた。過去の米政権は核燃料の拡散を懸念して消極的だったが、トランプ氏が方針を転換した。 中国外務省の郭嘉昆副報道局長は30日の記者会見で「韓米両国が核不拡散に関する義務を適切に履行するよう望む」と強調した。 動力を原子力に頼る原潜は、米英仏中ロとインドの6力国が運用している。ディーゼルエンジンと蓄電池を使った通常動力の潜水艦に比べ、格段に長い時間潜航できる。 米韓の原子力協定は、米国が提供する核燃料の軍事目的での使用を認めておらず、改定が必要。2035年まで右効で、米韓両政府は前倒しで改定を進めるとみられる 。 あえて論評する価値もないトランプ大統領の発言だが、世界を危機に陥れるには十分だろう。核実験、原潜建造は危機を高めこそすれおよそ平和には遠い。高市首相、小泉防衛相はそのトランプをノベール平和賞候補として推薦するという。また、こうした政権を評価する世論調査の結果も出ているようだ。戦争か生活の安定かどちらを選択するのかという議論は世間受けしないのだろうか。
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愛知県豊明市で、勉強や仕事以外の時間にスマートフォンなどを使うのは1日2時間以内とするよう全市民に促す条例が施行された。大人も対象になることで子どもへのどんな効果が期待できるのか。独自の取り組みで先行する宮城県東松島市の実践例を取材した。 太平洋に面する東松島市は人口約4万人の自治体だ。日本三景の一つである名勝「松島」と、航空自衛隊の「ブルーインパルス」の基地があり、「教育が充実している街」を掲げる。2021年からスマホやゲーム機などの使用を管理して生活を整え、学習や読書などを充実させる教育的取り組みを始めた。 きっかけの一つは、全国学力・学習状況調査(全国学力テスト)に合わせて行われた生活時間の調査で、同市内の子どもの、デジタルメディアへの依存傾向が浮かび上がったことだ。「スマホやゲームなどに使う時間が平日3時間以上」という小中学生の割合が宮城県の平均より数ポイント上回る実態が判明。平日1日の読書・勉強の時間も平均をほぼ下回った。 デジタルメディアの使い方が学びや成長に影響を及ぼす可能性があることに「衝撃を受けた」というのは同市教育委員会の青山博之さん。「全ての小中学生が健全な学校生活と規則正しい家庭生活を送るにはどうしたらいいか、市内11の公立小中学校の児童・生徒が話し合う場を設けました」 そうして生まれたのが「子ども宣言2021」。@人との交流を深めてデジタルメディアのコントロールをするA学習や好きなこと、家族とのだんらんの時間を大切にするBマナーを守り、個人情報を管理するC(デジタルメディアの)使い方を考え、食事や睡眠をしつかり取る―とした。 翌22年には達成に向けての目標「東松島ゴール」として、平日のデジタルメディアの使用時間は小学生が1時間、中学生が1時間程度にすることなど を決めた。 デジタルメディアのコントロールを促進する同市の取り組みは通称「でめこん」。脳科学の専門家の講演会を開き、各学校でも啓発活動に力を入れた。「おかけで同市内の小中学生に定着してきました」と青山さん。学力の向上にも結びついたようだ。 一方、東松島ゴールの達成に向け課題の一つになっているのが大人たちのデジタル依存だという。「子どものがんばりだけではゴール達成は無理。家庭 の中でお父さんお母さんも 『でめこん』を心がけてもらいたい、という声が子どもたちから上がりました」と青山さん。「大人も一緒に取り組んでこそ、子どもの生活が整うのではないでしょうか」と話している。 スマホとどう付き合うのかはとても難しい問題だが、何とか解決していかないといけないだろう。しかし、学力に影響するという理屈やそれを実証するという脳科学御側面から理解しようとするのは少々いただけないもののようであろう。人々が一体誰と関係を構築しようとしているのかが問われなければならないし、その通信にかっかわる費用によって膨大な利益を上げているプラットフォーマーに奉仕していることも、そして自由な選択であると錯覚されられている商品のリコメンドに踊らされている日々も。予期につき悪しきにつき生身の人間との関係こそがもっとも重要だろう。
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京都市は、ヤングケアラー支援を目的に、市内の小中高生約13万人を対象とした初めての記名式調査に乗り出した。家族の介護や世話が過度な負担になり、学業などに影響していないかを聞き出し、本人が相談を希望した場合には個別に支援機関へとつなげる狙いだ。 市は4年前、ヤングケアラーの生活実態を調べるため、市立中高の生徒を対象に初の調査を実施。ヤングケアラーの割合など統計に主眼を置いたが、今回は困りごとを抱える子どもに市が直接アプローチするため任意の記名式とし、調査範囲も広げた。 調査は府立や私立も含む各校を通じて実施し、原則ウェブで答えてもらう。小学1〜3年生と4年生以上で質問を分け、家族のケアの有無や対象者といった項目のほか、ケアによって勉強や友人関係、体調に影響がないかを尋ねる。ケアをしていないと答えた人にも、当事者になった場合に相談しやすい方法などを考えてもらう質問を設けた。 名前や連絡先を書いて相談を希望した児童や生徒には、区や支所ごとの子どもはぐくみ室などが窓口となり、家庭に必要な支援につなげることを想定している。 調査は今月末から年末にかけて実施し、子どもたちが授業中にタブレット端末で回答する予定の学校もあるという。記名式としたことについて子ども家庭支援課は「ケアラーである自覚がなく、支援につながりにくい子どもに積極的にアプローチする機会にしたい」としている。 ヤングケアラーを巡っては、昨年6月の法改正でその定義や自治体による継続支援の必要性が明文化された。同11月には、あらゆる世代を対象としたケアラー支援推進条例が市議会で全会一致で可決し、施行されている。 ヤングケアラーが自分がどのような存在として家庭や社会に位置づいているのかを理解してない向きもあるようだ。記名の調査は必要であることに疑いがないが、ヤングケアラーとはどういったものかの理解の教育(学校にのみ押し付けてはいけないのだが)も必要。
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文部科学省は29日、2024年度の問題行動・不登校調査の結果を公表した。国公私立の小中学校で年間30日以上欠席した不登校の児童生徒は12年連続で増え、全体の3・9%(26人に1人)に当たる35万3970人と過去最多を更新。小中高校などが認知したいじめは76万9022件、うち身体的被害や長期欠席が生じた「重大事態」は1405件で、いずれも最多だった。 京都府内の不登校児童生徒数は、前年度比280人増の6490人と13年連続で増え、過去最多を更新。いじめの認知件数は、前年度比1422件増の2万1283件だった。滋賀県内の不登校の児童生徒数は、前年度比244人増の5375人と過去最多を更新し、いじめ認知件数も1586件増の1万3540件 で最多となった。 文科省は、無理に通学する必要はないといった保護者らの意識変化が不登校増加の要因とみている。いじめは積極的な認知が進んだ結果とするが、重大事態の増加は「憂慮すべき事態」とした。 不登校の小当生は5・6%増の13万7704人、中学生は0・1%増の21万6266人で、増加率は前年より大幅に減った。小学生は44人に1人、中学生は15 人に1人の割合で、40人学級の中学校は1クラスに2人以上いる計算。新たに不登校となった小学生は4028人減の7万419人、中学生は7444人減の8万3409人。前年度からの不登校継続率は71・7%と77・1%でいずれも3ポイントほど下がった。 いじめ認知件数は、小学校61万612件、中学校13万5865件、高校1万8891件、特別支援学校3654件。全学校の83・9%に当たる3万204校で認知した。 不登校の増加に歯止めがかからない。新型コロナウイルス下の2021年度に20万人を突破し、24年度は35万入超に。国や自治体は対策を講じるが、 特効薬は見つからない。学校に通うハードルは何か―。不登校の子と長年向き合ってきた専門家は、「かくれ校則」ともいわれる学校生活の不条理なルールが子どもを苦しめ、引き金の一つになっていると指摘する。 「最近、料理をするようになりました」「良い調子だね、一歩一歩だよ」。9月、岐阜市内のクリニックで小児神経科医の加藤善一郎・岐阜大大学院教授が、中3と中1の兄 弟と向き合っていた。時に笑いも起きる診察は、母親も交え1時間以上に及んだ。 2人は小学生の頃から「学校が面白くない」などと訴えて休みがちになった。母親が担任やスクールカウンセラーに相談しても解決せず「不安で仕方がなかった」。八方ふさがりに陥ったときに出会ったのが、不登校の子どもを20年以上診察している加藤教授だった。 クリニックには東京など遠隔地からも不登校の子どもが訪れる。2人は特性に合わせた治療を受け、徐々に状況が好転していった。母親は「学校もどうしたらいいか分からないことがある。頼れる存在があって良かった」と話す。 12年連続で増加した小中学生の不登校。拍車をかけたのが新型コロナの感染拡大だ。「無理に学校へ行かなくてもいい」との意識が広く浸透し、デジタル端米やオンライン学習の普及で学校外での学びが広がった。 文部科学省は23年3月、多様な居場所の確保に取り組むなどとする不登校対策を公表。、「学びの多様化学校(不登校特例校)」は25年度に23校が開設され、計58校になった。校内教育支援センターの設置も進み、登校はできるが教室には入れない子どもの安心できる場になっている。同省幹部は「成果は出つつある」と強調する。 ただ、いずれも「対症療法」であり、不登校を減らす抜本対策ではない。文科省の問題行動・不登校調査に不登校の理由や背景を子どもに尋ねる項目はなく、「生活リズムに関する不調の相談があった」といった学校側が把握した事実しか分からない。実態との乖離も指摘され、原因をつかみ切れていないのが実情だ。 一つのヒントになりそうなのが、加藤教授が「かくれ校則」と名付けた理不尽なルールだ。授業開始3分前に着席して学習する、授業で必ず全員が挙手する…。点数化して学級間で競わせたり、同級生に連帯責任を負わせたりする事例もあるという。明文化されていないルールが息苦しさを生み、「多くの子どもにとって不登校の原因になっている」と指摘する。 教員が「子どものため」との意識で課しているケースも多い。加藤教授がある中学校で見直しを提案すると、教員から「よかれと思ってやっていた」との声が上がった。「大人の世界では理不尽な内容が、学校では『子どものため』でまかり通っている」と憤る。 不登校の改善には、子どもの特性といった「内的環境」と、学校風土や周囲の理解かどの「外的環境」の両方を整えることが重要で、「大人がかくれ校則がないか確認するのが第一歩。なくせば多くの不登校は改善するはずだ」と強調した。 2024年度の問題行動・不登校調査では、いじめで身体的被害や長期欠席が生じた「重大事態」のうち、―割超はトラブル情報があったにもかかわらず初動を誤り、いじめと認知できず重大事態に至ったケースだった。有識者は「トラブルを把握した段階で、命に関わることもあるとの意識を強く持って対応してほしい」と呼びかける。 いじめ認知件数は76万9022件(前年度比3万6454件増)、重大事態は1405件(同99件増)で、ともに過去最多。重大事態のうち490件(34・9%)は被害把握の前にいじめを認知しておらず、さらに206件(14・7%)はいじめに該当しうるトラブル情報があつたのに対応できていなかった。 13年施行のいじめ防止対策推進法は、学校は保護者らと連携して防止や早期発見に取り組む責務があると規定。文部科学省は認知件数の多い学校を「積極的に認知し、解消に向けて取り組みを始めている」と肯定的に捉え、逆に少ない場合は放置されたいじめがある恐れがあるとする。 文科省はスクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーの配置を増やすなどして早期対応を促すが、自治体や学校によってばらつきがあるのが実情。都道府県別の児童生徒千人当たりの認知件数は、最も多い山形県の117・2件に対し、最少は19・1件と6倍の開きがある。 国の対応方針は、学校は複数の教員や専門家らを交えた対策組織をつくり、児童生徒から相談を受けた教員はすぐ情報共有するよう求めている。 いじめ防止に取り組むNPO法人「ジェントルハートプロジェクト」の小森美登里理事は「法律などに示された初動対応がまだ現場に浸透していない。子どもが勇気を出していじめの相談をしてくれた後に、教員がやるべきことをしっかり認識しておくことが重要だ」と話した。 「かくれ校則」と呼ばれているのはこれまで特別活動などの学習以外の場面での生活指導で行われている指導なのだろう。「子どものため」という善意がそれを支えていることはすでに指摘されているが、日本の教育においてなぜそれが必要なのかということはあまり論じられていない。海外では「TOKKATU」として評価すべき日本の教育の特徴見られ輸出産業としてもの振興策もあるという。学校での問題(いじめ、不登校)が教育産業の市場となっているということも合わせてみておく必要がある。
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京都市は29日、2024年の合計特殊出生率が前年比0・07ポイント減の1・01だったと発表した。8年連続の減少で、記録が残る1970年以降の過去最低を更新。全ての行政区で前年を下回り、少子化に歯止めがかからない状態が続いている。 行政区別では、南区と西京区の1・19が最も高く、山科区1・10、伏見区1・09、右京区1・06、北区1・02と続いた。最も低いのは東山区の0・1。「1」を割った区は、左京区0・94、中京区0・86、上京区、下京区0・76で、中心部が低い傾向にある。出生数は前年だ602人減の7090人で、記録がある1946年以降最も少なかった。 合計特殊出生率は女性が一生に生む子どもの数で、15〜49歳の出生率の合計。市内では、24年の対象女性人口は25万8590人で、前年比で6251人減った。記録が始まった1970年の1・91から2005年の1・11まで下がった後、微増に反転。しかし、16年の1・30以降、毎年0・03ポイント前後で減少を続け、ここ2年は減少幅が広がっている。 市人口戦略室は、子育て世帯の市外流出や新型コロナ禍の婚姻数減少などが影響していると分析。「数字を重く受け止めている。子どもを持ちたいと思う人が実現できるよう、環境整備を進めていく」としている。 全国では前年比0・05ポイント減の1・15、府は同0・06ポイント減の1・05だった。大都市部の政令指定都市は都道府県より低くなる傾向にあり、札幌市は0・96(23年)だった。 京都市の2024年の合計特殊出生率が1・01と、記録が残る1970年以降で過去最低を更新した。市は、子ども医療費の助成拡大や中古住宅を購入した子育て世帯への補助に加え、本年度には第2子以降の保育料無償化もスタート。「子育てしたい」と思えるよう、経済的負担の軽減策を次々と打ち出しているが、出生率の低下を止めるには至っていない。 「子育てしやすさを感じてもらえるよう、環境を整えてきたつもりなのだが…」。厳しい現実に、市幹部は表情を曇らせる。 子育て支援を充実させるために市が多額の予算を投入しているのは、子ども医療費だ。府内自治体では遅い「拡充」だったが、23年度途中に、通院医療費で月200円を自己負担額の上限とする対象を従来の「3歳未満」から小学生までに拡大。24年度以降、毎年、府と市で計35億円以上を投じている。 住宅価格の高騰による若年層の市外流出を抑える施策も展開している。中古住宅を購入した子育て世帯に最大200万円を補助する「京都安心すまい応援金」は、昨年度は予定を上回る309件の利用があり、本年度も214件(19日現在)と数字上は好調だ。公園の遊具の更新や、収入が基準額以下の世帯が市営住宅に優先入居できる配慮などにも取り組んできた。 それでも16年以降、毎年0・03討前後で減ってきた合計特殊出生率は向上するどころか、23、24年はそれぞれ前年比0・07ポイント減となり、減少幅は拡大。数字上、少子化はむしろ加速している。 市は本年度、さらに少子化対策に踏み込んだ。希望する世帯が第2子以降を産み育てやすくするため、所得制限なしの第2子以降の保育料無償化を実施した。つぎ込んだ予算は13億円以上。今のところ、育休を延長しようとしていた人が職場復帰を早めるケースや、保育時間を延ばすケースなどがあり「仕事と育児の両立がしやすい環境にはなってきたはず」(幼保総合支援室)という段階だ。 ほかにも、妊婦歯科健診の受診率向上に向け、パートナーと一緒にかかりつけ医で受診できる制度を新設し、妊娠や育児に関する交流サイト(SNS)の相談対象年齢も引き上げた。あの手この手を繰り出すものの、数字になかなか表れない現状に、市幹部は「5年後、10年後を見据え、住みやすさや働きやすさを総合的に良くしていくしかない」と話した。 仮に4000万円の住宅ローンを金利1.2%、35年返済(月11.7万円返済)で受けたとすると合計の返済金額はおよそ5000万円となる。物価高と金利政策の不透明感があるなかでは都会に住むことに二の足を踏む状況だといえる。加えて、インバウンドの多さが生活環境の変化を加速している。子育て支援と市財政(経済政策)とが同じ方向を向いているとは見えない中での出生率向上は果たして実現可能なおだろうか。
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【エルサレム共同】イスラエル軍は28〜29日にかけ、パレスチナ自治区ガザ全域で空爆や砲撃を実施した。ガザ保健当局によると、子どもや女性を含む104人が死亡した。10日発効の停戦後、最悪の被害。イスラエルはガザ最南部ラフアで28日に部隊が攻撃を受け兵士1人が死亡したと主張し、大規模な報復攻撃に踏み切った。米主導の停戦合意の脆弱性が露呈、相次ぐ軍の攻撃で形骸化が懸念される。 トランプ米大統領は29日、停戦は維持されているとの認識を示した。イスラエルとイスラム組織ハマスは互いの停戦合意違反を主張。イスラエル軍は29日、攻撃を停止し、停戦合意の履行を続けると表明した。 イスラエルメディアによると、ラフアの部隊への攻撃は停戦合意に基づくイスラエル軍の支配地域内で起き、銃撃戦に発展した。ネタニヤフ首相は、ガザヘの強力な攻撃を直ちに実施するよう軍に指示。ガッツ国防相はハマスによる攻撃と断定し「高い代償を払うことになる」と強調した。 パレスチナ通信によると、中部デールバラハで避難民のテントが爆撃されたほか、北部ガザ市ではビルが破壊され、住民が巻き込まれた。イスラエル軍は、指揮官級の戦闘員30人以上を標的にしたと主張した。 一方、ハマスは28日夜に予定していた和平計画「第1段階」合意に基づく人質の遺体引き渡しを延期すると表明。声明で「ラフアの事件はわれわれと一切関係ない」と主張し、停戦合意を順守する姿勢を示した。 イスラエルは人質遺体の返還遅れに不満を強めている。ハマスは遺体を含む人質48人全員を13日までに引き渡すことになっていたが、依然13人の遺体がガザに残る。がれきに埋まる遺体もあり、捜索が難航している。 イスラエル軍は19日にも、ラフアで部隊が攻撃を受けた報復としてガザ全域を空爆し、40人以上が死亡した。ガザ保健当局は29日、2023年10月の戦闘開始後のガザ側死者は6万8643人となったと発表した。 【エルサレム共同】イスラエル軍がパレスチナ自治区ガザを攻撃した直後、停戦合意の履行を続けると表明した。攻撃した後に停戦「再開」を一方的に宣言するのは2回目で、イスラエルが実質的にいつでも攻撃できる構図が浮き彫りになった。イスラム組織ハマスの指揮系統のほころびも指摘され、停戦合意は名ばかりになりつつある。 イスラエルは、停戦を主導したトランプ米政権を強く意識し「停齢維持に努めている」と主張するが、実際にはガザ攻撃を繰り返している。 10日の停戦発効後、イスラエル軍は19日と28〜29日に大規模な空爆を実施。いずれも武装勢力から攻撃を受け、その報復とされる。ハマスは関与を否定するが、イスラエルはハマスの責任として攻撃を正当化している。 イスラエルはハマスの武装解除を目標に掲げ、攻撃を一切容認しない方針だ。人質遺体の返還遅れに対する不満やハマスヘの圧力を強める狙いもあるとみられる。 ガザではハマス以外の武装勢力も活動しており、別勢力によるイスラエル攻撃も否定はできない。末端戦闘員を抑え込めないのも今のハマスの現状と言える。 ハマスは長くガザを実効支配してきたが、戦闘開始から2年間で最高指導者だったハニヤ氏をはじめ多数の幹部を失った。 カタールなどガザ域外に幹部は残るが、現地との連携は弱まっている。 エジプト日本科学技術大のサイド・サデク教授は、ガザにいる幹部は停戦合意に不満で、武装解除は受け入れられないと訴える戦闘員もいると指摘する。イスラエル内部にもハマス壊滅を目指す強硬派が存在しており、今回と同様の衝突が繰り返されるとの見方を示している。 トランプ大統領の仲介による停戦合意もますます混とんの状況になりつつある。政治に翻弄されるガザの人たちの犠牲は、と考えると胸が詰まる思いがする。かつて小泉元首相とブッシュ元大統領との関係を「ブッシュの忠犬」と揶揄した言葉が流行った。「トランプ大統領をノーベル平和賞に推薦する」という戯言としか思えない日本の首相は、まさに「トランプの忠犬ポチ」としかいいようがない。
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政府は28日、過労死・過労自殺の現状や国の防止対策をまとめた2025年版「過労死等防止対策白書」を閣議決定した。精神障害による労災保険給付の請求件数が10〜24年度で3倍以上に増加。特に医療現場では精神障害の労災認定件数が大きく増えるなど深刻な現状が浮かんだ。高市早苗首相は「労働時間規制の緩和検討」を指示しており、労働現場の過酷な実態にどのような姿勢で向き合うのかが問われる。 上野賢一郎厚生労働相は閣議後記者会見で「過労死防止対策に全力を挙げて取り組む」と話した。労働時間規制については「さまざまな意見がある。働き方の実態やニーズを把握した結果を精査しつつ、検討を深めていく」とした。 白書によると、精神障害による労災請求件数は10年度の1181件から24年度は3780件に増加。認定件数も24年度は10年度の3倍以上となる1055件 で、初めて千件を上回った。 労災認定件数を業種別で3年ごとに平均すると、医師や看護師が対象の「医療」は11〜13年度に14・7件だったのが20〜22年度では46・7件と約3倍に増加した。20〜22年度は医療に続き「建設業」(44・3件)、「自動車運転従事者」(390件)が多かった。 請求に対する決定件数(不支給を含む)を原因別で見ると、22年度に749件だった『対人関係』が、24年度は倍以上の1519件になった。「パワハラ」「セクハラ」も増加。職場環境に関する原因が目立った。 白書では、外食産業の労働者に実施したアンケートの結果も掲載。顧客による暴力や嫌がらせなどのカスタマーハラスメント(カスハラ)を経験した人は18・8%に上り、種類別では頻繁なクレームや同じ質問を繰り返すといった「継続的な執拗な言動」を経験した人が53・8%と最多だった。 高市首相は上野厚労相に「心身の健康維持と従業者の選択を前提にした労働時間規制の緩和検討」を指示している。 「失われた30年」と過労死・過労自殺数の増加との相関関係はあるのだろうか。印象としてはかなりあるように思える。新自由主義的な経済が主流となるなかで、個人はサービスの提供者とサービスの消費者としてのみ振る舞うようになってきたのがそのゲインのように思える。不十分なサービスの提供は個人の責任となり、不十分なサービスへの拒否は消費者の権利となる。社会的な人間関係の中の人は存在しているということが忘れ去られているように見える。
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上智大准教授 中村 江里(談) 戦後の日本社会で長らく不可視化された元兵士の戦争トラウマへの関心が高まっている。元兵士の子どもたちが声を上げるようになったのが大きい。戦争は国と国の関係における終結はあるが、一人一人の精神的な被害は戦後も続き、次の世代にも影響を与えている。先の戦争は決して人ごとではない。 戦争トラウマ反応で代表的なのは心的外傷後ストレス症(PTSD)だ。戦地で命の危険にさらされたり、戦友の死を見たり、加害行為をしたりするといった、衝撃的な体験により引き起こされる。苦しい記憶がよみがえったり、悪夢を繰り返し見たりする。米国ではベトナム戦争帰還兵のPTSDが社会問題化した。 約20年前から戦争トラウマを研究し、その疑いのある元兵士の家族約50人から聞き取りをしてきた。今となっては父親がPTSDだったかどうかの判断は難しいが、4人に1人くらいはアルコール依存になっていた。 家庭内暴力や虐待をしたり、無気力になったりしたケースもあった。自殺者もいた。すさまじい話ばかりで、戦争の後に人格が変わったと何度も聞いた。 戦時中、千葉県の国分台陸軍病院に精神医学のエリートが集められ、戦争神経症の治療や研究が進められた。体が震えたり、手足が動かなくなったりする症状が特徴的で、心理的な原因で生じると考えられた。 焼失を免れた約8千人分の患者のカルテが保管されており、それらと軍医らの論文を分析した。戦争が終われば、そうした症状はなくなるとされ、PTSDのように症状が長期化するとの見解はなかった。 しかも戦地での体験ではなく、精神的に弱いなど、患者の側に原因があるという説が根強かった。兵役から逃れたい、恩給が欲しいといった軍にとって良からぬ願望があるとの説も唱えられた。 戦争神経症は国にとって不都合で国民の士気低下にもつながるため、患者を危険視していたことがうかがえる。カルテによると、自らを「国賊」と言う患者もいた。彼らの家族が書いた手紙には、国の役に立てず申し訳ないと記されている。戦後も軍隊特有の精神論が残る中、当事者は生き残ったことへの負い目もあり、声を上げられなかったのだろう。 1995年の阪神・淡路大震災などでPTSDが注目され、戦争に関連付けた考察が出てきた。元兵士の父親を持つ黒井秋夫さんが2018年に「PTSDの復員日本兵と暮らした家族が語り合う会」(現「PTSDの日本兵家族会・寄り添う市民の会」)を立ち上げ、証言者が増えた。研究を始めた時は予想していなかったが、歴史が大きく動いた。 今年、厚生労働省所管の戦傷病者史料館「しょうけい館」(東京)が「心の傷を負った兵士」をテーマに展示をしていたが、元兵士の家族の証言は全く反映されていなかった。残されたカルテはごく一部に過ぎず、戦争トラウマの全体像は分かっていない。国による大規模な調査が必要だ。 10月28日の日米首脳会談で高市新政権は、トランプ大統領のGDP比3.5%に防衛費を引き上げることに肯定的な姿勢を示した。高市首相は就任会見でも、日本の安全保障関係が「かつてないほど深刻」だとの認識を示しかねてからの持論である防衛力の強化を表明していた。しかし、その「深刻」さを解消するのに軍備の拡張が必要だとは考えられない。仮に戦争が起こった(自然災害のように起こるはずはないのだが)場合に戦場に出かけるのは青年たちなのだろう。その時に敵味方なく多くの兵士が死に、PTSDなどの精神的な異常をきたすことになる。このことはベトナム戦争終結ごのアメリカ映画にも数多く表現されていた。今、元日本兵のPTSDなど再考する必要性を訴える中村江里准教授の著作に「戦争とトラウマ」などがあるが、注目してもよいだろう。
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日経平均株価が5万円を突破した。高市政権が掲げる経済政策への期待感が先行し相場を押し上げた。ただ株高の恩恵は投資に積極的な富裕層らに偏 る。先進国では異例の賃金低迷が続く中、株式市場の熱狂とは裏腹に不安感も広がっている。 「(5万円超えは)デフレからの完全脱却になる。ここからが本当の日本経済のスタートだ」。東京都中央区の岩井コスモ証券。市場が開く直前、八木利通営業副本部長は社員らを激励した。市場が開いた午前9時過ぎに5万円台に到達すると、顧客からの注文の電話が鳴りやまない中、フロア中が注文を取る手を止めて拍手で祝った。 ただ今後も日経平均が順調に上昇を続けるかは予断を許さない。年初から1万円以上の値上がりに過熱感は否めず、連立政権を組む自民党と日本維新の会による政策協議の難航や米中対立など不安要因も事欠かない。 一方、消費者の生活は厳しい。日銀の9月の生活意識アンケートによると、1年前と比べ現在の暮らし向きに「ゆとりが出てきた」と答えたのは4・5%。「ゆとりがなくなってきた」は56・1%に上った。 生活を圧迫する大きな要因が、賃上げが物価上昇に追いついていないことだ。厚生労働省の毎月勤労統計調査(従業員5人以上)によると、物価変動を考慮した実質賃金の水準は、1990年以降のピークである96年から2024年には約15%も低下した。現在の株高は、企業が固定費増につながる大幅な賃上げに二の足を踏む一方で株主還元にまい進してきたことの裏返しともいえる。 茨城県守谷市に住み、食べ盛りの小中学生2人を育てる男性会社員(43)は食料品価格の高騰に加え、子どもの部活動遠征に必要な宿泊費なども生活を圧迫しているという。「収入を増やすため最近転職し、何とかやりくりしている。老後は気になるが、資産運用など縁遠い話だ」と漏らす。日本証券業協会が24年に実施した調査によると、株式などの有価証券の保有率は24・1%にとどまる。保有するのは富裕層が中心とみられ「預貯金のみを持つ家計が多い中で、経済格差は広がっていく」(第一生命経済研究所の藤代宏一主席エコノミスト)。 世界が驚くほどの戦後復興を遂げ、一時は米国から脅威と見なされた日本経済から活力が失われて久しい。バブル崩壊と金融危機をきっかけに企業の積極姿勢は失われ、デフレが長期化。2000年前後の就職氷河期に正社員になれず、現在まで非正規の立場に置かれている労働者が多数存在するなど、なお傷が残る。 東京商工リサーチによると、25年4〜9月の全国企業倒産件数(負債額1千万円以上)は12年ぶりの高水準となった。世界での存在感も低下しつつあり、国際通貨基金(IMF)の予測では、かつて世界2位だった名目国内総生産(GDP)は26年、インドに抜かれ5位に転落する。 「1980年代ごろまでは日本の国際的な地位は非常に高かった。現在はどんどん貧しくなり、先進国から脱落しつつある」。日本経済を長年見続けてきた一橋大の野口悠紀雄名誉教授は嘆く。 人工知能(AI)のような世界経済をけん引する分野で米中などに水をあけられた日本。多くの人が安定した生活を送れる経済構造の構築が急務だが、解は見えない。 「解」はどこにあるのだろうか。いわゆる「失われた30年」の間政治を仕切ってきたのは自公政権であったことを想起すべきだ。そしてその最たるものがアベノミクスと言われる経済政策であった。そしてそれを引き継ぐかのようなサナエノミクスなるものをあげる政治は国民を救うことはできない。むしろ、GDPで表現される「豊かさ」にとらわれない経済を求めることが必要なのではないか。
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労働基準法改正に向け議論を進める厚生労働省の労働政策審議会の分科会が27日、開かれた。高市早苗首相が就任後、上野賢一郎厚労相に「労働時間規制の緩和検討」を指示してから初の会合。連合から労働者代表として出席した冨高裕子委員は「働く仲間から強い懸念の声が上がっている」と苦言を呈し、反対の姿勢を強調した。 冨高氏は会合で「過労死がなくなっていない状況を政府は重く受け止めるべきだ」とし「過労死ライン水準の(時間外労働の上限)規制緩和など断じてあってはならない」と訴えた。その上で「柔軟な働き方は現行法制上も十分対応可能で、緩和は必要ない」と強調した。 首相は「心身の健康維持と従業者の選択を前提にした」規制緩和検討を指示しており、経団連からの使用者代表鈴木重也委員は、こうした前提での緩和について「時宜にかなったもの」と述べた。 分科会は今年1月、労基法改正を提言する有識者研究会の報告書に基づき、議論を開始。14日以上の連続勤務の禁止や、副業の割増賃金算定方法の見直しといった内容を議論している。早ければ来年の通常国会での法案提出を目指す。首相の指示を受け、上野氏は就任記者会見で、労政審で議論を進める考えを示していた。 高市首相は就任時に「馬車馬のように働く」と宣言した。個人的な感想かと思いきや国民にそれを押し付ける内容だったとは大きな違和感を感じざるを得ない。必要なことは働くために生きているのではなく、生きていくために最小限の働きを保障するという政策だろう。
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沖縄県の米軍基地周辺の河川や湧き水から有機フッ素化合物(PFAS)の検出が相次いでいるとして、県内の市民団体が27日、国や地元自治体による基地への立ち入り調査などを求め、県公害審査会へ公害調停を申請した。公害争処理法に基づく手続きだが、同法は防衛施設に対しては適用されないとの条文があり、審査会が申請受理の可否を判断する。 申請書は、米軍基地周辺の水質汚染について、国は原因を合理的に説明する義務があると主張。説明できない場合は、基地への立ち入りが必要だとしている。住民の血液検査や、生活用水からPFASを除去するための費用負担も求めた。 沖縄住民の懸念は当然であり、調停という手続きを踏むまでもなく国は率先して環境調査を行うべきである。生存権を最優先することが国の責務であることは言を俟たない。
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文部科学省は27日、公立中学校の部活動改革に関する有識者会議を東京都内で開き、部活動運営に関する新たな指針の骨子案を示した。地域展開(地域移行)の受け皿となるクラブ活動で、指導者の人材を確保するため、小学校の体育専科教員など希望者の参画を促すことや、クラブ活動の公的な認定制度を設けて生徒たちの安全、安心につなげることを盛り込んだ。指導者の性犯罪歴を雇用主が確認する「日本版DBS」の活用も検討する。 2022年に示した指針の改定に乗り出していた。12月上旬をめどに公表し、全国の自治体に周知する予定。教員の負担の大きさや少子化を背景とした部活動改革の、当面の在り方を示すものとなる。 指導者の確保に関しては、中学校以外の教員らも積極的に活用するため、兼職、兼業に必要な許可を円滑に得られるよう、教育委員会などに求める。スポーツ庁は、小学校の体育専科の教員が公立中の部活動の指導員を兼ねるモデル事業に26年度から取り組む方針。 クラブ活動の認定制度は、安全管理体制など国が定める基準に基づき、市町村等が審査。更新制とし、有効期間を最長3年とする。承認されたクラブ活動は財政面などで公的支援を受けられる。 国は、23〜25年度を「改革推進期間」と位置づけ、休日を中心に各地で地域展開を進めてきた。26年度から6年間の「改革実行期間」では平日も含めて取り組みを進め、休日は全面的な実施を目指す。 多くの課題が山積している部活動改革でも、特に深刻なのが指導者不足の問題だ。小学校の体育専科教員など、中学校以外の教員を活用することは打開策の一つ。スポーツや文化活動の指導に意欲のある教員は一定数いるとみられ、スポーツ庁はモデル事業の関連経費を2026年度予算の概算要求に盛り込んだ。 関係者によると、部活動改革の実現のためには、少なくとも50万人の指導者が必要との試算があるという。日本スポーツ協会などの調査によれば、同協会や競技団体に登録している指導者の合計は30万人程度にとどまっており、人材確保が急務だ。数だけでなく質も求められ、国は一定の要件をクリアした人材でなければ認定地域クラブ活動での指導を認めない、登録制度創設も検討する。 部活動改革は「改革推進期間」の最終年度に入ったが、順調とは言いがたい。笹川スポーツ財団が6月に公表した調査結果によると、地域展開に乗り出した市区町村は3割にとどまり、「検討中」と「これから検討する」を合わせると6割に上った。 長く日本に根付いてきた「部活」の形態を変える改革には、いまだに戸惑いの声も大きい。国の有識者会議で座長を務める環太平洋大の友添秀則教授は「最初から完成形はできない。不十分でもいいから過渡期を踏んで、完成形を目指していくことが大事であり、まさに今そういう時期だ」と訴えている。 部活動改革へ斬新的ではあるが一定の成果は上げつつある。ただ、指導者不足を補うために小学校から中学校へと人材を移動することは解決策になるのか。対象となる教員の労働環境はどのように守れるのかは不透明。批判されてきた「やりがい搾取」が起こる可能性は高い。
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障害児の登下校にヘルパーらが同行する支援事業を年間を通じて利用できる自治体が、計82の政令・中核市のうち35%の京都市など29市にとどまっていることが25日、共同通信の調査で分かった。半数の41市は支援する事業自体がなかった。障害の有無によらず共に学ぶ「インクルーシブ教育」を国が推進し、地元の学校へ通う子どもの通学支援に対する需要が高まる中、自治体の対応に格差があることが明らかになった。 29市中25市は、厚生労働省所管の地域生活支援事業の一つ「移動支援事業」を利用して登下校をサポート。障害者総合支援法は移動支援事業を「必須 事業」と定めているが、国は日常的に通学に使えるようになっているかどうか、実態を把握していなかった。障害のある子どもを育てる家庭と行政、ボランティアの連携が必要だとする意見もあり、望ましい支援の在り方を議論することが求められそうだ。 移動支援事業は市町村と東京23区が実施主体となる。調査はこのうち政令・中核市を対象に、7〜8月に回答を集めた。 事業を実施している41市のうち大津市など12市は通年利用ができない仕組みだった。「保護者が急病の場合、2ヵ月を限度に利用可」「通学の練習目的で3ヵ月以内の利用を認めることがある」などの制限を設けていた。 多くの市に共通する課題が予算の確保だ。移動支援事業を実施している市の多くが、国から出る補助金が不足しているとした。愛知県豊橋市は「財源が限られ、通年での支援まで対応できない」と回答。仙台市は「社会参加にとって必要性が高いサービスで、利用時間や適用範囲の拡大ニーズはあるが、国の財政支援が不十分で対応が困難な状況だ」とした。 通年利用を認める市は「児童の学ぶ権利を保障するものだ」(那覇市)「今後も大きな需要が見込まれる」(京都市)と意義を強調。利用者への取材では子どもの成長や保護者の仕事に「好影響がある」と評価する声があり、小6の長女和菜さんが通年で利用する大阪府豊中市の延原和子さん(37)は「支援があることでパートに出られた」と話した。 一方「送迎は学校や保護者が行うのが基本だ」(新潟市)との回答もあった。 障害がある児童・生徒の登下校へのサポートが、自治体によって大きく異なる実態が明らかになった。財政を圧迫されているとして、多くの市が国の補助拡充を訴える。障害のない子どもと一緒に地元の学校に通う児童・生徒が増える一方、ヘルパーが不足している地域もあり、一筋縄ではいかないのが実情 だ。 暑さが残る9月中旬の早朝、大阪府豊中市の住宅をヘルパーの東徳子さん(75)が訪ねた。「今朝は顔色がいいね。昨日は学校どうだった」。ダウン症で行動が突然止まることのある小6女児(11)と手をつなぎ、会話をしながら20分ほどかけて約850メートル先の市立小へ。横断歩道では「いま渡れそう?」と女児に確認を促していた。 一家は4人の子どもがいて、5年前に女児の登校と弟(10)の登園時間が重なったのを機に移動支援事業の利用を始めた。個人負担は月4千円。母親(45)は「6年間徒歩で通えて体力もつき、娘の自信にもなった。自分だけではできなかった」と感謝を口にする。 移動支援を含む自治体の地域生活支援事業にかかる費用は、国が「最大半額」を補助する仕組みだが、財源不足のため実際に上限額の補助を受けた市区町村はゼロ。構成労働省の担当者は「予算拡充に努めているが、追いつかないのが現状だ」としている。豊中市は2023年度の事業費8億8千万円中、国の 補助が2億6千万円にとどまった。市の担当者は「サービスを届けようとすればするほど財政が圧迫される」と明かす。 通年利用を認めていない自治体は「予算に限度があるため一時的な利用に限定せざるを得ない」(福島市)「市の超過負担が大きい」(千葉市)と台所事情の苦しさを理由に挙げる。 障害のある児童・生徒の教育を担う特別支援学校は数が少なく、スクールバスで近隣の市町村から通うことも多い。一方、インクルーシブ教育の浸透に より、地元の学校に通う子どもが増加。付き添いが必要な場合、共働きやひとり親、多子世帯を中心に支援のニーズは大きい。 担い手不足も深刻だ。東さんの所属する「AI介護サービス」では、登校時のみ、30分以下の利用者が多数を占める。サービス提供責任者水上さゆりさん(63)は「人材確保のため、会社の持ち出しでヘルパーの給料を補填している」と話す。 高松市では25年から通年で利用できるようになった。市内の介護事業者「琉球の風」には保護者から数件の問い合わせがあったが、他の生徒への対応と時間が重なり、やむなく断った。笠井和也代表(35)は「1時間あたりの単価も高くはない。朝の忙しい時間帯に稼働できる人員は少ない」とこぼす。 インクルーシブ教育をすすめていくためにはこの「移動支援事業」は欠かせないものだが、人員と財源補不足をどう補うかという問題は大きい。例えば通学支援時間休暇など有給での対応を保障する法制度を作ることはできないのだろうか。障碍者の就労についてだけが「合理的配慮」の考え方ではないと思える。
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国土交通省が、水道水の安全を確保するため、毒性のある有機フツ素化合物(PFAS)を除去する自治体の取り組みへの財政支援を強化する検討に入ったことが25日、分かった。2026年度にPFASの濃度抑制を義務化するのに合わせ、除去施設の導入や、代替水源の整備にかかる費用への補助金の交付要件を緩和し、負担を軽減したい考え。 水道事業は自治体などが運営している。取水源となる河川や井戸などで高い濃度のPFASを検出した場合、代わりの水源を探し、取水施設を造ることになる。新たな水源が見つからないときは、浄水場内で粒状や粉末状にした活性炭で除去する施設などを導入する必要がある。国交省はこうした取り組みに補助金を出しているが、人口が少なく水道事業の経営環境が厳しい自治体などが対象。要件緩和を求める声が上がっており、人口規模の比較的大きな自治体も対象にする調整を進めている。26年度予算の概算要求に関連経費を盛り込んだ。 環境省と国交省の調査によると、24年度には富山を除ぐ46都道府県で合計300を超える水道事業者がPFASを検出したことが判明した。目標値を超えた例はなかったが、20〜23年度は上回った地域もあった。 緊急雛的な措置としての財政支援は必須だが、問題は汚染源の特定とその除去だろう。これまでおおくの自治体から調査すべきとの判断が示されているにもかかわらず国の動きは鈍い。米軍、自衛隊への忖度が背景にあるとの指摘もでている。
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自民党が日本維新の会との連立合意で、選択的夫婦別姓制度とは一線を画す旧姓の通称使用法制化方針を掲げたことに自民内でさざ波が立っている。党として基本対処方針を決めていない中での合意で、唐突感が否めないためだ。党内の選択的別姓推進派からは、時間をかけて議論するとしていた高市早苗首相の対応を疑問視する声が上がっており、今後調整を巡って新たな火種となる可能性をはらむ。 「国家観を共にする政党として真摯に長時間にわたる政策協議に対応していただいた」。首相は20日、保守色の強い政策がちりばめられた維新との連立政権合意書署名の場でこう強調した。 「基本的な価値観を共有することができた」(吉村洋文維新代表)一つが家族制度だ。「同一戸籍同一氏」の原則を維持し、旧姓使用に法的効力を与える制度を創設すると明記。来年の通常国会に関連法案を提出し、成立を目指すとした。 自民が、同様の法案を既に提出している維新の要求を丸のみした形。「家族の一体感」を重視する首相ら自民保守派は、旧姓の通称使用拡大で社会生活の不便が解消できるとしており、それに沿った内容にもなった。 自民は先の通常国会で選択的別姓導入を巡り議論したものの、慎重派と推進派で意見が割れ、集約は難航した。6月に取りまとめた対処方針では、旧姓使用の拡大を軸としつつ、当時総務会長だった鈴木俊一幹事長は基本的考え方を党として決定していないと説明。事実上の結論先送りで継続協議となったが、その後進展はない。 首相に近い党幹部は維新との合意について「6月の段階で決まった方向性と同じ内容だ。問題ない」との認識を示す。選択的別姓を推進する公明党が連立を離脱し、新たなパートナーの維新の要求を「渡りに船」(関係者)として、党内議論に一気に終止符を打とうとする思惑も透ける。 ただ首相は自民総裁選中の9月、選択的別姓の是非について「これ以上議論できないというぐらい時間をかける」と言明していた。 推進派議員の1人は「党内を二分するような話を勝手に決めているのはおかしい」と批判。別の議員は「党内議論になったらまとまるはずがない。来年の通常国会に提出するのは無理だ」と冷ややかに語った。 夫婦別姓の問題は根本的には「家族」をどう考えるかだ。姓が同じかつ血縁的な関係が家族だとするする考え方は、ある意味天皇制国家観を市民に押し付けるものだ。維新の「旧姓の通称使用法制化」はその議論を置き去りにした小手先の目くらましだろう。21世紀の家族観の議論を尽くして国民的な合意形成をすすめるべきだが、とにかく首相になりたい高市氏の独断であることは間違いない。
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高市早苗首相による「労働時間規制の緩和検討」の指示について、過労死遺族らから命を守る働き方に「逆行する」との懸念が相次いでいる。23日、立 憲民主党の会合に出席した「全国過労死を考える家族の会」の代表世話人寺西笑子さん(76)は「リスクの高い働き方、命が奪われる働き方に傾くことが心配でなりません」と語った。 「私たちは、大切な家族が馬車馬のように働かされて過労死したのです」。寺西さんは、1996年に夫を亡くした。高市氏は自民党総裁に選出された後、所属議員に向かって「ワークライフバランスを捨てる」「馬車馬のように働いてもらう」と述べたが、寺西さんは「耳を疑う発言だ」と批判した。 2015年に長時間勤務やパワハラに苦しみ、自ら命を絶った広告大手電通の新入社員高橋まつりさん=当時(24)=の母幸美さん(62)も出席。「命を守らないような、逆行するようなことは本当にやめて」と、声を詰まらせながら訴えた。 過労死遺族らは、大切な人の死を繰り返すまいと尽力してきた。14年、過労死防止法が成立。19年から順次施行された働き方改革関連法では、時間外労働(残業)は年720時間以内(休日労働含む複数月平均80時間以内など)とする罰則付き上限規制が導入された。 高市氏は新政権発足に伴 い、上野賢一郎厚生労働相に対し、心身の健康維持と従業者の選択を前提にした労働時間規制の緩和検討を指示した。 「東京過労死を考える家族の会」の代表渡辺しのぶさんは防止法を「(遺族らが) 一緒に闘ってできた法律」と誇り、上限規制を「これで私たち働く者の命が守られると思った」と話す。高市氏の指示について、寺西さんも「逆行するような動きで心配」と受け止めたという。 遺族らは、高市氏は上限規制の適用外となっている裁量労働制などの対象拡大も念頭に置くのではないかと不安視する。裁量労働制下の長時間労働で夫を亡くした渡辺さんは「死後、自己責任と言われました。そういうことはあってはならない」とくぎを刺した。 高市早苗首相が上野賢一郎厚生労働相に「労働時間規制の緩和検討」を指示したことについて、連合の芳野友子会長は23日の記者会見で「これまでの長時間労働是正の取り組みに逆行するもので、、看過できない」と述べ、規制緩和に反対する姿勢を示した。 芳野氏は「過労死などがなくなっていない状況を踏まえれば、過労死ゼロとワークライフバランスの実現を目的とする働き方改革はまだ道半ばという認識だ」とし「時間外労働(残業)の上限規制は過労死ラインぎりぎりの水準であり、これを緩和することはあってはならない」と訴えた。 高市早苗首相が、11月上旬にブラジルで開かれる国連気候変動枠組み条約第30回締約国会議(COP30)の首脳級会合を欠席する見通しであることが23日、政府関係者への取材で分かった。臨時国会の対応を優先させる。昨年のCOP29も石破茂前首相が欠席しており、深刻化する地球温暖化で世界的な議論が求められる中、日本の存在感低下は避けられなさそうだ。 COP30は11月10〜21日の日程でアマゾン地域にある都市ベレンで開かれる。首脳級会合はそれに先立つ6、7日の予定で各国首脳は自国の取り組みなどを説明し、世界全体での対策強化を呼びかける。温暖化対策の国際枠組み「パリ協定」からの離脱を表明した米国のトランプ大統領も欠席する見通し。少なくとも英国は出席するとみられるが、先進7力国(G7)は6月の首脳会議でも米国への配慮から気候変動分野で目立った成果は得られておらず、足並みがそろわない現状が改めて浮き彫りになりそうだ。 日本の首相の欠席は、昨年アゼルバイジャンで開かれたCOP29に続き2年連続。COP30では、産業革命前からの世界平均気温の上昇を1・5度に抑える目標を掲げるパリ協定の達成に向け、各国が設定する温室効果ガスの排出削減目標などがテーマとなる見通し。 高市政権の強圧的政策が日ごとに目立ってくる。防衛、スパイ防止法、働き方改革、農政、環境保護など各方面で人びとの生活基盤を危機的な状況をもたらすような方向を打ち出している。こうした政権は誰に利益をもたらすのだろうか。仮にアベノミクスの継承を目指しているのだとすれば、トリクルダウンは起きなかったこと、金融緩和で潤ったのは投資家ばかり、労働時間は短縮されていないと、まさに負の遺産だけが残っていることを良しとするのだろうか。庶民の生活は改善されない。共産党もふくめて中道左派とされる勢力がこのことをどう訴えるのかが重要だろう。時代お先をゆく?アメリカのニューヨーク市長選では「社会主義」を標榜するがマムダニ氏が有力とされているのはなぜなのだろうか。
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京都市議会の委員会で23日、請願を提出した市内の高校生が44年ぶりに請願者本人による趣旨説明を行った。これまで市議会は、提出者本人が議会での趣旨説明を望んでもほぼ認めず、紹介議員が代弁する形を続けていた。今回は「高校生による請願が過去に例がなく、主権者教育を推進するため」(大津裕太 総務消防委員長)として、試行的に認めた。請願自体は不採択となった。 請願したのは、市内の高校生。北陸新幹線の敦賀以西の延伸について反対決議をするよう市議会に求めた。巨額の建設費、地下水や生態系に与える影響、工事の安全性などへの不安を訴え「国に白紙撤回を求めてほしい」と呼びかけた。 説明や市議との質疑を終えた生徒は「延伸に賛成する議員も含めて直接話ができてよかった」と充実した表情で話した。 市会事務局によると、請願者が委員会の趣旨説明に立つのは1981年11月以来。ただ、府内の地方議会では本人が発言機会を求めれば認められるケースが多い。2015〜24年度実績では、福知山市や亀岡市など10市町ではすべてを認めている。 京都市議会が請願者本人の趣旨説明について、「初の高校生」であることと「主権者教育の推進」を理由に認めた。若者の行動力が「44年ぶり」に重い扉をこじ開けた格好だ。ただ、今回はあくまで特例的に認めただけで、高校生は「誰でも発言できるようになってほしい」と願う。 請願の趣旨説明について、市会基本条例は「紹介議員から趣旨の説明を聞く機会を積極的に設ける」と規定。本人説明は「必要と認めたときは請願者から説明を聞くことができる」と要綱で定める。本人の発言希望があった場合、各請願を付託された市議会委員会がその都度審議し、44年間、「必要ない」と判断し続けてきた。本人の発言を無条件に認めると混乱が生じる恐れがあることや、特定の政党の紹介議員が多いことなども背景にあったとみられる。 今回、可否を審議した委員会では「未来の有権者で内容も将来に大きく関わる。主権者教育の観点を重視し試行的に認めてはどうか」(自民党)、「請願権は憲法で保障された権利。提出するだけでなく、十分に意見を聞かれる権利も有している」(共産党)などと全会一致で必要を認めた。ただ、あくまで「試行」で委員会とは別の「協議会」の場で発言を認め、質疑を行った。 23日には、高校生以外に3件の請願が提出され、いずれも本人発言の希望があったが、議会は「紹介議員が説明すべき」などと認めなかった。インボイス制度の廃止と消費税減税を求め、発言を認められなかった68歳の男性請願者は「なぜ将来の有権者はよくて、現在の有権者は認めないのか」と、納得できない。 若さを理由に特例的に発言できた高校生は「ありがたいが、市民自身が考えを述べることに意味があると思う。認められることが普通になったらいい」と話した。 主権者教育に詳しい京都橘大の乾明紀教授(シチズンシップ教育)は、「政治参加の権利としての請願件を高校生が行使し、これまでほぼ認められなかった市議会での発言ができ、風穴を開けた」、と評価。「自分たちの意見を政治に届けられることを高校生や大学生に知らしめる意味において教育的な 意味がある」と、今回の市議会の対応を歓迎した。一方で、発言が認められなかった請願者もいることから「委員会が他の請願者の発言をなぜ認めなかったのか、高校生に聞かれた時に納得できる説明ができるのか。不信感を持たれてはならず、ガイドラインを検討するなどして主権者教育をより深めてほしい」と話している。 「ありがたい」や「風穴」という表現がふさわしいのだろうか。これまでは明らかに共産党対策として請願者本人の説明が拒否されていたおだろう。高校生の主権者教育ということが表立った理由のようだが一過性のパフォーマンスでないことを期待する。
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洛星中学・高校(京都市北区)を運営するヴィアトール学園とノートルダム女学院中学・高校とノートルダム学院小(いずれも左京区)を運営するノートルダム女学院は23日、来年4月にヴィアトール学園がノートルダム女学院から小中高の譲渡を受けて運営を始める、と正式に発表した。都市部でも少子化が加速する中、同じカトリック系のミッションスクールを運営する両法人が手を携えた形だ。京都有数の男子進学校である洛星の女子教育参入が、京都の「受験地図」をどう塗り替えるかが注目される。 「体力がある間に先手を打つべきと考えた」。同日午後、京都府庁で記者会見したノートルダム女学院の増田寿幸理事は小中高の譲渡を提案した理由を明かした。 ノートルダム中高はかつては名門校として知られていたが、近年は入学者数が募集定員を下回る状況が続く。「赤字経営ではない」が、2026年度から学生募集を停止する京都ノートルダム女子大の閉学に伴い、中高の入学者はさらに減少する恐れがあった。 女子校を巡る環境は厳しさを増している。京都の各校では定員割れが相次ぎ、京都西山高(向日市)が22年度に男女共学化。今年3月には京都光華中高(いずれも右京区)が26年度からの共学化を発表した。 会見では両法人で中高の共学化に向けた議論があったことも明かされたが、「男子校としての意義、女子校としての意義にこだわった。共学だけが解決の道ではない」(増田氏)として男子校と女子校の併設で合意したという。 クラブ活動も活発な進学校として独自のブランドを築いてきた洛星は、女子校の運営でも蓄積してきたノウハウを生かす。佐山展生理事は会見で「洛星は京都で一番入りたいと思ってもらえる学校を目指してきた。女子もそれを目指したい。進学にウエートを置いた学校にしようと決めているわけではないが、仮にナンバーワンになったら定員割れはしない」と自信たっぷりに言い切った。島田眞路理事長も「スピード感をもってよりよい学校づくりに取り組み、全ての人にとって明るい未来を切り開けるように全力を尽くす」と力を込めた。 今回の事業譲渡で、京都の受験競争が過熱する可能性もある。「洛星にとっては大きなチャレンジ、ノートルダムにとっては大きなチャンスになるのでは」と話すのは進学塾「京進」の担当者。京都には女子進学校が少ないとして、「新しいノートルダムと他校が学力で競り合うような構図になれば、女子校から難関大を目指したい生徒の選択肢が増える。刺激を受ける子どもや保護者も多いはず」と分析する。女子高を運営するある学校法人の理事はノートルダムが活性化すれば、うちはますます厳しくなる」と危機感を隠さない。 ノートルダム女学院は女子大の閉学後、清算手続きを開始する見通し。70年超にわたって続いた伝統ある学校法人は解散して役割を終えるが、和田環理事長は「教育の質と持続可能性をさらに高めるためであり、よりよい環境を提供できるものと確信している」と前向きに語った。 私立大学の生き残り競争が激化している中、中高にもその影響がでているといえるだろう。「共学だけが解決の道ではない」という方針は斬新なものだ。「受験競争の激化を招く恐れがある」との批判はここでは意味をなさないかもしれない。
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公立中学校の技術・家庭科(技術分野)教員が不足している。京都府では技術教員の4割を臨時免許保有者などで特例的に賄っている。中教審は次期学 習指導要領で技術分野を「情報・技術科(仮称)」に改編する方針を打ち出しており、優秀な技術教員のニーズが高まっている。府教育委員会は教員の養成 講座に新たに技術分野を加え、人材育成に力を入れる。 技術教員は木材・金属の加工や栽培・飼育、プログラミングなどを指導する。府教委によると、府内の技術教員は2024年度で96人。このうち15人が有効期限が3年の臨時免許保有者で、23人は免許を持たずに特例で教える免許外教科担任。両方で全体の40%に上り、全国平均の25%を大きく上回っている。 人材不足は20年代に入り、大量採用時代の教員が一斉に定年退職の時期を迎えたことが主な要因とみられ、来年度は受験者7人全員を採用候補とした。 中教審の特別部会は9月、次期学習指導要領に向けた基本方針の中で、情報活用能力の抜本的な向上を図る意向を示した。具体的には中学校で技術・家庭科を分離して技術分野を「情報・技術科(仮称)」に改編するとしており、プログラミングなど情報分野の指導力がますます必要になる。 そこで府教委は、教員志望の学生を対象にした「教師力養成講座」に技術・家庭科を新たに加えることにした。同講座は2月から5月にかけて週1回程 度、学校現場で模擬授業や学級運営などを学ぶ内容で、技術教員の定着と指導力強化につなげたい考えだ。 小学校や高校、特別支援学校の教員志望者を含めて90人程度を11月7日まで募集している。問い合わせは府教委教職員人事課075(414)5784。 |
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チャットGPTのような対話型の人工知能(AI)は、あなたにとってどんな存在ですか―。電通がAI使用者に行った意識調査では、64・9%が感情を共有できる相手だと答え、親友や母とほぼ同水準だった。67・6%はAIに愛着を抱き、一部の人はあだ名を付けるなど、生活のパートナーとなりつつある様子が浮かんだ。 AIが身近になった背景には時間、場所を気にせずスマートフォンから相談できる手軽さがありそうだ。一方、使い方によっては精神的な依存が強まる懸念も指摘されており、どう付き合うかが課題となっている。 調査は6月、対話型AIを週1回以上使う12〜69歳の千人に対し、インターネットで実施した。AIを信頼していると答えた人は86・0%に上った。 AIと感情を共有できると回答した人を世代別に見ると、10代と20代は7割を超え、40代以降は5割台だった。全体では感情の共有相手として親友が64・6%、母は62・7%で、父や配偶者は4割前後にとどまった。 ネット上ではチャットGPTを、親しみを込めて「チャッピー」と呼ぶ人がいる。調査でもAIに愛着がある人の2割超が、独自の各剛を付けていると答えた。 AIに求めるものは「自分が知らないことを教えてほしい」が46・6%で最も多かった。「心の支えになってほしい」は15・8%だったが、10代に限ると23・8%で8ポイント高かった。「自分の存在を認めてほしい」などの選択肢も同様の傾向が見られた。 調査に携わった電通の木幡容子さんは「AIは本音を話せる相手として、ストレス対応にも役立つ」と話す。ただAIが間違った回答をすることや、依存の恐れもあると知った上で付き合うべきだと指摘した。 AIを信頼できるとする人が9割弱、そのなかでも10代、20代の若者の支持が圧倒的。なにやらポピュリズム政党支持層とシンクロしているように思える。コミュニティーの崩壊が人々を、とりわけ若者を孤独に追いやっているのだろうか。コミュニリアンではないが社会の基盤が揺らいでいるように見える。
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共同通信世論調査で、高市内閣支持率を支持政党別に見ると、連立与党の自民党は84・1%、日本維新の会は78・1%と高率だった。野党でも国民民主 党は71・6%、参政党は78・8%が支持した。連立政権から離脱した公明党は支持が40・2%、不支持が46・5%と評価が二分した。 国民、参政両党は保守的な政策を打ち出しており、高市氏の政治姿勢を評価したとみられる。不支持は自民7・6%、維新10・0%、国民15・6%、参政12・0%。「支持する政党はない」とした無党派層も、支持が46・5%で不支持の34・0%を上回った。 立憲民主党の内閣支持率は32・9%で、不支持の52・2%の方が多かった。 男女別で見ると、男性の63・1%、女性の65・7%が支持し、大きな差はなかった。年代別では、30代以下の若年層の79・3%が最も支持率が高く、40〜50代の中年層は64・7%、60代以上の高年層は54・9%と、年代が上がるにつれて低下した。 小泉進次郎防衛相は22日の記者会見で、潜水艦の動力として原子力を活用する考えがあるかどうかを問われ「あらゆる選択肢を排除しない」との見解を示した。「どれかに決め打ちせず、抑止力、対処力を向上させる方策を検討したい」と語った。22日の着任式の訓示では、2022年末策定の国家安全保障戦略など安保関連3文書の前倒し改定について意欲を表明した。 自民党と日本維新の会の連立合意書は、長射程ミサイルを搭載し、長距離、長期間の移動を可能にする「次世代の動力」を活用した潜水艦の保有に向け政策を推進すると記載している。両党は「救難」など非戦闘目的の5類型に限り防衛装備品の輸出を認めるルールに関しても、26年の撤廃を確認。小泉氏は会見で「公党間の合意は重い」と強調した。 3文書の見直しに関し、改定作業の指示を出すとした高市早苗首相の意向を踏まえ「真に実効的な防衛力の構築に向け、全力で働く所存だ」と述べた。 高市早苗首相が制定を目指すスパイ防止法に反対する野党議員や弁護士らが22日、東京都内で勉強会を開いた。出席者は「国民を監視し、情報を提供しない法律がつくられてしまう。政府に異論を唱える人を排除する目的だ。危険性が高いと訴えていく必要がある」と声を上げた。 海渡雄一弁護士は、スパイ防止法の制定を目指すのは「世界を敵と味方に二分する考え方だ」と説明。戦争への道を開く法律だと懸念を示した。 情報機関が設立されれば、暴走を食い止める仕組みを整えたとしても謀略機関の役割を担うことになると主張。こうした機関は活動が見えにくく「仮に冤罪事件が起きても弁護活動ができなくなる」と述べた。 ジャーナリストの青木理さんは「世界を見ても、治安機関や情報機関が強い力を持っている社会体制はろくなものではない」と警鐘を鳴らした。 勉強会には立憲民主党や共産党、社民党などの議員も出席。共産の小池晃書記局長は「排外主義にも結びついている。党派を超え反対していくことが重要だ」と話した。 立民の有田芳生衆院議員は「現代版の治安維持法で、人権問題だ」と強調。れいわ新選組の佐原若子衆院議員は「国を守るのではなく、国民生活に踏み込む内容だ。言論統制をしようとしている」と指摘した。 自民は参院選の公約に「諸外国と同レベルの安全保障を確保するため、国家情報戦略やスパイ防止法の導入に向けて検討を進める」と明記。自民と日本維新の会の連立政権合意書にも「年内の検討開始」が盛り込まれた。国民民主党や参政党も制定に前向きな姿勢を示している。 石破政権が掲げたコメの増産方針について、鈴木憲和農相は「需要に応じた生産が基本だ」と述べ、政策を転換させる考えを示した。小泉進次郎前農相は政府備蓄米の放出で市場に積極的に介入したが、鈴木氏は「政府が価格にコミットするべきではない」と否定。前政権の改革路線から旧来型農政への巻き戻しが急速に進み高値が定着すれば、消費者には打撃となりそうだ。 「(農家が)安心して先を見通せる農政を実現する」。22日の就任記者会見で、鈴木氏は生産者を重視する姿勢を鮮明にした。「ころころ方針が変わっては生産現場は対応できない」とも述べ、増産にかじを切った前政権を暗に批判するような一幕もあった。 前政権が増産に踏み切ったきっかけは、コメの不足感から価格が高騰した「令和のコメ騒動」。国が需要量の増加を見誤り供給不足を招いたことが要因と結論付け、2027年度以降の増産方針を打ち出した。石破茂前首相には、長年続いた事実上の減反政策も一因との問題意識があった。 在庫は異例規模 鈴木氏が本格増産の懸念点として挙げたのが、供給過剰に伴う米価の下落。25年産米の収穫量は前年比1割増の747万丿超で、26年6月末時点の民間在庫は最大229万トンと異例の規模となる見込みだ。このため「既に不足感は払拭された」との認識を示し、価格暴落を防ぐために需要に見合った生産を進めるべきだとの持論を展開した。 また、価格は需要と供給に応じて市場で決まるとの立場で、備蓄米活用などによる価格抑制には否定的。大凶作などで供給不足となる事態以外での放出には慎重な考えだ。小泉氏が備蓄米を定期的に主食用米で放出することも選択肢だと訴えたのとは対照的だ。 そもそもコメ価格は需給に大きく左右されるため、農林水産省は毎年需要量の目安を示すことで、望ましい生産量に誘導し価格を下支えしてきた経緯がある。本格増産の方針を後退させれば、生産者の意欲減退につながる可能性があるほか、担い手の減少や耕作放棄地の増大といった農政課題がさらに進行する懸念も出てくる。 足元では米価高騰が続き、家計には打撃となっている。高い新米が出回る中で備蓄米の効果は薄れ、コメ5キロの平均価格は石破政権が実現した3千円台から4千円台に後戻りした。高止まりが続けば、消費者のコメ離れも懸念される。 騒動再燃の懸念 鈴木氏は足元の価格への評価を避けたが「4千円を切るコメがなかなか並んでいないことは認識している」とも述べ、消費者の立場に一定の理解を見せた。面積当たりの収穫量が多い品種へ切り替え生産性を高めることで、割安なコメと農家の所得確保が両立しうるとも力説した。 石破政権は増産によってコメ余りが生じた場合に備え、輸出拡大策や農家の支援策も検討する方針を示した。政権が代わり、需給の一致を優先する従来型の農政に回帰すれば、今後、凶作に見舞われた際に供給不足に陥るリスクが高まり、コメ騒動が再燃しかねない。 石破政権で示した自民党のリベラル感は、新政権で右旋回を見せている。高市政権を保守政権と名付けるのはもはや無理筋。極右ポピュリズム政権とすべきではないか。維新、国民、参政などの政党に支えられないともはや一人立できない自民党の終わりの始まりかもしれない。G・オーエルの『1984』のビッグブラザーに代わって、村上春樹の小説『1Q84』に登場する「リトルピープル」の時代に突入したのかもしれない。
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自民党の高市早苗総裁は、政府が2022年末に策定した国家安全保障戦略など安保関連3文書に関し、首相選出後に改定の検討を指示する方向で調整に入った。防衛費を27年度に関連経費と合わせて国内総生産(GDP)比2%とする目標の増額が念頭にある。28日を軸に調整するトランプ米大統領との会談で改定方針を提起し、防衛費増額圧力を強める米政権に対して防衛力強化を進める姿勢を示す狙い。複数の関係者が20日明らかにした。 高市氏は首相就任後の24日に想定される衆参両院本会議の所信表明演説にも改定方針を盛り込む意向だ。政府は防衛費増の財源の一部に法人、所得、たばこ3税の増税を見込んでいる。安保3文書改定により、さらなる国民負担につながる可能性がある。 高市氏は、防衛装備品の輸出推進に向け、「救難」など非戦闘目的の5類型に限り輸出を認めるルールの撤廃に向けても議論を進める考えだ。装備品を製造する国営の「工廠」導入や、原子力潜水艦の必要性についても検討する。無人機の活用拡大や宇宙、サイバー分野の防衛力強化も論点となる。 現行の3文書のうち、防衛力整備計画では23〜27年度の防衛費を約43兆円と示した。整備計画を1年前倒しで改定し、次期計画で27〜31年度分の防衛 費を定める案も浮上している。 防衛費を巡っては、北大西洋条約機構(NATO)が今年6月の首脳会議で、35年までに軍関連インフラ整備費と合わせて各国のGDP比5%に引き上げる新目標で合意。米政権は水面下で、日本に対してもGDP比3・5%への増額を求めており、日本政府側はトランプ氏が28日の首脳会談でも防衛費増を求めてくる展開を警戒する。 自民党の高市早苗総裁は、首相就任後、防衛費のさらなる増額を念頭に、安全保障関連3文書の改定に着手する。防衛費増は国民負担に直結する可能性があるほか、地域の緊張を高めるリスクが付きまとう。改定の是非やその内容は安全保障の根本を左右すると言っていい。 与野党が防衛の在り方を徹底して議論し、国民の納得を得られるよう丁寧にプロセスを踏む必要がある。 2022年12月に岸田内閣が策定した安保3文書は、反撃能力(敵基地攻撃能力)の保有や防衛費の大幅増を盛り込んだ。従来の安保政策を大転換する内容にもかかわらず、国会閉会中に政府・与党だけで決定。野党からは「乱暴だ」と批判が上がった経緯がある。 政府は、安保3文書に基づき防衛費を毎年度、増額しているが、国民反発の懸念から財源の一部は宙に浮いたままだ。人手が不足したまま装備取得などの契約を推し進める対応には防衛省、自衛隊内からも「実務が置き去りになっている」との声が漏れる。 高市氏は首相に選出後、国会論戦に臨む。防衛費増の財源や防衛政策を正面から説明する責任がある。 政府は2023年度から27年度までの5年間で必要な防衛費を43兆円程度と定めており、財源確保が課題となっている。所得、法人、たばこ3税を増税して1兆円強を確保する方針だが、所得税の実施時期は決まっていない。安保関連3文書が見直されれば予算規模の膨張は必至で、財源確保はさらに難航しそうだ。 政府は25年度税制改正で、法人税とたばこ税は26年4月から引き上げることを決めている。所得税は、27年1月から東日本大震災の復興財源としてきた復興特別所得税のうち1%を新たな「防衛特別所得税」(仮称)とする政府案が議論されていたが、「年収103万円の壁」引き上げを巡り、結論が先送りとなった。 今年6月に決定した経済財政運営の指針「骨太方針」では、所得税増税について「引き続き検討する」と明記した。ただ自民党の高市阜苗総裁は、年収の壁引き上げを通じたさらなる減税に前向きな姿勢を示す。与野党から減税主張が目立つ中で、新たな財源探しは困難を極めそうだ。 野党間での協議が「基本政策の不一致」を理由にとん挫し、結局自民党の政権が維持されることとなった。日本維新の会がそのアシストを務めたし国民民主党はオウンゴールの役割を果たした。自民党も含め生活重視を声高に叫んだにもかかわあらず、防衛費のための増税とは理解不能だ。「王様はいらない」とし全米で700万人が参加した反トランプデモの逆風にもかかわらず、日米首脳会議でおお土産を用意する高市新政権とはなんなのだろうか。
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【エルサレム共同】イスラエル軍は19日、パレスチナ自治区ガザ全域を空爆した。最南部ラフアで武装勢力の施設を解体していた軍部隊が攻撃され、兵士2人が死亡し3人が負傷したことへの報復とした。中東メディアによると、少なくとも42人が死亡。10日の停戦発効後、最悪規模の被害となったが、トランプ米大統領は停戦は「維持されている」と語った。 イスラエル軍は停戦を「再び順守する」と発表した。イスラム組織ハマスは声明でイスラエル軍への攻撃の関与を否定し、停戦を守る考えを示した。情勢の不安定さが露呈し、停戦維持への影響が懸念される。 イスラエル軍は部隊への攻撃を「停戦合意違反」とし、ハマスの拠点120力所以上を報復攻撃したと表明した。 イスラエル軍が自軍兵士が攻撃されたとしてパレスチナ自治区ガザで空爆を実施、停戦合意のもろさが改めて浮き彫りになった。イスラエルとイスラム組織ハマスは2年以上に及ぶ戦闘で2回停戦を実現したが、いずれも崩壊。監視メカニズムはなく、双方の不信が停戦維持の脆弱さに拍車をかけている。 1回目の停戦が実現したのは戦闘開始から1ヵ月以上経過した後の2023年11月24日。停戦期間は4日間で、2日間延長されたが、同12月1日にハマスはロケット弾を発射しイスラエル軍は空爆を再開、停戦は崩壊した。米メディアによると、ハマス拘束下の人質のうち誰を解放するかでイスラエルとハマスが折り合わず、決裂した。2回目の停戦は25年1月19日から6週間。双方はこの間、3月1日までに停戦の継続を協議する予定だったが進展せず、イスラエル軍は同3月18日、大規模空爆を再開した。 理由はともあれガザでのイスラエルの行動はパレスチナ人の自治権を侵害するものであり、イスラエル軍の即時撤退以外に完全な停戦はあり得ないのだろう。停戦は「維持されている」との見方は言語道断。
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京都市は20日、施設の一部民間活用に向け事業者を募っていた男女共同参画センター「ウィングス京都」(中京区)の契約候補に、ブックチェーンの大垣書店(北区)が決まったと発表した。多世代が集える場となることを念頭に、書籍の物販や飲食スペースの整備に加え、子育て相談や託児サービスも展開される。 ウィングス京都は1994年に開館。市は建物の老朽化対策に取り組むとともに、既存設備のレイアウトを見直した上で、1階計約1200平方メートルの余剰スペースを民間に貸し付けることにした。公募型プロポーザルで7月下旬〜9月下旬に事業者を募ったところ、2社が応じた。 大垣書店の提案によると、防災や地蔵盆のイベントで多世代が集える場を設けるなど、「世代・属性・環境を超えて『誰もが参画できる場』」とし、施設が掲げる男女共同参画と地域共生の理念を体現するとしている。年額約4千万円での貸し付けを希望しており、市が来年4月以降に予定する内装工事の終了後にオープンさせる。 ウィングス京都は男女別の悩み相談やジェンダー関連の講座を開講している。現状のレイアウトを見直すと、受付窓口や図書情報室、相談室など、現在は1階にある設備が2階に集約され、稼働率の低さから廃止となる貸部屋もある。市議会からは、ジェンダー平等を推進する相談や講座といった従来の機能が骨抜きにならないか懸念の声が上がっていた。 市共生社会推進室は「書店や飲食店があればこれまで利用していない方も気軽に立ち寄れる。機能向上が図られるよう、事業者と調整していく」として いる。 都市の公共施設がどれだけ地域住民の生活に密着しているのかは不透明。結果的には施設維持や管理に費用がかさむだけとの批判も少なくない。佐々木秀彦の『文化的コモンズ』は、こうした施設のガバナンスについての議論を展開しているが、なによりも各施設がどのようなコンセプトを持つかが重要だと指摘している。つまり、住民目線での運営が必要だということだろう。
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アスクルが標的となった身代金要求型コンピューターウイルス「ランサムウェア」の被害件数は近年、高止まりとなっている。アスクルは主な事業が停止に追い込まれ、復旧のめどは立っていない。別の手段を含めたサイバー攻撃は頻発しており、消費者や取引先との信頼を維持するためにも企業の自衛策強化が急務となっている。 警察庁が9月に発表した調査では、ランサムウェアによる被害報告件数は今年上半期(1〜6月)で116件に上った。2022年上半期の114件から7半期連続で100件前後の状況が続く。 ウイルス開発者が報酬を受け取って攻撃実行者にプログラムを提供する役割分担もみられ、通信大手のインターネットイニシアティブ(IIJ)の担当者は 「専門知識がなくても攻撃を実行できる」と強調する。さらに大量のデータ送信により、システム障害を起こす「DDoS攻撃」といった異なる手段も頻繁に確認されていて「話題になった攻撃以外にもセキュリティーに穴がないか、まずは企業側の網羅的な点検が重要だ」と説いた。 ロイター通信は20日、米アマソン・コムのクラウドサービス「アマソン・ウェブ・サービス(AWS)」に障害が生じ、世界中で人気ゲームのアプリなどが使えない状態になったと報じた。日本でも障害が報告されているもようだ。 クラウトサービスはインターネット経由でアプリなどが利用できるサービス。アマゾンは幅広い企業にサービスを提供しており、その利用企業に影響が出たとみられる。 今回の障害には生成人工知能(AI)の検索サービスを展開する米新興企業パープレキシティや米国の暗号資産(仮想通貨)交換所大手コインベースも含まれているという。 改めて言うまでもないだろうが、世界がコンピューターでつながるネットの世界であることを思い知らされる。生成AIをメフィストフェレスとみなすことがあるが、おそらくインターネットが人類自身が生み出したメフィストフェレスだ。「成長神話」から決別すべき勇気が必要なのかもしれない。
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立命館守山高(守山市)は本年度から生成AIの知識をAIに教えてAIに問題を解答させるのが特徴で、AIから学ぶという従来の発想を逆転させた。生徒が教わる側から教える側に立つことで主体的な学びが期待できるという。 (生田和史) 「関係副詞について簡単に説明するよ。when、where、why、howの四つがある…」と生徒がパソコンのキーボードで文字を入力していく。今回の授業は、副詞と接続詞の役割を果たす「関係副詞」がテーマで、二人一組になった3年生が現時点で持てる知識の情報を入力する。その後、AIによる全12問解答が画面に表示された。12点中3点だった竹村心晴さん(18)は「英語は得意と思っていたが、教えるのは難しか つた。自分では理解しているつもりだったが、なんとなく分かった気になっている所もある。自分の実力を試すのにはよい」と話した。 今回の授業で使った生成AI「育てるAI」は、同高卒業生で立命館大情報理工学部4年の中井勇希さん(21)がGoogleの生成AI「Gemin 1.5pro」を基に試作版を開発した。性能を大幅に制限し、勉強が苦手な生徒のような状態を生み出した。うまく説明しないと、AIが解答にたどり着けないように設定している。 関係副詞の学習のみに対応した試作だが、2学期中には、「仮定法」などにも対応させて実践例を増やしていく方針。リーディングやスピーキングにも応用できるという。生徒が教えた内容を一定時間がたつと忘れたり、赤ちゃんのように育てたりするような体験ができる仕組みづくりも目指す。 取り組みのアドバイザーを務め、英語教育とAIに詳しい立命館大生命科学部の山中司教授は「(AIを使った英語学習は)AIが出した答えを人が写すだけになりかねない。それでは、英語教育として限界がある。人に教える事は難しいが、この経験をすることで初めて知識が自律的になる」とAIを活用した新たな学びに自信を示す。 公立校もAIを使った英語学習に取り組んでいる。 京都府教委は2024年度、英会話学習アプリを使った授業を一部の公立中と特別支援学校の2年生約300人を対象に開始。AIが繰り出す質問に答えることで、生徒の発話量が増えるなどの成果が現れているという。本年度には、対象学年や生徒数を約千人にまで拡大し、アプリ導入の効果を検証する。来年度はさらに生徒数を増やすとともに、より高性能な生成AIの導入も検討したいとしている。学校教育課の担当者は、立命館 守山高の取り組みを「面白いアイデアだ。府内の小学校では自分が学んだ内容を問題に仕立て、友達に解かせて解説をするという授業があるがそれと似ている。AIを使って教わったり、教えたりすることで学びの幅が広がるのではないか」と評する。 滋賀県教委も、本年度から英会話に特化したAI学習アプリを活用した英語の授業を彦根東高、米原高、国際情報高、高島高の4校で試行している。主に国際教育や英語教育に力を入れるコースの生徒が発音や音読に取り組んでおり、「自分のベースで学べる」「機械相手なので間違えても恥ずかしくない」などの声があり、好評という。 かつて「たまごっち」というオモチャ(?)があったことを思い出す。教育のおける「逆転発想」というアイデアだ。ただ「教え、教えられる」という一方向の教育が常に議論の対象となってきたという歴史をみれば事新しいことではない。それをAIに実装したということだろう。近年の「コンピテンシー」論の考え方からいえば「逆転発想」が人間同士の中でどのように発揮されるかが「能力」とされていることは見ておく必要がある。確かに、人間関係が構築できない環境でのこうしたAIツールの使用には意味があることは認めなくてはいけないだろうが、である。
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自民、公明、日本維新の会3党が高校授業料無償化を巡り、月内の実務者合意を目指す制度案が18日、判明した。収入要件を撤廃して授業料を助成する就学支援金について、外国人学校は対象外とする。財源は「税制による対応も含め確保が不可欠」と明記した。増税などが念頭にあるとみられる。実施から3年程度で検証し、必要な見直しを行うと盛り込んだ。 教育無償化は、経済的事情による教育格差の是正が目的。外国人学校を対象外とすることには慎重な声も出そうだ。 実務者は22日にも会合を開き文案を協議する。制度案では、日本の高校に相当する外国人学校を対象に指定する現行制度を廃止。日本の高校に通う外国人を含め、留学生など日本への定着が見込まれない生徒は対象外とし、保護者の収入要件を設けるなどした別の施策で支援するとした。財源に関しては「恒久的に実施するため、新たに安定的な財源が必要」として既存の教育財源の流用を否定。「財源確保と制度改正を一体的に実施する」と明記した。 私立の通信制高校に関しては、支給上限額を全日制の45万7千円より抑え33万7千円と設定。授業料以外の教育費負担を軽減する「高校生等奨学給付金」の支給対象拡大や、公立離れを防ぐため人工知能(AI)やグローバル人材の育成強化支援も盛り込んだ。 高校教育の無償は準義務教育化している高校教育を普遍的に扱うという意味が込められていたのではないのか。対象外となっているのが、「学校」のみならず「日本への定着が見込まれない生徒」だという。教育を受ける権利を考えた時に納得がいかない。また、これにかかわって増税が必要とのこと。生活を守ることを夏の参院選で各党は訴えたのではなかったのか。
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埼玉県鶴ケ島市の老人ホームで入所者が殺害された事件では、容疑者が元職員の立場を利用し容易に施設内へ侵入したとみられ、防犯対策の課題が浮き彫りになった。2016年7月に相模原市の知的障害者施設「津久井やまゆり園」で入所者ら45人が元職員に殺傷された事件を受け、国はこうした福祉施設全般の防犯強化を各自治体に通知した。ただ具体的対策は施設側に委ねられ、財政難や高い離職率がネックとなって対応は遅れており、識者は「国の支援が不可欠だ」と指摘する。 埼玉県警によると、亡くなった女性2人のうち1人を殺害した疑いで逮捕された木村斗哉容疑者(22)は、昨年7月までこの施設に介護職で勤務。その当時と事件時で、職員用出入り口の4桁の暗証番号は同じだったとされ、ここから15日未明に侵入したとみられる。 当時は夜勤帯で、5階建ての施設にいたのは男性職員1人だけ。防犯カメラには、容疑者が刃物を手に施設内を動き回る様子が写っており、手薄な警備体制が事件につながった構図が浮かぶ。 やまゆり園事件を受け厚生労働省は16年9月、都道府県などに福祉施設の防犯対策を強化するよう通知。不審者の侵入対策を自治体と施設で検討することや、防犯のための設備対策を講じることを施設側に求めた。 ただ厚労省の担当者は「財政、運営状況によって強化できない施設もある。手が回っていないのが実情だろう」と推測。各施設の定期監査を実施する埼玉県の担当者も「防犯対策を注視することはない」と明かす。 同通知では、今回の事件で問題になった施設の暗証番号について「随時変更し、元職員や元入所者の不正侵入を防ぐこと」も盛り込まれていた。 暗証番号変更について、埼玉県内のある有料老人ホームの施設長は「職員が辞めるたびに変え、必ず年に1回は変える」と話す。一方、同県内の別の施設長は「離職率が高く、職員が辞めるたびに変えるのは大変」と述べ、対応は割れている。 厚労省は17年、全国の福祉施設を対象に、やまゆり園事件前後の防犯意識を調査。職員に安全対策教育をしている施設は事件前の約3割に対し、事件後には7割を超えた。防犯マニュアル策定も、検討中を含め事住削後で割合が2倍に増えた。 だが防犯意識は高まっても、多くの福祉施設は財政難や人材不足が深刻化し、具体的な対策が追いついていない面もある。厚労省は今回の事件を受け、16年とほぼ同じ内容の通知を再び出したが、防犯対策を各施設に委ねる点は変わらない。 淑徳大の結城康博教授(社会福柾学)は「離職を防ぐための介護報酬増額や、防犯対策強化のための財源を国が確保することが重要だ」と話す。 収容施設の防犯対策は必要なのだろうが、多数を収容する施設の在り方に問題はないのかという視点からの検討も必要。収容されている人それぞれの事情が違っていて一概には言えないのだろうが、大規模ではなく小規模の地域密着型の福祉の在り方が求められているのではないだろうか。
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来年度から始まる予定の私立高授業料無償化が、国政の混乱で実現が見通せなくなっている。無償化は自民党、公明党、日本維新の会の3党が主導して協議を進めてきたが、詳細な制度内容や約4千億円の経費確保策も固まっていない。公明が10日に連立政権離脱を表明したことで協議の行方はさらに不透明になった。高校の願書受け付けが迫る中、京都と滋賀の学校関係者や保護者に不安の声が広がっている。 私立高授業料に対する国の支援金は本年度に所得制限が撤廃され、公立を含めて基本額一律年11万8千円の支給がスタートした。3党は来年度から加算分の所得制限(世帯年収590万円未満)も撤廃し、支給上限額を年39万6千円から全国の私立の平均授業料である年45万7千円に引き上げる方向で議論を進めてきた。 ただ、支給上限額は正式決定ではなく、対象範囲も決まっていない。さらに、公明の連立離脱が不透明さに拍車をかける。公明は他の政策では野党との連携も示唆しており、協議の枠組みが維持されるかどうかの見通しも立っていない。 「私立高が無償化になるって聞いたから、進学先の候補に挙げたのに」。受験生の長女(15)を持つ京都市下京区の団体職員女性(45)はため息をつく。長女は近くの公立高を第1志望に挙げているが、女性は「規模の大きい高校で多くの人と交流し、学んでほしい」と市内の私立高受験を勧めている。授業料無償化も背中を押した大きな理由で、「本当に実施されるのか。受験した後にやっぱり無理でしたとならないか心配」とこぼす。 中学校側もドタバタだ。ある市立中は今月、保護者対象の進路説明会を開いたが、「説明のしようがなかった」(校長)。この学校では3年生の約半数が私立高への進学を希望。大半の私立高の願書受け付けは1月からスタートするため、年内に進路相談を終える必要があり、校長は「遅くとも11月中には方針を固めてほしい」と訴える。 私立高側も戸惑いを隠さない。京都市内の私立高の担当者は「無償化には膨大な事務作業が必要。ただでさえ、入試や学校行事の準備で忙しいのに…」 と言葉少な。京都橘高(伏見区)を運営する京都橘学園は「オープンキャンパスや進学相談会の場で、保護者からの問い合わせが増えている」と明かし、「確 定した情報を早期にいただけることを期待したい」と国に求める。大津市内の私立高担当者は「国から詳細が降りてこない限り、現行制度の説明しかできな い」と対応に苦慮している。 無償化の決定かずれ込めば、自治体の来年度予算編成にも大きな影響を及ぼしかねない。 京都府は私立高の授業料や施設整備費の支援など独自制度で年間32億4千万円(本年度当初予算)を支出しているが、無償化か実現されれば11億円程度が余剰となる。その使途は未定だが、府教育委員会の担当者は「府立高の老朽化対策や魅力化向上のソフト事業に充ててほしい」と求めており、「余剰金が生じるかどうかで話は全然変わってくる。早く固めてくれないと困る」と焦りを隠さない。 滋賀県も授業料支援として年間1億8千万円程度を支出しており、無償化により生じる余剰金の使途を検討している。担当者は「無償化を前提に作業を進めているが、報道ベースでしか分からないので…」と困惑気味に話した。 連立政権樹立を視野に自民党と日本維新の会が政策協議を始めた16日、両党の地方議員には戸惑いが広がった。両党は国政選挙で激しい票争いを繰り広げてきただけに、自民からは「なぜ維新なのか」と困惑する声も。京都府議会と京都市議会では、維新と国民民主党の所属議員が統一会派を組んで「共闘」する仲間でもある。各党の地方議員は政局の急展開を注視している。 維新は京都では、本拠地・大阪に隣接する府南部を中心にじわじわと定着。国政選でも積極的に候補を擁立し、2024年10月の衆院選では京都4区を除く5選挙区に候補を立てて自民と激突した。今年7月の参院選京都選挙区では、維新新人が自民現職を突き放してトップ当選し、連動するように比例票も自民を上回って「府内比例第1党」に躍り出た。一方では離党者が相次ぐなど、党内に不安要素も残る。 この状況下で自民との連立に向けた政策協議が始まった。維新府総支部副代表の久保田正紀市議は「政策実現のだめに必要だと、フラットに捉えた」と前向きに受け止める。ただ、維新は自民とは是々非々で向き合い、既存組織や既得権益と戦う「改革政党」として支持を広げてきた。企業や業界団体にも支えられる自民と組むことには「市民に分かりづらく、どう説明すればいいのか」と、戸惑いの声も漏れる。ある維新市議は「(政策協議項目にも盛り込まれた)副首都構想の京都への影響は分からず、やっぱり大阪の党だと支持者に思われてしまうのでは」と不安を募らせる。 一方、自民と維新の連立政権が誕生し、国民が野党にとどまった場合、国政では与党、野党に分かれているのに府議会、市議会では維新と国民が統一会派を組むというねじれが生じる。 維新と国民の統一会派は23年、当時国民府連会長だった現維新の前原誠司衆院議員(京都2区)が「非自民・非共産勢力の結集」を掲げ提案した。市議会では、もともと維新と統一会派を組んでいた地域政党京都党も合流。府議会は11人、市議会は15人で、いずれも自民党に次ぐ第2会派だ。 国政と地方の「ねじれ」について、維新の久保田市議は「(統一会派は)京都市の行財政改革を進めるといった考え方でまとまった。あくまでも国政は国政、地方は地方という考え方で対応を進めていく」と説明。国民府連幹事長の北川剛司府議は、「注視はしていくが、だからといって(会派が)分かれることはなく、状況は変わらないだろう」と静観の構えだ。 一方、連立をお願いする立場の自民の地方議員からも疑問の声が漏れる。ある府議は「高市早苗総裁や周辺は『積極財政派』。『身を切る改革』を掲げる維新と相いれない印象がある。国民との連立ならそういう懸念はなかった」。また、京都府知事選と京都市長選では自民や立憲民主党など与野党の枠を超えて連携することも多かったが、旧組織を含めて維新が自民と同じ候補を支援するケースは、14年の知事選が最後で、地方議員レベルでは距離は離れている。自民のある中堅市議は「(維新との付き合い方は)中央の政局を見据えながら熟慮していく」と淡々と話した。 政治の不可思議さを感じるような混迷の政局だが、一体誰の利益のために動いているのだろうか。自民党の凋落は見るも無残なのだが、それに助け舟を出す「野党」。とりわけ「教育無償化を実現する会」に所属していた議員が日本維新の会に合流したのだが、その議員が今度は自民党に合流することとなる。とりわけ前原、嘉田の二人の政治的な信条はなんだったのか。
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使用済み太陽光パネルのリサイクル制度の整備が難航している。2030年代後半以降に大量のパネルが寿命を迎える見込みのため、政府はリサイクルの義務化を検討。だがリサイクル費を誰が負担するかという政府内の法的な整理がまとまらずに頓挫し、代替策を模索している。このままでは大量廃棄に対応できず、環境に悪影響を及ぼす恐れもある。 8月下旬、岩手県奥州市のリサイクル業者「環境保全サービス」に破損したパネル2千枚が運び込まれた。年間の処理量は2万5千枚。雪の重みで押しつぶされたものが目立つ。パネルには銀や銅、アルミが含まれ総重量の6割をガラスが占める。分解して全ての素材を再利用する。 電極や導線を手作業で取り除いた後、機械にかけてアルミフレームを外してガラスを砕く。ガラスは建設資材として再生。アルミは金属加工業者に販売する。発電部分のシートは銀を含むためレアメタル(希少金属)の精錬業者に売却する。 リサイクル費用は1枚3千〜4千円。リサイクルせずに埋め立てて廃棄する場合は1枚2千円程度で安く済むが、環境への負荷は大きい。 取締役の狩野太志さん(32)は、適正に分解してリサイクルするには設備投資が必要なため、コストがかかると説明。「リサイクルを促すには、費用の補助など行政の後押しが必要」と話す。 太陽光発電は、再生可能エネルギーでつくった電気を電力会社が買い取る制度が12年に始まった後に拡大した。制度開始以降に導入された太陽光発電は23年3月時点で265万3千件に上り、東京都や川崎市など新築一戸建て住宅へのパネル設置を義務化した自治体も。パネルの寿命は20〜30年とされ、廃棄量は30年代後半から急増し、最大で年50万トンと推計される。だが現状ではリサイクルは任意のため、大半が埋め立てられている。近年は北海道・釧路湿原周辺をはじめ、全国各地でパネルの設置に伴う生態系や景観への悪影響が指摘される中、不法投棄や放置が増えてパネルが破損し、鉛などの有害物質が流れ出す恐れもある。 環境、経済産業両省はリサイクルを義務付ける法案を今年の通常国会に提出する方針だった。リサイクル費は製造業者と輸入業者が負担する内容だ。しかし法案を事前に審査する内閣法制局が、他のリサイクル関連法との違いを問題視。自動車や家電は所有者が負担しているため、整合性が取れないと指摘した。 代替策としてリサイクル状況の禁忌義務付ける制度の導入を検討しているが、実効性は不透明。環境保護団体のNPO法人「気候ネットワーク」は、リサイクルを義務化しなければ再生可能エネルギー導入の拡大が阻害されると反対する。 早稲田大の所千晴教授(資源循環工学)は、リサイクルを進めるには処理コストの抑制と確保の両輪が重要と指摘。「大量のパネルを広域的に収集、保管し、処理を効率化できる仕組みを整備するべきだ」と提言し、リサイクル技術を高める研究も必要としている。 リサイクルの公的補助を盛り込んだ時限立法ででも「太陽光パネルリサイクル法」の制定を急ぐべきではないか。自民党を含めて国民や維新が原発の稼働を必要とするなら、大手電力会社の原発使用税などの税制を設けてもよいのではないだろうか。
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【エルサレム、ニューヨーク共同】国連人道問題調整室(OCHA)は14日、パレスチナ自治区ガザでの停戦発効により、3日間で支援物資数千トンが搬入されたと明らかにした。ただイスラエルは14日、国連に対し物資を搬入するトラックの数を当初方針から半減させると通知した。イスラム組織ハマスによる人質遺体の返還が遅れていることへの対抗措置とみられ、再び支援が縮小するのを住民は恐れている。 2023年10月からの戦闘に伴う境界封鎖により、深刻な物資不足となったがザでは、人道危機の脱却に向け綱渡りが続いている。イスラエルがその後、搬入量を戻したとの報道もあるが、情報は錯綜している。 ガザの人口は戦闘前で約220万人、2年間に飢えや栄養失調で450人以上が死亡した。ロイター通信によると、イスラエルは停戦を受け、1日約600台のトラックのガザ入域を認める方針を示していたが、15日から1日約300台に制限すると国連に伝えた。 ガザ中部デールバラハで避難生活をするアグラムさん(62)は電話取材に対して「停戦前は缶詰の1日1食だった。(現在は)缶詰と野菜の2食になった」と話した。高騰していた物価が一部落ち着いてきたとしつつ、ガザに搬入される物資の量は「十分ではない」と語った。 搬入されているのは油、砂糖、小麦粉などで、セメントなどの建築資材やテントは入ってきていないと主張した。 OCHA広報担当者は物資搬入で、調理用ガスが7ヵ月ぶりに届いたと指摘。「住民はそれまで、集めたごみを調理用ガスの代わりに燃やしていた」と述べ、到来する冬への対応や温かい食事のためにも、物資搬入の継続を訴えた。 【エルサレム共同】パレスチナのイスラム組織ハマスは14日、人質だとする4遺体を新たにイスラエル側に返還した。イスラエル軍は15日、3人について身元を確認したが、―人の遺体は人質ではないと発表した。ハマスが別人の遺体を引き渡した可能性があり、トランプ米政権主導のガザ和平計画「第1段階」の合意通りに進むかどうか予断を許さない状況だ。 トランプ大統領は交流サイト(SNS)であらためてハマスに圧力をかけた。ハマス管理下にあった28人の遺体のうち、これまで返還が確認されたのは計7遺体になった。 イスラエルもガザヘの支援物資搬入制限で、ハマスを揺さぶっているもようだ。 トランプ氏は遺体の速やかな返還をハマスに要求。ホワイトハウスで記者団に対し、和平計画通りにハマスが自主的に武装解除しなければ「われわれが武装解除を進める」と述べ、強制措置も辞さない構えを示した。 合意では、ハマスは13日正午までに遺体を含む人質全員を引き渡すことになっており、イスラエル側は「合意違反だ」と反発していた。ハマスは、遺体の返還には時間がかかると主張している。2年を超える激戦で、一部の遺体の場所が不明になっている可能性がある。 ガザへの支援物資搬入を「合意違反」として、イスラエルが強行しているようだ。遺体の返還は残された人体のとっても重要な問題である。しかし、そのことを物資搬入制限の口実にすることは許されない。これまでの戦いの正義がどちらにあるかではなく、速やかな和平が求められているのだからより誠意ある話し合いが必要。トランプ大統領の脅しは何も生まない。
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「PTA」をなくした学校が、京都府、滋賀県で増え始めている。保護者の加入率の低下や強制的な役員選出への不満などをきっかけに解散や衣替えをし、ゆるやかなボランティア団体に移行するなどして、時代に合った学校と保護者の関わり方を模索している。(三村智哉) 京都市右京区の双ケ丘中は、4月からPTAを衣替えした「NSC(双ケ丘中学校サポーターズクラブ)」を始めた。 NSCでは、保護者には「加入届」ではなく「協力届」を出してもらう。決まった事業や毎月の会議はなく、企画したいことがあれば役員に相談し、その都度、ボランティアを募って実施する。 役員は基本的に立候補や推薦で選び、選挙は行わない。本年度は、常任サポーター2人、会計2人は決まったが、代表はなり手がいなかったため、尾中尚史校長が務めている。 きっかけはPTA加入率の低下だった。2020年ごろから落ち始め、22年度には5割を切った。危機感を強めた本部役員が改革を進め、23年度には負担になっていた学級委員の選出を廃止し、年会費も3600円から2400円に下げるなどしたが、歯止めはかからなかったという。 そこで24年度に、よりスリム化したボランティア団体に移行する方針を固め、アンケートを採ると、約9割が賛成。「『PTA』という名称はマイナスイメージがある。変えてはどうか」と尾中校長が提案し、総会で規約を変更して形を変えた。 NSCでは、まだ具体的な取り組みはしておらず、今後、保護者から提案があれば対応する。4月の入学式では保護者による来賓出席はなく、6月の運動会の受付も教職員で対応するなど、保護者に求められてきた仕事も減った。 市立中学校PTA連絡協議会(中P連)への加盟は「悩んだ」(尾中校長)が、PTA保険など各種情報が届くメリットを考慮して続けることにした。 協力届を出した人からは、「協力金」として年300円を徴収し、「企画の経費」「周年記念事業費」「中P連会費」にそれぞれ100円を充てる。PTAの貯金は、げた箱などの備品の購入で減らした。 尾中校長は「今の時代、強制はできない。保護者から『こんなことがしたい』と意見が出れば、実現したいが、負担にならないようにもしたい」と語った。 京都市内ではほかに、北区の紫野小PTAも昨年度から名称を「紫野キッスサポーター」に変えて活動している。定額の会費は集めず、教育後援会への寄付に切り替え、保護者が大掃除への協力やベルマーク活動などを行っている。 滋賀県では、近江八幡市の桐原小でPTAが昨年末で解散し、本年度から新たに「KWP(桐原わくわくプロジェクト)」が立ち上がった。会長などは決めずに、北加奈子さん(40)ら有志3人で、、体操イベントなど自分たちのやりたいことを企画している。 解散は昨年度、PTA会長だった北さんが決断した。各町から1人は本部役員を出す仕組みなどが負担となり、加入率は3割にまで低下。「保護者の間で『まだPTAに入っているの』と分断された雰囲気もあり、リセットするしかないと考えた」という。 ただ北さんは「学校や子どものための活動は必要」が持論で、別の活動を始めることに。「『保護者会』ではPTAを連想させる」とし、「子どもも大人も地域の人も楽しく関われるように」とKWPを立ち上げた。PTAの貯金は学校に寄付した。 解散を機に、保護者による校内の清掃活動はPTAから学校の主催に変更。学校運営協議会は北さんが参加するが、地域団体の会議などには出ていない。 北さんは「親子で何かを一緒にできる時間は小学校のうちしかないので、思い出になる企画など無理せずしていきたい」と先を見据えた。 このほか、長浜市の長浜養護学校でも昨年度末にPTAが解散し、新たに「学校伴走型サポーター制度ASuKumu(アスクム)」が発足した。 PTA活動への参加率が低迷していたため、解散を決定。アスクムでは、小中高各学部2人ずつ学部代表を決めるが、全体代表は置かず、決まった活動もない緩やかな組織にした。年会費は2千円で、年度途中の入退会も可能。より保護者の意見が学校運営に反映できるようにしようと、5月と8月に保護者らで座談会を開き、意見交換を行った。 まだアスクムとしての具体的な活動は決まっていないが、福田建夫校長は「まだ学校からの発信が多いが、何年かかけて保護者発信になれば」としている。 5月、PTAに関するアンケートを京都新聞で行ったところ、「PTAをなくした学校のその後が知りたい」「PTAを廃止して困るのは誰 か」といった意見が多かった。 共働きの増加などで加入率が低下し、一部のPTAでは従来型の活動が限界にきている。しかし、何十年と続いた組織を「解散」させるには、 大きな決断力とエネルギーが必要だ。そこで、有志だけでつくるボランティア制など別の形を模索したいニーズが強まっていると実感した。 生活スタイルや価値観が変化し、PTAが昔と同じ活動はできなくなっている。多くの学校で強制的な活動を取りやめるなど改革が進んでいる が、ゼロベースで活動を見直し、解体的な出直しとして、解散したり、別組織に衣替えしたりすることは、時代に合った動きだと思う。 一方で、「PTA」だからできることも多い。記者も会長を務めた子どもの小学校PTAでは通学路の安全対策を警察署や行政などに要望する 際、「PTA」の肩書を使うとスムーズに進んだ。PTAという器も上手に使えば活用できる。だが、1年単位で役員が交代する仕組みでは、そ こまでできない現状もある。 PTAという保護者の器がなくなると誰がどう困るのか、困らないのか。器は誰のために設けるのか。改めて考えることが求められているの だろう。 岩竹美加子・著『PTAという国家装置』という論考がある。PTAの歴史と現状について論じたもので、戦後まもなくGHQの指導によりPTAが組織されたとある。従来の教育後援会などが男性中心で学校にかかわる組織であったことから女性の役割がお茶くみなどの接待に限定されていたことなど興味深い内容である。もっとも興味を引くのはPTAの全国組織が結成される時期にGHQのネルソンがそれへの否定的な見解を述べたことで、全国組織の結成が遅れたくだりである。このことは、PTAの問題が単Pをどう改編していくかということだけではなく、縦のつながりをどのように整理するかということが大きな問題であることを示唆しているように見える。PTAは社会教育団体なのだから、原則的には行政は「ノーサポート・ノーコントロール」を維持しなければならないはず。しかし、縦型の組織を温存したままでは、単P(それに類似する組織)が自主的に活動するには様々な制約が生ずる恐れがある。
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15日午前4時55分ごろ、埼玉県鶴ケ島市若葉2丁目の老人ホーム「若葉ナーシングホーム」で「入所者が血を流して倒れている」と110番があった。県警によると、女性2人が頭などから血を流し、意識のない状態で病院に搬送され、いずれも死亡が確認された。県警は同日、うち1人への殺人容疑で元職員木村斗哉容疑者(22)=同県熊谷市箱田4丁目=を逮捕した。「刃物で刺して殺したことは間違いない」と容疑を認めている。県警は西入間署に特別捜査班を設置、動機や施設に侵入した経緯などを調べる。 逮捕容疑は15日午前1時50分ごろ〜同2時5分ごろ、施設内で無職小林登志子さん(89)を刃物のようなもので切りつけ、殺害した疑い。 県警によると、死亡したもう1人は、無職上井アキ子さん(89)。2人の上半身には複数の傷痕があった。容疑者は昨年7月まで施設で働いていたという。 施設の防犯カメラには深夜から未明にかけ、フードをかぶり、マスク姿で逃走する不審な人物が写っていた。県警が行方を捜査し、現場近くの路上に1人でいた容疑者を発見。職務質問に関与を認めたという。 供述に基づき、鶴ケ島市内の路上で刃物のようなものや着衣、マスクが入ったバッグが見つかった。容疑者は施設まで自転車で来たとみられる。 県警によると、施設は5階建て。事件当時は男性職員が1人で勤務していた。午前3時半過ぎ、小林さんが5階の自室のベッド上で倒れているのを職員が発見。4階の上井さんも同様に自室で倒れていた。入所者は60〜70人いたが、他にけが人はいない。施設の出入り口は複数あり、いずれも施錠していたとみられるが、2人の自室の鍵はかかっていなかった。 遺族「悔しく悲しい」 閑静な住宅街に、緊急車両のサイレンが響いた。埼玉県鶴ケ島市の老人ホームで15日未明、入所者の高齢女性2人が血を流している状態で見つかり、その後死亡した事件。遺族は「悔しく、悲しみをこらえられない」と心境を打ち明けた。住民は警察官や救急員の様子を不安げに見守った。 死亡した2人のうち、鶴ケ島市の上井アキ子さんの遺族は、県警を通じてコメンとを出し「突然の出来事に非常に混乱している」とっづった。 その上で「どうして母が亡くならなければならなかったのか、母はどんなにつらい重いをしただろうか、考えるほど悔しく、悲しみをこらえるこ とができない)とした。 高齢者施設や病院で入所者や入院患者が犠牲になった事件では、内部の人物が関与したケースが多い。密室化しやすく、外部の目が届きにくい環境で、予兆が見過ごされたこともあった。 女性2人が死亡した「若葉ナーシングホーム」(埼玉県鶴ケ島市)の入所者家族によると、「部屋はきれいで職員も優しく、環境は悪くない」という。面会者には署名を求め、人数制限を設けるなど、外部からの侵入者対策には注力していたとみられる。 川崎市の介護付き有料老人ホームで2014年に入所者3人が相次いで転落死した事件は殺人罪に問われた元職員の男の死刑が確定するなど、高齢者施設や病院での事件は少なくない。 17年に殺人事件が起きた東京都中野区の老人ホームの運営会社は第三者委員会の調査報告書で、事件の“芽”が見過ごされたことを明らかにした。職員は利用者への虐待と思われる言動を見聞きしても施設管理者に通報せず、管理者は事件前に被害者の顔にあざがあるのを把握していた。報告書は「深掘りすれば事件を回避できた可能性がある」と指摘した。 横浜市の旧大口病院で入院患者が相次ぎ死亡した点滴連続中毒死事件では、事件発覚前に異物混入などのトラブル情報が市に寄せられたが、立ち入りに至らなかった。市の検証報告書は「警察の案件」と他人任せにしていたと分析し「消極的で不適切だ」と批判した。 東京福祉大大学院の佐々木隆志特任教授(高齢者保健福祉)は「入所者のプライバシーを尊重して多くの施設が個室化を進めた結果、密室が生じやすい。慢性的な人員不足で職員の負担が増え、ストレスを抱えやすい面もある」と話した。 今後の捜査をまたなければ全容は分からない。しかし、この事件の報道で2016年の相模原障害者施設殺傷事件を想起した。生産性が声高に叫ばれる社会で障害者や老人が事件の対象となるケースは多い。私たちがどんな社会を望むのかが問われているのではないか。
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石破茂首相は10日、戦後80年に合わせた先の大戦に関する「内閣総理大臣所感」を発表した。開戦に至った理由を、政府が軍部に対する統制を失ったためだと指摘し、政治が軍事に優越する「文民統制」の重要性を強調。戦後最も厳しく複雑な安全保障環境にある現在、歴史の教訓を深ぐ胸に刻まなければならないと訴えた。国民一人一人が先の大戦や平和の在りようを能動的に考えることで平和国家の礎が一層強化されると主張した。 退任を間近に控えたタイミングでの公表となり、閣議決定しない形式で出した。冒頭で戦後50年、60年、70年の首相談話を踏まえ、歴史認識は「歴代内閣の立場を引き継いでいる」と表明した。 首相は記者会見で「反省やおわびの気持ちを含め、引き継いでいる」と述べた。旧日本軍による戦争の歴史認識を巡り「政府として『侵略でない』と言ったことはない。そこはきちんと認識しなければならない」とも語った。 所感では、1941年の日米開戦前に若手官僚ら精鋭を集めた「総力戦研究所」が「日本必敗」と予測したにもかかわらず、開戦を止めることができなかった原因を「戦前には政治と軍事を適切に統合する仕組みがなかった」と分析した。 40年に帝国議会で日中戦争を批判し、議事録の大半が削除された斎藤隆夫元衆院議員の「反軍演説」に触れ、軍に対する議会のチェック機能欠如にも言及した。言論統制の強化で積極的な戦争支持に変容したメディアの論調も軽視できないと振り返った。 石破茂首相の所感は、当時の政府や議会、メディアといった国内事情のみに触れて開戦に至った経緯を説明しようとしているが、新味がない。先の大戦で米英両国と事を構えることになった最大の要因である日中戦争にほとんど触れていないのも実相を映していない。保守層への配慮から歴史認識に関わる問題への言及を避けようとしたのかもしれないが、非常に中途半端な内容だ。また、首相自身が最も訴えたかったであろうアジアへの言及が所感から抜け落ちたことで、中韓両国から過去の首相談話より「後退している」と突っ込まれかねない。今回の所感の法的位置付けが曖昧であることに加え、退陣表明している首相が、首相の肩書で発表することにも違和感を抱く。 所感は先の大戦の原因を巡り、日本国内の政治状況だけで論じようとし、対外的な視点が欠けている。日本の植民地支配や大陸への膨張主義、日中戦争などが大きな影響を及ぼしたにもかかわらず、一方的に国内のシステムに問題があったとして完結させようとしている。先の大戦も日米戦争だけを指してい るかのような書きぶりだ。「総力戦研究所」など、石破茂首相の手元にある文献で記述している印象は否めない。首相は発表前に、歴史家らを集めた有識者会議を開き、さまざまな観点から議論すべきだった。 一方、現在の政治状況を踏まえ、ポピュリスム批判を盛り込んだ点は歴代の首相談話になく、評価できる。 過去の首相談話は、国内外双方を意識した内容だった。石破茂首相は9月の国連総会一般討論演説でアジアを念頭に戦後80年の歩みを語っており、今回の所感では国外を切り離し、開戦を避けられなかった原因に焦点を当てている。イデオロギー色がなく、客観的な表現で評価する。 軍部の暴走だけではなく、議会やメディアの歯止めが利かなかった経緯にも言及している。開戦に向けて国民の熱狂があったことも忘れていない。極端な主張を展開し注目を集める手法が交流サイト(SNS)上で流行しているが、その時流にあらがった冷静な見方ではないか。首相は間もなく退陣するが、所感に対する批判が出るようなら、説明責任を果たす必要がある。 なぜあの戦争を避けることができなかったのか。石破茂首相が発表した戦後80年所感を貫くテーマだ。そして、政治が軍事に優越する「文民統制」を柱に、民主的議会やメディアの歯止めの重要性を説いた。背景には、先の大戦を正当化する「歴史修正主義」の広がりに警鐘を鳴らす狙いが透ける。 アジア諸国への「おわび」は盛り込まず、戦後50、60、70年の首相談話を踏まえ「歴代内閣の立場は私も引き継いでいる」との記述にとどめた。安倍晋三元首相がまとめた70年談話で「謝罪外交に終止符を打った」と主張する自民党保守派への配慮があったのは間違いない。 ただ首相は「このタイミングで首相を務めている運命を感じる」と周囲に語り、70年談話の「未釆志向」が思考停止につながることへの警戒感をにじませていた。欧米で台頭するナショナリズムやメディアの商業主義に触れ「無責任なポピュリズムに屈しない政治家の衿持と責任感」を訴えたのは、その表れと言えるだろう。 有識者会議を設置せず、所感作成の途中経過を示して国民的議論を喚起する取り組みは不十分だった。斎藤隆夫氏の反軍演説の議事録復活も自民党側に委ねたままだ。所感が「独善的な自己満足」なのかどうか、退陣後も石破氏の政治行動は問われ続ける。 石破茂首相が10日、戦後80年に合わせた先の大戦に関する「内閣総理大臣所感」を発表したことについて、中国の短文投稿サイト微博(ウェイボ)に は、中国への「侵略、反省の言葉がない」といった批判的なコメントが書き込まれた。 韓国の聯合ニュースは10日、石破茂首相が発表した先の大戦に関する「内閣総理大臣所感」について、歴史認識を巡り「歴代内閣の立場を引き継いでいる」と表明したことなどを速報し、「当時の日本政府が戦争を防げなかった理由の分析に大部分を割いた」と報じた。 石破茂首相が戦後80年所感を発表した。先の大戦で日米開戦を避けられなかった経緯に重点を置き、歴史に正面から向き合うよう主張。ポピュリズムと排外主義を許さない姿勢を強調し、退任直前にレガシー(遺産)を残すことにこだわった。ただ、歴史認識には踏み込まず、安倍晋三元首相の戦後70年談話に強い思い入れを持つ自民党保守派への配慮が色濃くにじんだ。 「過去の首相談話では、なぜ戦争を避けられなかったかにあまり触れられていない。所感は私なりの考えで、国民と一緒に考えるためのものだ」。首相は10日の記者会見で、所感の意義をこう説明した。 所感の中で首相が強くこだわったのは、大戦が始まるまでの部分だった。開戦前に若手官僚らを集めた「総力戦研究所」が日本の敗戦を予測していたとする記述は、猪瀬直樹氏の著書「昭和16年夏の敗戦」に基づく。首相が防衛庁長官を務めていた頃に読んで衝撃を受けた経緯があり、「首相のバイブル」 (側近)といわれる。 作成過程で首相は、国会図書館などで借りた書籍を読み込み、自ら推敲を重ねた。ポピュリスムや排外主義への反対を打ち出したのは、7月の参院選などを通じて排外的な言説が広がっている現状への危機感の表れとされる。 所感発表の会見で首相は、政治の師と仰ぐ田中角栄元首相の教えに言及した。「あの戦争に行った人が、この国の中心からいなくなる時が怖い。だからよく勉強してもらわねばならない」との言葉を引用し「今の日本にとても大事な言葉だ」と力説した。 一方、所感をまとめるまでの手続きを巡ってば、不透明さも残る。 首相は先の大戦を検証する必要性を訴えながら、会議体を設置せず、有識者から個別に見解を聴取してきた。10日の会見では、北岡伸一東大名誉教授と井上寿一学習院大教授からアドバイスを受けたと明かしたが、関係者によると、他にも首相側が水面下で接触した人が複数いるという。意見を求められた有識者は「首相は中国の反応や外交への影響を気にしていた」と証言する。 2015年の戦後70年談話発出の際には、安倍氏が北岡氏を含む有識者懇談会を設置。同年2月に議論を始め、7回の会合を経て8月に報告書を公表していた。それに比べると、首相個人の考え方をまとめた印象が強く、自民保守派議員は「読書好きの首相の感想文でしかない」と突き放した。 首相周辺は「日米関税交渉や参院選対応で日程に余裕がなかった」と説明する。 所感冒頭で首相は「50、60、70年の節目に首相談話が発出されており、歴代内閣の立場について、私も引き継ぐ」と明示した。 首相による見解表明は、70年談話を「上書き」する面があり、安倍氏に近い保守系議員からかねて不満が伝えられていた。閣議決定を経ない所感と称して公表したのも、党内からの反発を回避するためだった。 被害を受けたアジア諸国や開戦に至る国際情勢にはそれほど触れず、70年談話にあった「痛切な反省と心からのおわび」との文言は抜け落ちた。日本近現代史の専門家は「首相の問題意識を並べただけで、近年の研究果は反映されていない」と指摘した。 様々な批判が錯綜しているが、レームダックと化した石破首相の最後の抵抗だと考えればそれはそれとして評価できるのではないか。日中、日米開戦へ向けての当時の国民意識の「高揚」についての指摘は重要で、ポピュリズム政党の跋扈する現在の政治への危機感は共有できると思う。
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パレスチナ自治区ガザの停戦が、イスラエル政府の正式承認を受けて発効した。しかし米国の和平計画を巡り、釈放されるパレスチナ人の対象などを巡り当事者らの相違が早くも露呈。合意に至った「第1段階」後の道筋も不透明だ。2年に及ぶガザ戦闘で2度あった停戦はいずれも破綻した。今回も綱渡りと なるのは間違いない。 「人質全員奪還という目標達成は間近だ」。イスラエルのネタニヤフ首相は9日、第1段階の合意を政府承認するため開いた閣議で訴えた。戦闘継続を求める連立相手の極右閣僚らは承認に反対した。 イスラエルを支える米国のウィツトコフ中東担当特使とトランプ大統領の娘婿クシュナー氏が、和平交渉先のエジプトから移動直後、閣議に加わり圧力をかけた。合意は賛成多数で承認された。ただ、本当に合意が履行されるか見通せない。 「戦闘終結の保証を米政権と仲介役の(アラブの)同胞国から得た」。イスラム組織ハマスの交渉団を率いる幹部ハイヤ氏は、声明で強調した。米紙ワシントン・ポストによると、ハマスは和平交渉で、イスラエルが再攻撃しない確約を書面で要求した。だが、ウィツトコフ氏らは拒否し、口約束で済ませたという。 第1段階ではハマスの人質解放後、イスラエルが拘束するパレスチナ人約2千人を釈放するとされる。ただ欧米メディアは、第1段階合意後も釈放対象者が決まらず、双方がもめたと伝えた。 「流動的な取引に慣れている」。米政府団を率いたクシュナー、ウィツトコフ両氏は不動産関連のビジネスを営み、今回の和平交渉に自信を持って臨んだ。米紙ニューヨーク・タイムズは2人の交渉の手法として、詳細を詰めず、まず「イエス」との答えを引き出すのが特徴だと紹介した。 2人は合意を急ぐトランプ氏にも、妥結の可能性は「100%」だと答えていたという。こうした「合意ありき」の手法が、今後も通用するかどうかは不明だ。 これまで6万7千人以上の死者を出したガザの戦闘が最初に止まったのは、開始翌月の2023年11月下旬。しかし、わずか1週間で戦闘が再燃した。2度目は今年1〜3月。イスラエルとハマスは人質らの身柄交換を進めたが、イスラエル軍が大規模攻撃を再開し、またも停戦は崩壊した。 今回、和平計画の第1段階で溝が表面化する中、第2段階以降の交渉が紛糾するのも必至だ。ハマスの武装解除やガザ戦後統治といった解決困難な問題が残っており、先行きに不透明感が漂う。 英BBC放送は、トランプ政権の20項目の和平計画について「詳細な計画にはほど遠い」と報道。細部の取り決めに相当の労力を要するだろうと指摘した。(エルサレム、ワシントン共同) ひとまずは停戦の第1段階であることはガザの人たちにとっては朗報だろう。しかし、イスラエルの軍事方針が変更されない中での今後の展開は予断を許さないようだ。和平実行へのアメリカの姿勢が「前のめり」であることには不安が常に付きまとう。
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全国の党所属地方議員は164人(7日時点)で、近畿は京都3人、滋賀1人、大阪11人、兵庫4人、和歌山3人、奈良1人の計23人に拡大。党幹事長の安藤裕参院議員(比例)は「次の衆院選でも近畿ブロックは2議席以上を狙えるのでは」と期待する。 女性議員が多いのも特徴だ。都道府県議や市区町村議の女性は59人と36・0%を占め、全国の地方議員の女性比17・8%の約2倍になっている。食と健康や国防など子どもの未来に関わる政策が響くのか「結果的に多くなっている」(安藤幹事長)。 9月には、10月12日告示、19日投開票の滋賀県5市議選に向け、草津市内で神谷宗幣代表が候補者募集説明会を開催した。全国に289支部があり9万人以上の党員がいることや、政策を党員の声を聞いて作っていることなど党の特徴を力説。「30代女性では落選する方が難しいくらい」「一つの選挙区に複数人出していくという体制にこれから入っていこうと思う」などと強気に訴えた。5市議選では、10日時点で公認候補を擁立できたのは湖南市議選の1人にとどまった。京丹波町議選(11月11日告示、16日投開票)でも党府連は「擁立に向けチャレンジしている」(中尾敏幸会長)最中だ。 今後も京都と滋賀での積極的な擁立が続く見通しの上、2027年4月には統一選も控える。「次は自分の選挙区にも参政が立てるだろう。熾烈な戦いになる」。長岡京市議選に応援に入った各党の地方議員たちは一様に警戒を強めている。 10日に公明党が自民党との連立解消を発表し、国会はいよいよ多党化時代に入ったとされる。参政党での女性議員比率が高いのは歓迎できるが、女性の立場からも「食と健康や国防など子どもの未来」が整合的な政策として成立するのかの検討は必要。
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京都市立久世中(南区)の20代の男性教員が私用パソコンを使って授業をしようとした際、誤って教室前方のモニターにわいせつな画像を表示していたことが10日、市教育委員会への取材で分かった。 市教委によると、男性教員は有期雇用の講師。9日1限目の2年生の1クラス32人の社会科の授業で、講師が私用パソコン内の資料をモニターに映そうとしたところ、画面の3分の1ほどに女性の裸の画像を2〜3秒間にわたって表示した。授業はそのまま続けられた。その後、5限目の授業の冒頭に他の教員から2年の生徒へ事態の説明と謝罪があったという。市教委は「生徒に不快な思いをさせて申し訳ない。事実確認を行い、指導を徹底したい」としている。 |
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【エルサレム共同】国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)のラザリニ事務局長が7日、共同通信のオンライン取材に応じた。7日でパレスチナ自治区ガザの戦闘開始から2年。ラザリニ氏は、トランプ米政権の和平計画を巡る交渉が失敗すればガザ住民は「さらなる地獄」に陥ると訴え、一刻も早い戦闘終結が必要だと強調した。 2年間の戦闘のガザ側死者は6万7千人を超える。ラザリニ氏はUNRWA職員が370人以上死亡し、多くの医療従事者や報道関係者も命を落としたと指摘。戦闘が「痛みや苦しみ、悲しみを引き起こし、社会全体を破壊した」と語った。 「ガザに安全な場所はない」「住民は日々の爆撃や殺害が終わることを願っている」と言及。学校などのUNRWA施設の大半は損傷し、完全に破壊されたものもあると話した。しかし職員は飢えや病気、度重なる避難の中でも住民の支援に当たっていると説明した。 エジプトで6日に始まった交渉で停戦に至らなければ「中東の不安定な状況が続く」と危機感を示し、妥結を求めた。 イスラエル政府は1月、UNRWA活動禁止法を施行した。ラザリニ氏は、イスラエルがUNRWAを解体したがっているとし、ガザヘの支援物資搬入や食料配給の妨害により「飢餓の深刻化」が起きていると述べた。 UNRWAについて、戦後のガザで早期復興を成功させるための欠かせない国際社会の「財産」だと指摘し、日本などに支援を求めた。パレスチナの国家樹立は「パレスチナ人の権利」とし、イスラエルとの「2国家共存」実現に向かわないといけないと強調した。 今更ながらトランプ大統領の毀誉褒貶を批判することよりも、停戦が求められる。ハマスが「保障」を求めるのは当然。関係国はこの「保障」をどう成立させるかに尽力しなければならないが、まずはイスラエル軍撤退が必要。
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【ロンドン共同】デンマークのフレデリクセン首相は7日、15歳未満の交流サイト(SNS)利用を禁止する方針を表明した。対象の具体的サービスは不明だが、早ければ来年にも導入される見通し。英メディアが報じた。フレデリクセン氏は「携帯電話やSNSが子どもたちの幼少期を奪っている」と指摘した。 SNSを巡ってば、オーストラリアで昨年12月、16歳未満の利用を禁止する法律が成立し、今年12月に施行される予定。ノルウェーも使用制限の対象を13歳未満から15歳未満に引き上げることを検討。フランスのマクロン大統領も今年6月、15歳未満の使用禁止を検討していると表明するなど、欧州でも同様の動きが広がりつつある。フレデリクセン氏は、SNSがまん延する社会について「私たちは怪物を解き放ってしまった」と懸念を表明。多くの子供たちが「不安やうつに苦しんでいる」と指摘した。 性犯罪やいじめにSNSが使われているとの報道が相次ぐ。また、フェイクが拡散されそれが子どもの目に止まることもしばしば。こうした状況下でSNSの使用を15歳以上とすることは一定意味があることではないだろうか。愛知県豊明市議会で9月成立した「スマホ2時間条例」は、使用に関する時間と年齢を限定したもの。欧州各国の措置はそれを超えるもの。「私たちは怪物を解き放ってしまった」との見解には同感するところがある。SNSリテラシーが確立する(?)まで、ICTツールを使用しないということは必要であはないか。GIGAスクール構想によって小中学生にパソコンを配布し、デジタル教科書を使用することを求める文科省の方針は、子どものSNS使用に掉さしていないか検討が必要。
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経済協力開発機構(OECD)は7日、2024年に実施した国際教員指導環境調査(TALIS)の結果を公表した。日本の教員の仕事時間は1週当たり小学校52・1時間、中学校55・1時間で、前回18年調査よりいずれも4時間減少したものの、小中とも世界最長だった。授業の時間が国際平均より短い一方、学校運営や事務の業務は長かった。 日本は調査に加わってから毎回世界最長で、小学校は2回連続、中学校は3回連続。文部科学省は学校や教員以外が担うべき業務を明示するなど働き方改革を進めるが、世界的には依然として長時間労働となっている。国際平均は小学校40・4時間、中学校41・0時間だった。 日本の調査は24年2〜3月、小中学校403校の教員6914人と校長402人に実施した。 授業の時間は小学校23・2時間、中学校17・8時間、保護者との連絡や連携は小中とも1・4時間で、いずれも平均より短い。一方、学校運営業務は2・8時間と3・1時間、事務業務は4・5時間と5・2時間で、平均より長かった。 部活動を含む課外活動は中学校が5・6時間。平均の1・7時間を大きく上回ったが、休日の部活動の地域展開が進んだことで前回より2・5時間減った。 教員がストレスを感じる割合は、「事務業務が多すぎること」が小学校66・O%、中学校62・8%、「保護者の懸念へ対処すること」は小学校58・7%、中学校56・4%で、前回より増えた。 校長への調査では、教員不足と回答した割合が小学校で前回より21・5ポイント増の40・7%、中学校が8・1ポイント増の35・6%、支援職員の不足は小学校5・9ポイント増の66・3%、中学校0・6ポイント増の47・1%だった。 勤務時間は世界平均から小学校で11・7時間、中学校で11・1時間多い。法定勤務時間を7時間45分と考えれば丸1日(/周)以上多く働いているといことだ。損得勘定でいえば1日は「ただ働き」だといえる。教員の労働をボランティアにしてはいけない。
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京都府教育委員会は7日、京都市を除く府内全公立小中学校と特別支援学校を対象にした独自の学力テストの結果を発表した。学力の変化を経年比較できる調査手法を導入しており、前年度と比べて児童生徒の6〜7割で学力が伸びた。 小学4年〜中学3年生が対象で、約5万2千人が5月に受検した。小4〜中1生は国語と算数(数学)を、中2、3生は国語、数学、英語を受けた。 学力を21段階の評価で測定した。前年度から伸びた児童生徒の割合は、小5が国語75・9%(前年度75・0%)、算数72・2%(同63・9%)、小6が国語65・6%(同68・5%)、算数65・5%(同60・0%)だった。 中1は国語71・0%(同71・9%)、数学76・0%(同67・5%)、中2が国語56・6%(同58・1%)、数学63・4%(同46・3%)、中3が国語62・0%(同63・1%)、数学66・5%(同47・0%)、英語69・7%(同68・7%)だった。 成績上・中・下位の各層ごとに伸び率を前年度と比較したところ、数学については全学年の中・下位層で上昇したが、国語は小6と中2の中位層で下がった。中3の英語は中位層と下位層で大きな差があり、下位層の底上げが課題であることが浮き彫りになった。 府教委は「全体的に過去に学んだ内容の記憶に弱さが見られる。学んできた知識やさまざまな体験と関連づけられる深い学びを実現することが必要」としている。 学力の中位層と下位層での伸びがどのような変化として現れているかを知ることに意味があり、その対策をどう手当てするかが今後の課題というところだろう。こうした分析方法を導入した学力テストを行うのなら「なぜ全国学力テストに参加しなければならないのか」という疑問がわいてくる。
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京都府教育委員会は7日、京都市立を除く府内の公立全小中高校と特別支援学校について、2025年度1学期分のいじめ調査の結果を発表した。認知件数は前年同期比447件減の9717件だった。いじめが原因で欠席が30日以上続く「重大事態」は府立高で1件あり、複数生徒からスマートフォンなどで誹謗中傷を受けていた。 認知件数の内訳は、小学校が同552件減の8449件、中学校が同85件増の984件、高校が同30件減の180件、特別支援学校が同20件増の04件だった。 いじめの内容は全校種で「冷やかしやからかい、悪口や脅し文句、嫌なことを言われる」が最多だった。小中学校では「軽くぷつかられたり、遊ぷふりをしてたたかれたり、蹴られたりする」、高校では「仲間はずれ、集団による無視をされる」がそれぞれ続いた。特別支援学校では「ひどくぶつかられたり、たたかれたり、蹴られたりする」が2番目に多かった。 重大事態は複数生徒が昨年度から複数回、スマホや対面で誹謗中傷などを行った事案で、被害生徒は4月中旬から欠席し、6月に転学した。 |
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京都府教育委員会は7日、女子生徒への盗撮やわいせつ行為などで府内の中学校の男性教諭2人、府立高の男性教諭2人の計4人を懲戒免職に、酒を飲んで車を運転をしたとして府南部地域の中学校の男性教諭(25)を停職6ヵ月の懲戒処分にしたと発表した。いずれも処分は同日付。 懲戒免職になったのは、与謝野町立江陽中の時田元太教諭(29)、長岡京市立長岡中の松岡寿俊教諭(39)、府南部地域の府立高の男性教諭2人。 時田教諭は昨年11月から今年7月まで、未成年の少女と性交し、その様子を撮影したり、裸の画像をSNSで送信するなどして、児童買春・ポルノ禁止法違反(提供、製造)などの疑いで香川県警に逮捕された。松岡教諭は今年9月、勤務していた中学校の教室にカメラを設置し、女子生徒が着替える様子を撮影し、性的姿態撮影処罰法違反(撮影)の疑いで京都府警に逮捕された。府南部地域の府立高の26歳と32歳の教諭は、いずれも部活動の顧問で、女子部員を複数回抱きしめたり、キスしたりするなどした。 停職6ヵ月の処分を受けた男性教諭(25)は今年8月、出勤前の午前5時半に車を運転中、警察の呼気検査を受け、基準値を超えるアルコールが検出された。前日の午後11時から翌日午前2時ごろまで友人宅で飲酒していたという。 府教委によると、2024年度の教職員の懲戒処分件数は4件だったのに対し、本年度は今月時点で計8件で昨年度の2倍になった。「教育の信頼を大きく揺るがす危機的な状況」として、今後、緊急の校長会議を開催するとしている。 教員採用試験の競争倍率が直ちに懲戒処分対象件数に反映するとは思えないが、「質」の確保が難しくなるのは道理かもしれない。どう質と量を確保するかということが緊急の課題なのだろうが、果たして展望はあるのだろうか。
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学校法人「森友学園」への大阪府豊中市の国有地売却問題を巡り、国土交通省大阪航空局が敷地に埋まるごみの推計量は当時試算された4分の1に当たる5004トンだったとする調査結果を公表した。2016年の売却時、ごみの量を根拠に撤去費とした約8億2千万円を値引きしており、取引の妥当性が崩れた形だ。新たに判明した推計量に基づき試算した結果、微去費は約6億3千万円だといい、2億円ほど多く見積もっていたことになる。 森友学園への国有地売却を巡っては、8億円余りもの巨額値引き問題が発覚後、根拠とされるごみ撤去費の金額が不透明とされ、会計検査院にもずさんな算定だと指摘されていた。財務省による決裁文書改ざん問題も判明し、当時の佐川宣寿理財局長や財務省職員らが背任や虚偽公文書作成容疑などで告発されたが、大阪地検特捜部は対象の38人全員を不起訴にし、捜査は幕引きとなった。 当時の試算よりごみの推計量が少ないとした国土交通省大阪航空局の新たな調査結果を受け、改ざんを苦に自殺した元近畿財務局職員の遺族側は再調査の必要性を訴える。 一連の問題が発覚したのは2017年2月。評価額約9億5千万円の大阪府豊中市の国有地が大幅に値引きされ、開校予定の小学校用地として約1億3千万円で森友側に売却されていた。名誉校長に安倍晋三元首相の妻昭恵氏が一時就任していたことから元首相側の関与や官僚の忖度があったのではとの疑惑が浮上した。 16年3月、森友側が国有地で計画した小学校校舎の地下9・9メートルまでのくい打ち工事中ににごみが出たと申告。国はくい打ちした場所は地下9・9メートル、その他は地下3・8メートルまでごみが混入しているとみなし、微去費を算出したと説明していた。 これに対し会計検査院は17年11月、ごみ処分量の推計根拠が定かではなく、実際は推計の3〜7割だった可能性があると指摘。18年11月の再検査結果報告でも、値引き額の算定根拠が確認できないとした。 告発について大阪地検特捜部は18年5月、ごみ撤去費の算定に明確な基準がなく、損害を与える意図が認められないなどとしていずれも不起訴処分とした。その後、問題を追及する大学教授らの申し立てを受け、大阪第1検察審査会が19年3月、佐川氏ら10人を「不起訴不当」と議決したが、特捜部は再び不起訴とし捜査を終結した。 国土交通省傘下の局がはじき出した「数字」。それは大変重いと言わざるを得ないはず。安部政治の暗部の一つに過ぎないのだろうが、いまだに安部政治「アベノミクス」の亡霊が徘徊している。高市自民党総裁の布陣を見れば明らかに安部政治の復活を思わせる。再び格差社会へと舵が切られることになりはしないか。そのためにも、この「暗部」の追求を野党は精力的にやるべきだ。
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【ワシントン、エルサレム共同】パレスチナのイスラム組織ハマスは3日に声明を出し、トランプ米大統領による自治区ガザの和平計画に回答した。全ての人質解放に条件次第で同意し、仲介国を通じて詳細の交渉を開始する用意があると表明した。イスラエル軍の攻撃停止やガザ完全撤収を要求する姿勢を強調した。トランプ氏は回答を評価し、イスラエルにガザ爆撃の即時停止を求めた。 イスラエルメディアによると同国指導部は軍に対し、最大都市ガザ市の制圧作戦を停止し、ガザでの作戦を縮小するように命じた。ガザ保健当局は4日、2023年10月の戦闘開始以来のガザ側の死者が6万7074人となったと発表した。人道危機が深まる中、実際に米国やイスラエルとハマスの交渉が始まるかどうかが焦点となる。イスラエル首相府は4日、トランプ氏と引き続き協力するとの声明を発表した。パレスチナ通信は4日、イスラエル軍がガザ市などで攻撃し8人が死亡したと報じた。 トランプ氏は交流サイト(SNS)で「ハマスには恒久的な平和に向けた用意があると信じる」と投稿。ガザ爆撃停止について、人質を安全に解放するために必要だと指摘した。動画声明でガザの和平に関し「最終的な合意を確実に固める必要がある」とした上で「達成寸前だ」と強調した。 「同意」が必ずしも「戦闘終結」ではない可能性が高い。交渉中であっても「ガザでの作戦を縮小」に過ぎない可能性がある。一方的な和平提案ではなく少なくとも交渉中の「一時停戦」も含めたものである必要がある。
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イスラエル軍の攻撃が続くパレスチナ自治区ガザで1月以降に活動した国際組織、国境なき医師団(MSF)の日本人看護師らが3日、東京都内で記者会見した。ガザの医療施設の9割超が破壊され、食料と医療物資の搬入がイスラエルによって意図的に遮断されているとして「医療の限界を超えている」と訴えた。 会見に出席した看護師中池ともみさん(42)は、停戦中だった1月からガザ南部の病院で活動。3月の攻撃再開後、搬送されてくる患者は既に亡くなっているケースが目立つようになった。人道支援は生命維持を目的とするだけでなく、パレスチナの人々が「国際社会から見捨てられていないと思える希望の一つだ」と意義を強調した。(共同) 10月2日のイスラエルの攻撃でMSFの職員オマル・ハルクさんが殺害された。「国境なき医師団は14人目のスタッフ殺害に強く抗議」との記事をHPに掲載。かつてクラウゼヴィッツはその著書『戦争論』で「戦争は、他の手段をもってする政治の延長にほかならない」と記した。しかしこの2年間、イスラエルの戦争はクラウゼヴィッツの概念を大きく逸脱しジェノサイドと化している。
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自民、公明、日本維新の会の3党は3日、教育無償化に関する実務者協議を国会内で開いた。2026年度から本格化する高校の授業料無償化を巡り、通信制高校の生徒にも一定の支援を実施する方針を決めた。留学生以外で、日本への定着が見込まれる外国人生徒も無償化の対象とする方向性を確認した。月内に詳細な制度をまとめる。 自民実務者の柴山昌彦元文部科学相によると、通信制への支援は、不登校の生徒への教育機会確保や多様なニーズに応えるとの役割を重視した。授業料の平均額を念頭に支援額を検討する。無償化の対象となる外国人生徒の基準は次回会合で協議する。 実務者は、低所得層向けの奨学給付金制度の拡充や、公立・専門高校への支援が必要との認識でも一致した。柴山氏は、4日に選出される自民新総裁の下でも、実務者の判断を尊重してもらえるよう申し入れる考えを伝えた。3党で26年度から実施すると合意している小学校の給食無償化の 在り方についても、11月中の具体化を目指す。 柴山氏は会合後、無償化の効果や影響を把握するため3年間の検証期間が設けられるとの見通しを記者団に示した。 議論の中で朝鮮学校に対する無償化は行われていない。教育無償化は国際的にも認められている子どもの教育権の保障であるはず。そこから政治的な理由で朝鮮学校を排除することは原理的にはできないはず。無償化を推進してきた日本維新の会が「権利保障」としての議論を行った形跡はない。
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義務教育段階の年齢で国公私立の小中学校や外国人学校に通っていない不就学の外国籍の子どもが、2024年5月時点で1097人いることが2日、文部科学省の調査で分かった。19年の初回調査は630人、前回23年は970人だった。文科省は「就学状況の実態解明が進んできた結果で、子どもの学習権を保障するために就学が促進されるよう教育委員会にさらに周知していく」とした。 外国籍の子どもに就学義務はないが、国際人権規約などを踏まえ、公立小中学校では日本人と同様に無償で受け入れている。 調査対象は全1741市区町村の住民基本台帳に登録されている外国籍の子どもで、74%に当たる1288自治体にいた。小学生相当は11万4792人、中学生相当が4万8566人の計16万3358人で前回より1万2663人増えた。 うち、連絡が取れず就学状況が確認できなかったのは7322人、住民基本台帳に登録があるものの学齢簿に名前がないといった理由で教育委員会が把握していなかったのが13人。文科省はこれらと不就学を合わせた計8432人が「不就学の可能性がある」としている。この人数は初回調査の約1万9千人から大幅に減少し、前回からも169人減った。 多くの自治体は住民登録手続きの際に就学に関する説明をしている。就学状況が確認できない子や不就学の子のために、電話や訪問で就学を勧めたり、就学案内を継続的に送付したりする自治体も多い 在日外国人の子どもの教育はきわめて重要。自民総裁選で妙な形で「外国人問題」をとりあげる候補者たちだが、必要なことは母語の保障を前提とした日本語教育の機会を提供することが第1義ではないのか。
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【エルサレム共同】イスラエル軍が攻撃を続けるパレスチナ自治区ガザに支援物資を届けようと、地中海を船団で航行中の支援団体「クローバル・ズムード船団」(GSF)は1日、一部の船舶がイスラエル軍に拿捕されたと発表した。200人以上が拘束されたが、負傷者はおらず、乗船していたスウェーデンの環境活動家グレタ・トウンベリさんも無事。イスラエル外務省は2日、船団を事実上阻止したと表明した。 ロイター通信によると、船団は40隻以上で構成され、活動家や各国の議員ら約500人が乗船。GSFの報道担当者は中東メディアで、拘束者の国籍は37力国に上るとした。イスラエル外務省は「挑発は終了した。乗船者をイスラエルの港に移送した上で、送還する予定だ」と発表した。1隻が遠方に残っているが、接近すれば阻止するとも警告した。拿捕されたのはガザ沖約130キロ付近。ロイターによると、イスラエルの軍艦2隻が船団を包囲し、通信を妨害。イスラエル兵が船に乗り込んだという。GSFは「不法に阻止され、戦争犯罪だ」と訴えた。 トルコ外務省は、民間人の命を危険にさらす「テロ行為だ」と非難。コロンビアのベトロ大統領は同国駐在のイスラエル外交官の国外追放を指示した。イタリアやスペイン、メキシコではパレスチナ支持のデモが相次いだ。 トランプ大統領の和平提案はとんでもない代物なのだが、まずは「停戦」そして「イスラエル軍の撤退」が可能であるならそれも選択肢の一つかもしれない。しかし、これまでの争いでの「死者」はなんのための死だったのかの疑念が沸きおこる。評価は別にして日本が起こした17年戦争での「死者」も同じ。左派も右派もそれを利用することは戒められなくてはならない。石破首相は10日に予定している「戦後80年見解」で何を語るのだろうか。
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京都市山科区鏡山学区で約50年にわたって続いてきた区民大運動会が岐路を迎えている。高齢化や新型コロナウイルス禍によって参加する町内会が減る中、主催する鏡山体育振興会は今年、子ども向けの祭りを同時開催して子ども食堂を実施するなど、地域住民らが参加しやすい大会の実現に向けて模索を始めた。 同会によると、区民大運動会は学区内の住民が一斉に集うほぼ唯一の行事。しかし、新型コロナ禍以降、参加数は減少し、昨年は全27町内会のうち15町内会ほどまで減った。区は市内で1、2位を争う高齢化地域で、同学区も例に漏れず、参加に伴い必要なテントの運搬や設置、弁当の手配が負担となっている現状もあるという。 一方、参加しない町内会の子どもからは「参加したい」という声が届く。町内会の参加の有無に関わらず子どもたちに足を運んでもらおうと、5日の大運動会は自治連合会主催の祭りを同時開催することに決めた。 参加しない町内会の子どもは昼食の用意がないため、小学生以下は子ども食堂で焼きそばを振る舞うほか、町内会の参加の有無を問わずに出場できる競技で、祭りの屋台に使える菓子やジュースの商品券を配る。 「規模を縮小することは簡単だが、地域がつながる機会を諦めたくない。1人でも多くの人に参加してもらい、大運動会の意義を感じてもらいたい」と河内康彦会長(55)は力を込めた。 典型的な都市での少子高齢化現象。地方創生で過疎地の話題は語られることが多いが都市での「過疎化」は深刻な問題でもある。自治会という地域コミュニティーへの加入者が激減していて、維持が困難になっていることが問題の根源でもある。かつて、「番組小学校」が地域住民によって作られた伝統があるとして京都市の教育を持ち上げた前市長によって、その学校が廃校とされ地域の崩壊に拍車をかけた。そして、跡地は次々とホテルが建築されている。市財政と引き換えに地域コミュニティーが崩壊していったというのは言い過ぎか。また、旧学区ごとに組織されている体育振興会という社会団体が行政の末端組織から脱却することも必要かもしれない。地方の過疎化対策を見ていると、区民運動会を若者による企画・運営にゆだねることも一案だと思う。
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【ワシントン共同】トランプ米大統領は29日、ホワイトハウスでイスラエルのネタニヤフ首相と会談した。終了後の共同記者会見でパレスチナ自治区ガザの戦闘に関し、米政権が新たに公表した20項目の包括的和平計画でイスラエルと「合意した」と表明した。計画は戦闘終結やイスラム組織ハマス拘束下の人質の解放、イスラエル軍のガザ撤収などが柱で、ハマスの対応が焦点。トランプ氏の思惑通り和平が実現するかどうか不透明だ。 ガザの戦闘は10月7日で開始から2年。ガザ側死者は6万6千人を超え、人道危機も深刻化する。中東の衛星テレビ、アルジャジーラによると、ハマスは停戦交渉を仲介するカタールとエジプトから米計画を伝達され、検討すると回答した。 トランプ氏は「ハマスは今こそ計画を受け入れる時だ」と訴え、拒否すれば、ハマス壊滅を目指すイスラエルを支援すると警告。30日にはハマスに対し「3〜4日以内」に回答するよう求めた。 計画では、イスラエルとハマスが合意すれば即時に停戦。イスラエルの正式な合意受け入れの後、ハマスは72時間以内に人質全員を解放する。戦後統治にハマスの関与を認めず、イスラエルはガザを占領、併合しない。米国はアラブ諸国などと連携して治安維持部隊を創設。戦後のガザで公共サービス提供を担う「暫定委員会」を監督する国際機関を設置し、トランプ氏がトップを務める。 トランプ氏は共同記者会見で「持続的で長期の平和に資する」と計画の意義を強調。「アラブ諸国もガザ住民と地域全体の利益のため、責務を果たす準備が完全に整っている」とした。 ネタニヤフ氏は米政権の計画を「支持する」とし、ハマスが拒めば攻勢を強めると言明。戦後も一定期間は「イスラエルがガザ周辺も含め治安を管理する」と主張した。 計画では他に、トンネルや武器生産施設などハマスの全ての軍事インフラを破壊し、ガザの非軍事化に取り組むことを確認した。 トランプ米大統領がパレスチナ自治区ガザの戦闘終結に向けた和平計画を公表した。イスラエルやアラブ諸国の「支持」「合意」を強調したが、当事者のイスラム組織ハマスには受け入れ難い内容が多く、仮に八マスが受諾してもイスラエルが有利に解釈できる余地がある。20項目の詳細はあいまいで実効性に疑問が残る内容だ。和平実現は予断を許さない。 計画はハマスに武装解除を求め、戦後のガザ統治に一切の関与を認めないとしたものの、ハマスが要求するイスラエル軍のガザ完全撤収には不明確な条件を提示した。米国とアラブ諸国などが連携し、ガザの治安維持を担うため部隊を創設すると明記。部隊はイスラエル軍と協力し活動するとしたが、仮にイスラエルとハマスの交戦が起きた場合、アラブ諸国の兵士が「同胞」に銃を向けるかどうか不明だ。 計画ではパレスチナ自治政府の改革が進んだ場合のパレスチナ国家樹立の可能性にも触れた。だが、イスラエルのネタニヤフ首相は動画声明で国家樹立に改めて反対し「トランプ氏も理解している」と主張した。 ガザの停戦合意はイスラエル、ハマス双方が発効後にそれぞれの合意違反を主張し、ほごにしてきた経緯がある。今回の計画も持続可能性を担保できなければ「絵に描いた餅」で終わる恐れがある。(ワシントン共同) トランプ米大統領がパレスチナ自治区ガザの和平計画を公表した。イスラム組織ハマスに人質解放と武装解除を求めた「最後通告」(米メディア)で事実上の無条件降伏を迫った。イスラエルのネタニヤフ首相は計画支持を表明しながら実際にはハマスの「拒否」を織り込み、戦闘継続の姿勢を誇示。和平を望む米国とずれが露呈し、成果を焦るトランプ氏が見切り発車した可能性がある。 「これは中東和平という大きな枠組みの一部に過ぎない」。29日、ホワイトハウス。ネタニヤフ氏と記者発表に臨んだトランプ氏は豪語した。 ガザの和平実現を足掛かりに、―期目に進めたイスラエルとアラブ諸国の関係正常化「アブラハム合意」を拡大し「中東で永遠の平和」を目指すと大風 呂敷を広げた。 トランプ氏は先週、国連総会に合わせてニューヨークでアラブ諸国の首脳らと会合を開いた。嫌いなはずの多国間交渉に取り組み、ガザ和平計画への支 持を取り付けた。 今年1月の就任から早期実現を訴えてきたロシアのウクライナ侵攻やイラン核問題、ガザ戦闘の解決が見いだせない中、10月10日に受賞者が発表されるノーベル平和賞を渇望するトランプ氏はいらだちを募らせていた。2年にわたる戦闘でハマスが著しく弱体化した今こそ、計画をのませる最大のチャンスと 判断したもよう。トランプ氏はハマスが計画を受け入れない場合、「やるべきことが成せるよう(ネタニヤフ氏を)全面支援する」と軍事行動激化を容認し た。ネタニヤフ氏は「イスラエルは単独でもやり遂げる」と応じた。 計画の多くはこれまで議論されてきた内容だが、トランプ氏は持論だった米国によるガザ所有やガザ住民の強制移住を封印。パレスチナ国家樹立に向け て期待を残す文言も入れた。いずれもアラブ諸国が懸念を示してきた部分で配慮がにじむ。 計画で具体的な日程を示したのはハマスに人質解放を求めた項目だけ。ハマスが見返りに求めるイスラエル軍が攻撃しないとの保証は欠如し、イスラエル軍のガザ駐留継続を容認するとも読める文言が入った。ニューヨークータイムズ紙は「ハマスが受け入れる可能性は低い」と切り捨てた。 ネタニヤフ氏に和平への意思は感じられない。「これは歴史的な訪問だ。ハマスがわれわれを孤立させるどころか、われわれが形勢を逆転させた」。動画声明で訪米の成果を誇った。 「『イスラエル軍は撤退すべきだ』と言われるが、絶対にあり得ない」と続けた。 連立を組む極右政党は停戦すれば政権を離脱すると警告。ネタニヤフ氏は政権を維持するため戦闘を続けているとの見方が強い。イスラエル紙ハーレツは 「ネタニヤフ氏はハマスに屈辱を与え、計画の受け入れを拒否させようとしている」と分析する。 記者発表でネタニヤフ氏はトランプ氏の外交努力を称賛した一方、計画を「支持」(SUPPORT)すると表明。トランプ氏が使った「合意」(AGREE)との表現を避けたとみられる。 「関係者全員の署名を待っている間に質問に答えるのは適切ではない」。トランプ氏はネタニヤフ氏との立場の違いを指摘されるのを恐れたのか、普段と違って記者の質問に答えず、会場を足早に後にした。(ワシントン共同) 米国が公表したパレスチナ自治区ガザの和平計画は、イスラエルとイスラム組織ハマス双方に受け入れ難い内容だ。イスラエルのネタニヤフ首相は計画に「賛同する」と表明したが、ネタニヤフ氏が断固反対してきたパレスチナ国家樹立の可能性が盛り込まれている。大きな政策転換に踏み出すとは考えにくい。 それでも「合意」とされた背景には、欧州諸国が相次いでパレスチナを国家承認し、イスラエルが国際社会で孤立を深める中で米国の提案をむげにでき ない事情があったのだろう。 ハマスにとっても、ガザの戦後構想が実現するかどうか疑わしい中、即座に人質解放に応じる決断をするのは難しい。 72時間以内という期間も短すぎ る。和平の条件としてハマスに人質解放を迫り、事実上の降伏を要求するやり方は既に何度も頓挫してきた。ガザの人道状況を改善するには、まず軍事的に無意味な戦いを続けるイスラエルを止めることが先決だ。(共同) 【ワシントン共同】トランプ米大統領は29日、、戦闘終結後のパレスチナ自治区ガザの統治に関し、自身がトップを務める新組織が監督する案をぶち上げた。「平和評議会」と命名し、英国のブレア元首相ら「他国の指導者」が複数参加すると説明した。実現可能性を度外視し、関税など税制で優遇措置を取る経済特区構想も掲げた。 平和評議会のトップ就任はアラブ諸国とイスラエルの指導者から依頼されたと主張。イスラエルのネタニヤフ首相と会談後に臨んだ共同記者会見で「私の要請ではない。仕事は増えるが、非常に重要で引き受けることにした」と語った。 ホワイトハウスが発表した20項目の和平計画には、荒廃したガザの再建や活性化に向けた「トランプ経済開発計画」の策定も盛り込まれた。中東で繁栄する都市開発に携わった専門家を招集し「将来のガザに雇用や希望をもたらす投資を誘致する」としたが、具体的な方法には触れなかった。 不動産開発を手がけるトランプ氏の一族は中東でビジネスを展開する。関連企業を念頭に置いている可能性もある。トランプ氏は2月、ガザ住民を域外の安全な場所に再定住させ、復興するまで米国が長期的に所有するとの構想を発表。住民を置き去りにしていると批判を浴びた。今回の計画では、ガザ住民に移住の強制を一切せず「希望者は自由に出入りできる」とした。 トランプ米政権が29日に公表したパレスチナ自治区ガザの和平計画について中東や欧州、日本から歓迎の声が相次いだ。 サウジアラビアやトルコなどアラブ・イスラム諸国8力国は「合意の最終決定に向け、米国や関係国と協議を続ける」との共同声明を出した。8力国はガザの停戦交渉を仲介するエジプトとカタールを含む。和平計画についてイスラエルとパレスチナの「2国家共存」につながるとし、ガザをヨルダン川西岸と統合してパレスチナ国家を樹立することが地域の安定を実現すると訴えた。パレスチナ自治政府は「トランプ大統領が和平への道を見いだせると確信している」と表明。占領終結やパレスチナ国家の樹立が、イスラエルとの安全かつ平和な共存につながると強調した。 親イスラエルのドイツのワーデフール外相は「恐ろしい戦争を終わらせる、またとない機会」と歓迎し、和平計画を支援する用意があるとした。 英国のスターマー首相は「トランプ氏の努力を強く支持する」とし、イスラム組織ハマスに計画の受け入れを求めた。フランスのマクロン大統領も計画を歓迎。ハマスに「人質を即座に解放し、計画に従う以外の選択肢はない」と迫った。 石破茂首相は30日、X(旧ツイッター)で和平計画を評価。「トランプ氏のリーダーシップは2国家解決の重要な一歩で大いに歓迎する。全ての関係者が計画に沿って歩みを進めるよう期待する」と投稿した。(共同) 何が「正義」なのかも分からなくなるような国際政治だが、ガザの人々にとっては「即時停戦」だけが望みではないだろうか。国家に翻弄される市民の姿は、いつの時代における「戦争」においても変わらない。
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女子児童を盗撮した画像や動画を交流サイト(SNS)で共有したとして名古屋市立小の教員らが逮捕・起訴された事件に衝撃が広がっているが、京都や滋賀でもわいせつ事案による教員の懲戒処分が後を絶たない。文科省の通知を受け、京滋の各教育委員会は、教室や更衣室に隠しカメラがないかどうかの点 検、服務規律の徹底に乗り出している。 「信じられない。これだけ問題になっているというのに」 京都府教委教職員人事課の担当者は頭を抱えた。9月9日、長岡京市立中の男性教諭が勤務先の中学の教室にカメラを設置し、着替え中の女子生徒の動画を撮影したとして性的姿態撮影処罰法違反(撮影)の疑いで向日町署に逮捕されたからだ。 2月にも宇治市立かの30代の男性教員が勤務先の女子児童更衣室にペン型カメラを設置、着替えの様子を撮影して宇治暑に逮捕されていた。 京都府教育委員会では2024年度までの10年間の58件の懲戒処分のうち、6割にあたる35件がセクハラやわいせつ事案で、盗撮に限ると6件あった。 名古屋市の教員の事件を受け、府教委は7月、府立学校(高校、特別支援学校など)の校長会、府内市町村教委の教育長会を相次ぎ開き、対策の徹底を訴えた。具体策として、校内のトイレや更衣室の定期的な点検のほか、校内で私用カメラ使用や画像の持ち出し禁止などを挙げた。 教職員人事課の吉岡伴幸課長は「京都でも長岡京の事案が起きた。何もしない訳にはいかない」とした上で、こども家庭庁が校内への防犯カメラ設置を有効とする意見を出していることについては、「プライバシーの観点など解決しなければならないことも多い」と述べるにとどめた。 京都市立学校では24年度までの10年間で、セクハラや性暴力などを理由とした懲戒処分は11件あった。今年6月には、自身が勤務する中学校の女子生徒の下着を撮影しようとしたとして、性的姿態撮影処罰法違反(撮影未遂)の疑いで市立中教員が右京署に逮捕されており、懲戒処分となる見込みだ。 滋賀県内でも22年度から24年度までに、わいせつ行為や盗撮、児童ポルノ所持などで11件の懲戒処分かあった。盗撮は4件で、うち2件は学校内で撮影されていた。処分を受けた教職員は20代4人、30代2人、40代4人、50代1人で、いずれも男性という。 名古屋市立小の事件を受け、県教育委員会は7月にワーキンググループを設置し、対策を検討。教職員による私用端末を使った児童生徒の撮影を原則禁止にしたほか、トイレや更衣室など校内点検を少なくとも年1回は行うこととし、9月30日付で県立学校に通知した。市町立小中学校を所管する市町教委にも参考として送った。 学校での児童・生徒に対する性的な加害事件にたいする決定的な解決策はなかなか見出しにくい。それでも、教員と児童・生徒との関係が強者vs弱者の関係であることを明確にすることが必要ではないか。これは教えるvs教えられる関係で維持されている現在の教育制度の陰影ではないだろうか。
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文部科学省は30日、小学6年と中学3年の全員を対象に4月実施した2025年度全国学力・学習状況調査(全国学力テスト)の都道府県別と政令指定都市別の結果を公表した。各教科の上位は例年と同様で、秋田、富山、石川、福井などだった。 25年度は国語、算数・数学、理科を実施。各自治体の平均正答率は小数点以下を四捨五入し整数で示した。オンラインで出題・解答する方式(CBT)を初採用した中3理科は、国際的な学力調査で採用される「IRT(項目反応理論)スコア」で示され、10点刻みのどの範囲に入るかが公表された。 正答数で四つに分けた各学力層の割合は、各自治体とも全国的な傾向と大きな差はないが、上位になった県は低学力層が少ない傾向が見られた。全国平均正答率が50%を下回った中3数学では、低学力層の割合が全国(公立のみ)より10ポイント以上多い自治体があった。 全国の結果分析で、家にある本の冊数が少ないグループは正答率が低い傾向にあることが判明している。都道府県別の分析では、上位県は冊数が少ないグループでも低学力層が少ない傾向があり、自治体や学校の取り組みが学力を伸ばしている可能性がある。 全国学テの結果公表に意味があるのか。毎回実施され公表される内容はほとんど変化がない。例えば。「家にある本の冊数」は家庭資本の多寡をあらわしてはいるが、これは学テが実施される前から「再生産論」として指摘されていた内容でその後の改善はみられていない。OECD学力の「コンピテンシー」強化へ舵は切られているが、依然として個人が蓄積する「(認知、非認知)能力」への信仰は衰えていないとみられる。
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