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      • 小規模特認校PR.1
      • 無保険助長は重大問題.2
      • イスラエルは大量虐殺該当.2
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      • 府北部2町休校.3
      • 原発保管 近づく限界.3
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      • 洛和会が農業参入.5
      • QRコード先も検定対象.6
      • 学校裁量で教科時間増減.6
      • 米、ガザ停戦で新提案.9
      • 国境超えて住民交流を.9
      • 寛容な社会 一人一人が守る.9
      • 逮捕に憤り・落胆の声.11
      • カタールにハマス追放要求.12
      • 「左派が暴力」一方的に主張.12
      • NATO出方 試す狙いか.12
      • パワハラ自殺 遺族に1.5億円支払い.12
      • 性犯罪歴確認の業種明確化.13
      • 米、日本に見送り要請.13
      • 岐路に立つ公立高.13
      • PFAS 従業員の血液検査.14
      • 朝夕の居場所 一層広げよう.14
      • 首相 反対顧みず侵略強行.17
      • 府教育長「公立離れ」危惧.18
      • 日本政府、米との関係重視.18
      • メガソーラ規制条例成立.18
      • 日米、指揮系統の連携加速.19
      • 米軍基地PFAS「深刻」.19
      • パレスチナ国家承認 見送り.20
      • 半導体量産 追い風.20
      • 教育課程を編成を柔軟化.20
      • 地方の教員確保 苦戦続く.20
      • スマホ2時間条例成立.20
      • 4氏、外国人規制強化主張.20
      • 「B型(事業所)」総量規制へ.24
      • 旧統一教会 韓総裁を逮捕.24
      • ガザ侵攻 世界がノー.24
      • 授業に工夫必須 増える教員負担.25
      • 就労支援 質向上は不透明.25
      • PFASで公害調停申請へ.25
      • 「対立より寛容を」.25
      • ガザ統治「ハマスを排除」.27
      • 「差別にNO」訴えパレード.28
      • 教員合格者 積極的採用を維持.30
    9月30日 府・市教委 教員合格者 積極的採用を維持

     京都府と京都市の教育委員会は2026年度教員採用試験の合格者数を発表した。両教委ともに採用予定数を上回る合格者を出した。合格倍率は府は前年度よりO・5ポイント低い2・6倍、市はO・8ポイント低い3・1倍で、府は記録が残る1995年度以降、市も平成以降で過去最低の「広き門」となった。

     教員志願者数が伸び悩む中、深刻化する学校現場の教員不足や、来年度から段階的に実施される見込みの中学の1学級35人化に対応するため積極採用を維持した。

     府教委の採用試験は前年度より99人少ない1443人が受験した。全体の採用予定は500人だが、549人を合格とした。校種別の合格者数と倍率の内訳は、小学校が前年度と同数の186人で2・O倍(前年度2・3倍)、中学は47人増の162人で2・5倍(3・5倍)、高校は5人減の126人で3・5倍(3・6倍)、特別支援学校は6入減の50人で1・7倍(1・9倍)。教員免許取得まで採用を最大2年間猶予する社会人経験者特別選考を本年度初めて実施し、小中高で4人に内定を出した。

     市教委の採用試験には前年度より42人多い1324人が臨んだ。全体の合格者数は424人で採用予定数を14人上回った。校種別の合格者数と倍率の内訳は、小学校(幼稚園を含む)は184人で2・5倍(3・0倍)、中学は131人で3・7倍(5・4倍)、高校は21人で6・3倍(6・〇倍)、総合支援学校は72人で1・9倍(2・3倍)。

     府教委教職員人事課は「競争倍率は下がったが、優秀な人材は確保できた」、市教委教職員人事課は「採用者の質と量をともに上げるため、教員志願者を増やす一層の取り組みをしていきたい」としている。


    倍率で見る限りは依然として教員の人気は下降気味。国会では給特法の廃止がほとんど議論とならなかった。本気の教員確保策が見えなかった。「ブラック職場」は存続するという受験生の不安は払しょくできていないなかでの合格者倍率低下は当然かもしれない。


    9月28日 川崎市 「差別にNO」訴えパレード

     差別に反対するイベント「かわさき ともにフェス&ノーヘイトパレード」が28日、川崎市中心部で開かれ、集まった人々が「差別にNO」と訴えた。10月に川崎市長選を控える中、夏の参院選で排外主義的な主張が注目を浴びたことを危惧し、市民有志らでつくる実行委員会が企画した。

     実行委によると、約500人が参加した。パレードに先立ち、市民らは公園でラップや踊りを披露し、差別反対を訴えるスピーチをした。

     神奈川県内で差別解消に向けた活動を展開する高畠修さん(73)=横浜市=は、ヘイトスピーチ解消法や、ヘイトスピーチに刑事罰を科す全国初の川崎市条例の成立といった、この10年の成果を念頭に「時計の針を戻すようなことは許してはいけない」と力を込めた。在日コリアンの女性は「川崎にヘイトは似合わない」と呼びかけた。

     参加した歌手の女性(56)=横浜市=は、インターネットで外国人差別を扇動する投稿をしていた過去があるが、間違いだと気付いたという。「その後の行動が大事だと思った。こうした活動に加わってヘイトを解消したい」と話した。



    9月27日 アッバス議長 ガザ統治「ハマスを排除」

    【ニューヨーク共同】パレスチナ自治政府のアッバス議長は25日、国連総会一般討論でビデオ演説した。戦闘終結後の自治区ガザの統治にイスラム組織ハマスを「関与させない」と述べ、排除する考えを明言した。自治政府が統治の責任を負う用意があると語った。イスラエル軍のガザ攻撃を「人道に対する罪」だと指弾し、イスラエルに停戦圧力をかけるよう国際社会に求めた。

     一方、ハマスはアッバス氏の発言を「拒絶する」と表明。アッバス氏が求めた武装解除を拒否し、誰が統治するかは住民が決めるべきだとした。

     アッバス氏は、イスラエルを擁護するトランプ米政権が自治政府関係者のビザ発給を拒否したため出席できず、演説を事前収録。ビザ拒否は各国のパレスチナ国家承認への対抗措置とみられる。

     アッバス氏は演説で、国家承認した国に謝意を示した。パレスチナとイスラエルの「2国家共存」を目指す動きが勢いづいているとし、他の国も続くよう要請した。

     英仏などが自治政府改革を求めていることを受け、ガザ戦闘終結後、1年以内に選挙を実施する意向も示した。

     6万5千人以上が死亡したガザ戦闘を「20〜21世紀で最悪の悲劇の一つだ」と指摘。住民は約2年も「ジェノサイド(民族大虐殺)や飢餓に苦しんでいる」と訴えた。

     国連本部で25日、国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)への支援を協議する閣僚級会合が開かれ、日本を含む40力国以上が支援継続を確認した。イスラエルで1月にUNRWAの活動禁止法が施行され、ガザ支援に影響が出ている。

     岩屋毅外相は会合で「UNRWAの活動を支えパレスチナ難民の支援に取り組む」と語った。


    ハマスの「誰が統治するかは住民が決めるべきだ」との主張は正論。


    9月25日 首相 「対立より寛容を」

    【ニューヨーク共同】石破茂首相は23日(日本時間24日)、米ニューヨークで国連総会の一般討論演説をした。先の大戦後、日本はアジア諸国の「寛容の精神」 に支えられ「不戦の誓いの下、世界の恒久平和実現に力を尽くしてきた」と強調。分断より連帯、対立より寛容の姿勢が重要だと訴えた。イスラエルによるパレスチナ自治区ガザヘの地上侵攻を強く非難。国連安全保障理事会の常任理事国口シアによるウクライナ侵攻を挙げ「安保理は十分に機能を発揮できていない」と述べ、改革を求めた。

     首相は、戦後日本とアジアの関わりに加え、過去を直視する重要性に言及。排外主義を許さない立場も示し、10月に発出を調整する戦後80年見解の布石とする 狙いがありそうだ。

     演説で首相は、8月の終戦記念日に、戦争の惨禍を繰り返さないと心に刻んだとして「いずれの国も歴史に真正面から向き合うことなくして、未来は開けない」 と主張した。戦前の日本の加害を踏まえ、アジアには日本を受け入れるに当たり「計り知れないほどの葛藤があったはずだ」との認識を示した。

     世界で法の支配に基づく自由で開かれた国際秩序が挑戦を受けているとして、健全で強靭な民主主義を育て、守る必要があると指摘した。

     戦後80年を念頭に「全体主義や無責任なポピュリスムを排し、偏狭なナショナリズムに陥らない。差別や排外主義を許さない」と語り、健全な言論空間や他者 の主張に耳を傾ける「本来のリベラリズム」が土台になるとした。

     日本政府が見送ったパレスチナの国家承認を巡り、イスラエルが「2国家解決」への道を閉ざすなら「新たな対応を取る」とけん制。ガザヘの人道支援継続の意 思を示す一方、パレスチナ側に責任ある統治を要請した。

     核軍縮に向け、世界の指導者や若者に対し、広島や長崎を訪れ「被害の実相を知つてほしい」と呼びかけた。米国による核を含む拡大抑止の必要性にも触れた。

     核・ミサイル開発を続ける北朝鮮を批判。日朝平壌宣言に基づき、拉致、核・ミサイルの諸懸案を包括的に解決し、国交正常化を目指す方針に変わりはないと した。


    戦後80年見解の発表明言

    【ニューヨーク共同】石破茂首相は24日午前(日本時間同日夜)、訪問先の米ニューヨークで記者会見し、戦後80年に当たり、先の大戦を巡る見解を発表する方針を初めて明言した。

     「メッセージという言い方で、私なりの考え方を述べたい」と表明した。開戦を避けられなかった経緯を重視。「戦争の記憶を決して風化させてはならない、二度と戦争を起こさないという観点が重要だ」とも述べた。

     見解を巡っては、10月4日の自民党総裁選終了後、首相退任までの間の同月中に発表する方向で調整している。安倍晋三元首相の戦後70年談話をはじめ歴代内閣の歴史認識は踏襲する考えだが、見解表明に異を唱えてきた自民の保守系議員らが反発する可能性もある。

     会見で首相は、見解の内容は固まっていないとした上で「なぜあの戦争を止めることができなかったか。政治はいかなる役割を果たし、いかなる役割を果たさなかったか」との論点で記述する考えを説明。過去の首相談話と異なり「今回は閣議決定を経る談話という形は取ちない」と語った。

     パレスチナの国家承認を見送った理由に関し「承認すれば、それでいいというものではない。経済的自立や国家統治の実効性を図るため、わが国として努力する」と語り、パレスチナが持続可能な形で存在することが極めて重要だと強調した。首相は会見後、政府専用機で帰国の途に就く。25日に帰国する予定だ。


    レイムダックと化した石破首相の発言。なぜ就任中にそうした発言ができなかったのかは残念。だが、アジアに向けて「計り知れないほどの葛藤があったはずだ」との発言は重いメッセージとならなくてはならない。これからの政府への足かせになればと思う。


    9月25日 ダイキン問題 PFASで公害調停申請へ

     大手化学メーカー「ダイキンエ業」の工場が立地する大阪府摂津市の地下水から、一部物質で発がん性が懸念される有機フツ素化合物(PFAS)が検出された問題を巡り、近隣住民らが同社に健康調査や汚染対策などを求めて公害調停を申請する方針を固めたことが24日、分かった。住民側弁護団によるとPFASに関する公害調停は全国初。申請人は数百人規模の見通しで、年度内に大阪府公害審査会へ申請する方向で調整中だ。

     申請に参加する住民らが申請人追加も目指して10月から署名活動も始める。PFASは静岡や岡山、沖縄など全国で問題となっており、各地の動きに影響を与えそうだ。

     弁護団の望月康平弁護士は取材に「まずは話し合いの土台となる情報を開示し、企業として周辺住民への責任を全うしてほしい」と話した。

     公害調停は公害に関する紛争を迅速かつ適正に解決するための公害紛争処理手続き。国の委員会や自治体の審査会が当事者間を仲介する。

     調停では@PFAS汚染などに関する調査資料開示A住民の健康調査B工場周辺の土壌・地下水と地盤沈下に関する環境調査−などを求める。さらに、住民との連絡協議会を設置し汚染対策と補償を要望する方針。

     ダイキンは摂津市の淀川製作所で、PFASの一種であるPFOAを取り扱つていた。同社と府と市は2009年から3者協議を開き、地下水に含まれるPFOAへの対策を検討。府は工場付近の複数地点で地下水のPFOA濃度を計測しており、25年の調査で1リットル当たり120〜3万5千ナノグラム(ナノは10億分の1)を検出。PFOAとPFOSの合計で1リットル当たり計50ナノグラムとする国の指針値を大幅に超えた。

     米国の科学・工学・医学アカデミーは、健康リスクが高まる可能性がある血中濃度を、PFAS7種類で計20ダ幄と設定。京都大などが地元住民らに実施した血液検査では、中央値が米指針値を上回った。

     住民から不安の声が上がったことを受け、ダイキンは7月に地域相談窓口を設置した。


    国は積極的に調査し施策を発表すべきではないか。たびたび指摘される、米軍基地への調査も行わなければならない。


    9月25日 京都市 就労支援 質向上は不透明

     京都市は24日、市内で増加している就労継続支援B型事業所の「総量規制」に乗り出す方針を市議会で正式に発表した。施設数と利用者数の需給調整とサービスの質低下の防止が狙いだが、B型事業所は工賃が低い上、原則として利用者数が増えれば国などの給付費が増える仕組みになっており、集客目当ての 事業所では効果的な就労支援につながっていないケースもある。関係者からは「総量規制は必要だが、サービスの質向上も急務だ」との声が出ている。

     市によると、B型事業所は2015年度当初には122ヵ所だったが、国の規制緩和などで年々増加し、本年度当初では249ヵ所にまで増えた。一方、事業所の定員数と利用日数から算出した供給量は必要量を2割近く上回っており、需給バランスが崩れている。現在は市内全域で供給過多となっている。今後、利用者は増え、28年度以降は市中心部のみは施設不足となる見込みで、総量規制には市が新規指定を調整することで「量」の平準化を図る狙いがある。

     だが、総量規制が「質」の向上につながるかどうかは不透明だ。事業所には利用者数に応じて一定の給付費が国や市町村から支払われる仕組みで、原則として利用者が多いほど事業所収入は増える。複数の関係者によると、送迎代や食事代を無料にするなど利用者確保に躍起な事業所もあり。「肝心の事業内容がなおざりで、利用者の能力向上につながっていないケースも多い」(関係者の1人)。

     北区のB型事業所「さくさく工房」は利用者を一般就労に送り出した実績がある。同事業所を運営する京都市紫野障害者授産所の井上裕希所長(47)は「利用者が多いと経営的に安定するのは事実だが、本人の希望があれば、一般企業などに就職できるようにするのもB型事業所の使命」と意義を強調する。

     利用者が西陣織の技術を学び、糸繰りや製織、裁縫などを分担して作業に当たる北区のB型事業所「西陣工房」は、利用者支援だけでなく、担い手不足に悩む地元・西陣織業界の支援にも一役買っている。同工房を運営する京都西陣福祉会の河合隆理事長(68)は「利用者の成長や産業支援につなげるという視点も大切」と述べた上で、「各事業所の事業内容を、市が定期的にチェックする仕組みづくりも必要ではないか」と提言する。



    9月25日 【インサイド】 授業に工夫必須 増える教員負担

     中教審作業部会が、デジタルを紙と同様に正式な教科書と位置付けることを了承した。児童生徒の興味関心や個性に沿った学びの充実が可能になる一方、学習内容の肥大化が進む中でさらに授業の創意工夫を求められる現場教員には負担が重くのしかかる。海外ではデジタル推進から紙に回帰する国もあり、専門家は使い分けの議論が必要だと指摘する。

     作業部会の審議まとめは、デジタル化によってグラフを動かして試行錯誤したり、音声を自分のペースで繰り返し聞いたりするなど、個人に合わせた学びが充実するとした。文部科学省が2024年に実施した委託調査では、紙よりデジタルの方が「いろいろな情報を集めやすい」とした児童生徒が61・2%、「図や写真が見やすい」は53・2%に上った。

     年代でばらつき

     一方で、埼玉県内の公立小の男性教諭(31)は「教員の年代などによって、デジタル教材の使用状況には大きなばらつきがある」と話す。この委託調査では、授業での使用頻度が「4回に1回未満」と回答した教員は36%に上り、一定数が効果的な活用方法に関する情報不足を課題に挙げた。

     教科書のページ数は約20年前に比べ小学校で約2・7倍、中学で約1・8倍に増加。内容や分量の見直しも叫ばれる中、現場の教員は今後、デジタル化を生かした授業ヘー層の改善が求められる。

     教科書会社の負担も増す。ある担当者は「デジタルコンテンツの開発競争がより過熱すれば、企業体力がある社しか生き残れない」と危機感を口にする。

     現状でも紙の教科書に載せる2次元コード(QRコード)によりコンテンツが増加傾向で、今後紙とデジタル、両者を組み合わせたハイブリッドの3種類を同時並行で作ることになれば、コストはさらにかさむ。

     アナログ回帰も

     海外でも模索が続く。近年デジタル化を推進してきたスウェーデンでは、政権が交代した22年以降「読み書きや計算能力などの基礎的なスキルは、アナログ環境での活動を通じて最もよく習得できる」として紙への回帰を進める。

     作業部会の審議まとめでも、紙の一覧性などアナログの利点に言及。デジタル教科書の使用に際しては、教科の特性や児童生徒の発達段階に応じた検討が重要だとして、活用が期待される学年や教科などについて一定の指針を示すよう求めた。

     群馬大の柴田博仁教授(認知科学)は、デジタルと紙を巡り「理想的な使い分けの議論をもっと慎重にすべきで、実証実験も必要だ」と指摘。ハイブリッド型の使用を想定し「同じ教科でも目的によって使い分け、例えば英語の授業でも発音であればデジタル、相手の表情を見るコミュニケーションを重視するなら紙というような工夫が求められる」と述べた。


    デジタル化することが進歩であるかのような考え方からの脱却が一番。探求学習での効果は大きいとおもえるが、いわゆる3R’sについてはデジタル化する意味があるのだろうかとの疑問の声は絶えない。


    9月24日 【深層表層】 ガザ侵攻 世界がノー

     世界の指導者が国連本部に集まり、パレスチナ自治区ガザで地上侵攻を続けるイスラエルに「ノー」を突き付けた。孤立を深めるイスラエルは米国を後ろ盾に先鋭化。国際法違反となるヨルダン川西岸の入植地拡大で対抗する構えで、西岸の一部併合に踏み切る懸念も浮上する。欧州主要国の強い意思表示とは裏腹に、パレスチナ和平はより困難になりつつある。

     「時が来た」。フランスのマークロン大統領が22日、パレスチナ国家承認を宣言すると、国運の総会議場は高揚感に包まれた。ここ数力月、各国に承認を呼びかけていた。パレスチナのマンスール国連大使は感極まった表情を浮かべた。

     国連が長年目指してきたパレスチナとイスラエルの「2国家共存」による問題の解決は壊滅寸前。フランスとして「影響力」(大統領府筋)を発揮し、議論を活性化させたい狙いがある。

     親イスラエルの米国の意向に反し、国家承認にかじを切った。英国も21日に承認を発表。象徴的な意味合いが強いが、英BBC放送は、国連安全保障理事会の常任理事国の一角の決断は「重い」と伝えた。

     「国家承認する国々の指導者にメッセージがある。それは実現しない。(西岸に)パレスチナ国家が存在することはない。われわれは西岸にユダヤ人入植地を倍増させる道を歩む」。イスラエルのネタニヤフ首相は21日、対抗措置を宣言した。

     パレスチナ側は、東エルサレムを首都とし西岸とガザを領土とする国家樹立を目標とする。イスラエルは西岸の「EI」と呼ばれる計画予定地で入植を進める構えで、この入植地ができればパレスチナ国家樹立にとって致命的打撃となりかねない。

     イスラエルが西岸の一部併合を検討しているとの報道もある。ネタニヤフ氏は国連総会に合わせ9月下旬にもトランプ米大統領と会談する予定。入植地拡大や併合を巡り協議する可能性がある。

     エジプト日本科学技術大のサイド・サデク教授は、ネタニヤフ氏が「2国家共存の終焉とパレスチナ国家樹立の可能性の消滅を望んでいる」と指摘。各国の国家承認を口実に入植地拡大や併合を進めるだろうと見通す。

     イスラエルが併合に踏み切れば、米国とアラブ諸国の関係にも波及しそうだ。イスラエルメディアによると、サウジアラビアは「併合はあらゆるレベルで大きな影響を及ぼす」と警戒を強めた。アラブ首長国連邦(UAE)は第1次トランプ政権の仲介で2020年、イスラエルと国交正常化したが、断交の観測が浮上してい る。

     シンクタンク「国際危機グループ」のマックス・ローデンベック氏は「国家承認は具体的な措置を伴わない限り、現実から目をそらせる危険性がある」と語る。むしろ2国家共存が遠のいている現実を直視すべきだと指摘した。(ニューヨーク共同) 


    岩屋外相日本の承認「いつするかの問題」

    【ニューヨーク共同】岩屋毅外相は22日、米ニューヨークの国連本部でパレスチナ問題の解決に向けた国際会議に出席し演説した。日本政府がパレスチナの国家承認を見送ったことについて「するか否かではなく、いつするかの問題だ」と述べ、理解を求めた。

     英仏、カナダの先進7力国(G7)を含む国連加盟国(193力国)の8割以上が承認する中、日本に「米国寄りだ」と厳しい視線が注がれた。

     岩屋氏はパレスチナ国家樹立によるイスラエルとの「2国家共存」を支持する姿勢を強調。イスラエルがその実現への道を閉ざす場合は「新たな対応を取る」と語った。国家承認や、イスラエルへの制裁が念頭にある。 。

     岩屋氏は、パレスチナ自治区ガザの人道危機やヨルダン川西岸でのユダヤ人入植地の拡大を巡りイスラエルを非難。イスラム組織ハマスにはガザで拘束する人質全員の解放と武装解除を求めた。

     これまで国家承認に慎重だった英仏などは、ガザの人道状況の悪化や死者数増加に危機感を募らせて方針を転換した。日本はイスラエルを擁護するトランプ米政権に配慮し、米国以外のG7でも対応が割れた。

     日本政府関係者は「国際社会で取り残されることもマイナスで、正解はない」と難しい判断だと吐露した。 


    石破首相ガザ侵攻非難へ

    【ニューヨーク共同】石破茂首相は23日(日本時間24日)、米ニューヨークで国連総会の一般討論演説に臨む。先の大戦後、日本はアジア諸国の「寛容の精神」に支えられ、世界平和に尽力してきたと強調。連帯と寛容の重要性を訴える。イスラエルによるパレスチナ自治区ガザヘの地上侵攻を非難。日本政府が見送ったパレスチナの国家承認を巡り、イスラエルが「2国家解決」への道を閉ざすなら、新たな対応を取るとけん制する。国連安全保障理事会の常任理事国ロシアによるウクライナ侵攻に触れて安保理の機能不全を指摘し、改革の必要性を主張する。中国やロシアを念頭に、健全で強靭な民主主義を守る必要があると呼びかける。


    首相戦後80年見解 来月で調整

     石破茂首相は戦後80年に当たり検討を続けてきた先の大戦を巡る見解について、10月4日の自民党総裁選終了後の同月中に表明する方向で調整に入った。総裁選の論戦への影響を避け、退任目前のタイミングとする。歴代内閣の歴史認識を踏襲した上で、開戦を防げなかった要因に焦点を当てる見通しだ。関係者が23日、明らかにした。

     首相は米ニューヨークで23日(日本時間24日)、国連総会の一般討論演説に臨み「寛容の精神」を訴える。政府関係者は「80年見解に前触れとして結びつく内容だ」と解説する。

     昨年10月の就任以来、首相は「なぜあの戦争に突っ込んでいったのか。もう一度、歴史に謙虚に学びたい」と主張。戦前に軍部が暴走した経緯を踏まえ「文民統制はいかにあるべきか、問題意識を持っている」などと述べていた。

     今年7月の参院選大敗後も、見解表明に強い意欲を維持。8月15日の終戦の日や、日本が降伏文書に調印した9月2日の表明は見送った上で、時機を探ってきた。

     8月15日の全国戦没者追悼式では「進む道を二度と間違えない。あの戦争の反省と教訓を、今改めて深く胸に刻まねばならない」と強調した。

     自民保守派は2015年に当時の安倍晋三首相が発表した戦後70年談話で「謝罪外交」に区切りがついたとして、閣議決定する首相談話だけでなく、閣議決定しない見解表明も見送るよう要求。一方、公明党は「重い節目の80年に何ら違和感はない」(斉藤鉄夫代表)と首相に賛同している。


    日本政府が「正解はない」としてパレスチナの国家承認を見送ったが、「いつするかの問題」としたことは一定の前進だといえる。しかし、承認問題を先送りしたのを国際社会から「米国寄りだ」と非難されるのは当然だと言わねばならない。承認が解決に結びつく保障はないとする考え方もあるが、イスラエルの後ろ盾としてあるアメリカへの圧力も必要である。何もしないことは解決の道を一層閉ざすことになる。石破首相の戦後80年についての見解でも単に軍部を批判するだけではなく政治がそれを止められなかったこと(国民を煽ったこと)に言及すべきであろう。そして、できれば、今後の政府にたいする足かせとなるようなものとすることを期待する。


    9月24日 韓国 旧統一教会 韓総裁を逮捕

    【ソウル共同】韓国の特別検察官は23日、便宜を図ってもらう目的で尹錫悦(ユンソニョル)前政権側に金品を提供したとして、政治資金法違反などの疑いで世界平和統一家庭連合(旧統一教会)の総裁、韓鶴子(ハンハクジャ)容疑者(82)を逮捕した。ソウル中央地裁が同日、証拠隠滅の恐れがあるとして逮捕状を発付した。韓容疑者は容疑を否認している。特別検察官は教団による政界工作疑惑の全容解明を目指す。韓国メディアが報じた。

     教団を巡っては、日本で高額献金が社会問題化したほか、自民党との不明朗な関係も明らかになっている。日本の全国統一教会被害対策弁護団は、組織実態や違法行為などの徹底解明に期待するとの声明を出した。

     報道によると、韓容疑者は2022年4〜7月、元教団幹部らと共謀し、尹前大統領の妻金建希(キムゴンヒ)被告=あっせん収財罪などで起訴=に高額のネックレスなどを贈った疑いが持たれている。

     同年1月には尹氏の側近で、尹前政権時に与党だった保守系政党「国民の力」の国会議員、権性東(クォンソンドン)容疑者=政治資金法違反容疑で逮捕=に1億ウオン(約1060万円)を渡し、教団への政府の支援を依頼した疑いもある。

     韓容疑者は22日、逮捕状を発付するかどうかを判断する地裁の審査で「韓国の政治に関心はない」などと述べ、容疑を否認したという。特別検察官は今後、取り調べを本格化させ、起訴の可否を判断する。

     教団は23日、逮捕を受け「裁判所の判断を謙虚に受け入れる。今後の捜査や裁判手続きに誠実に取り組み、教団への信頼を回復できるよう最善を尽くす」とのコメントを出した。


    【インサイド】多額献金の流れ「捜査を」

     世界平和統一家庭連合(旧統一教会)は長年、日本からの多額の献金に支えられてきた。韓国の前政権を巡る疑惑に絡み、教団トップの韓鶴子総裁が23日、特別検察官に逮捕され、日本国内の信者にも動揺が広がりそうだ。一方、献金の流れなどが捜査で解明されることに期待する声もある。

     2022年の安倍晋三元首相銃撃事件で、逮捕された山上徹也被告(45)は母親が多額の献金をした教団に恨みがあり「(教団を韓国から)招き入れたのは岸信介元首相。だから(孫の)安倍氏を殺した」と供述した。その後、教団と自民党との接点が次々と明らかになり、高額献金などが改めて社会問題化した。

     政府は23年、教団への解散命令を請求し、東京地裁が今年3月に解散を命じた。教団は不服として即時抗告し、東京高裁で審理が続いている。

     日本の信者らの献金はこれまで、韓国の教団本部に送金され、全世界の教団活動に使われてきた。全国霊感商法対策弁護士連絡会(全国弁連)は、日本からの送金額は年間数百億円に上ると指摘。教団は銃撃事件後、韓国への送金停止を発表したが、信者個人が韓国を訪れて献金する行為は続いている。

     日本教団関係者は韓国本部への捜査について「日本教団が抱える課題とは別。私たちとしては解散命令への対応が重要だ」と強調しながらも、「日本国内の信者への精神的な影響は極めて大きいだろう」との見方を示す。

     信者の両親の間に生まれた30代の田中悟さん(仮名)は「日本からの献金が韓国で政治買収のために使われていたとしても驚きはない。どう使われてきたのか、捜査で明らかにしてほしい」と望む。教団2世で元信者の30代女性は「日本だけでなく韓国でも、教団は政治家に近づいて権威付けに利用しようとしていたのだろう」とあきれた様子だった。

     全国弁連は23日に出した声明で、今回の捜査は「政治家に不当な手段で影響力を行使しようとしていた実態を解明しようとするものだ」と指摘。日本でも同様の構図があるとして、第三者機関による調査を求めた。


    自民党の総裁選では各候補が夫婦別姓については口を閉ざしている様子。家庭の在り方などについて地方自治体での条例つくりに奔走したのは旧安部派の議員が中心だったようだ。そして、国会では文教族を中心とした森派、なかでも萩生田元文科相は旧統一教会と関係が深い。いまでもそれらへの関係は明らかになっていない。自民党新執行部のまずしなければならない課題でもあるだろう。


    9月24日 京都市 「B型(事業所)」総量規制へ

     京都市は11月から、市内で事業所数が急増している就労継続支援B型事業所について、行政区など圈域単位での「総量規制」に乗り出す。現状では、利用者に対し供給過多となっているといい、今後、圏域ごとに市が必要と判断するまで新規指定を行わず、事業所数を抑制する。一方、供給量が不足している生活介護事業所など他の福祉サービスの拡大を促していく。

     B型事業所は、障害者総合支援法に基づいた福祉サービスで、障害や難病で一般就労が困難な人を対象としている。雇用契約を結ぶA型とは異なり、最低賃金が適用されず利用者の報酬は低い。市内では近年、別業種などからの新規参入が急増しており、2023年で199だった事業所が、今年は249(いずれも4月1日時点)まで拡大。市は「なぜ急増したのか理由は分からない」とするが、事業所の定員数と利用日数から算出した供給量は、本年度は必要量を2割弱上回っている。利用見込みは今後増えていくものの、29年度でも市全体ではまだ供給量が上回るという。

     供給増は利用者の社会参加を助ける一方、経験が浅い事業者では、利用者に応じた作業内容の割り振りや作業のサポートが行き届いていないなど、質の低下が課題となっているという。

     総量規制では、前年度の4月1日時点の供給量が必要見込み量を上回った場合、新規の事業者指定と既存事業所の定員増などを規制する。市内を北部(北区、左京区)、中部(上京区、中京区、下京区、南区)、東部(東山区、山科区、醍醐支所)、西部(右京区、西京区、洛西支所)、南部(伏見区、深草支所)の5圏域に分け、市が毎年度調整する。現状は全圏域で供給過多で、特に西部で余剰が多い。28年度以降、中部で不足が生じる見込み。

     供給不足が見込まれれば、圏域ごとに市が年に1回公募を実施する。今後定める選定基準では、市内で供給が不足している生活介護事業所の併設事業所を優先することや、質の高い支援を提供する事業者を評価する内容を検討していく。

     公募とは別に、国の報酬改定や最低賃金引き上げの影響で経営が悪化しA型からB型へ転換するケースは利用者の行き場がなくなることを防ぐため、一定条件 を付け認める方針。

     B型事業所の総量規制に伴い、市は新規指定に関する事前相談を10月末で締め切る。


    かつて「新しい公共」という官民協力の体制が模索されたが、それが官の領域への民間参入が新自由主義的な形で広がってきた。とりわけ福祉と教育の分野際立っているように思える。A型からB型への転換は事業主体がまず利益を優先さた結果だと言えるだろう。行政はそれをきちんと監視する役割をはたさなければならない。


    9月23日 自民党総裁選 4氏、外国人規制強化主張

     自民党総裁選立候補者による22日の所見発表演説会では、5氏のうち4氏が外国人政策を取り上げた。急増するインバウンド(訪日客)対応、出入国管理や取 り締まりの厳格化、外国人や外国資本による不動産取得の規制強化などを主張した。7月の参院選では「日本人ファースト」を掲げた参政党などに自民支持層の一部が流れたとされ、保守層を意識したとみられる。

     「奈良のシカを蹴り上げる人がいる」。高市早苗前経済安全保障担当相は、演説会の持ち時間15分のうち、3分の1に当たる5分以上を外国人政策に充て、「日本人の気持ちを踏みにじって喜ぶ人が外国から来るなら、何かしなければならない。古来の伝統を守るために体を張る」と強調。「私たちと文化があまりにも違う人たちを入れる政策はいったん考え直さないといけない」とも言及した。

     小林鷹之元経済安保相は「ルールを守らない一部の外国人によって国民の不安が高まっている」と指摘。出入国管理の厳格化のほか、安全保障上重要な土地を含む不動産取得の規制を強化する必要があると語った。

     「『違法外国人ゼロ』を目指す」と訴えたのは茂木敏充前幹事長。「ルールが守れない外国人には厳しい対応を取る」と明言した。不動産取得は一元管理した上で対処する考えを示した。

     小泉進次郎農相は外国人問題に関する司令塔機能を強化すると表明。「不安に向き合い、一つずつ問題を解決していく」と述べた。林芳正宣房長官は、外国人政策を直接、取り上げなかった。


    参政党躍進の影響がもろに出たものでもあった。アメリカでは、チャーリー・カーク氏暗殺を機にリベラル勢力の掃討になりだすような勢いで「アメリカン・ファースト」が席巻している。自民党はそうした政治姿勢を容認する候補者の乱立模様。自民党の凋落ぶりを象徴するような会見だった。


    9月23日 豊明市会 スマホ2時間条例成立

     仕事や勉強時以外の自由時間でスマートフォンやゲーム機などの使用を1日2時間以内を目安とするよう住民に促す条例が22日、愛知県豊明市議会で賛成多数により可決、成立した。10月1日施行。スマホなどの過剰使用防止を目的とし、小学生以下の使用は午後9時まで、中学生以上18歳未満は午後10時までとすることも求めている。罰則はない。市によると、全住民を対象に使用時間の目安を示した条例の制定は全国初という。

     スマホ利用の在り方に一石を投じた形だが、市民などから「なぜ役所が決めるのか」といった批判が相次いでいる。小浮正典市長は条例成立後、記者団に「一律2時間、ではなく目安。睡眠時間を十分確保して使つてほしい」と強調。施行後、睡眠時間の変化や家庭内のルール作りに関し定期的に住民アンケートを実施する考えも示した。

     条例はスマホなどを生活必需品と認める一方、動画視聴などによる過度な使用は睡眠時間の減少など健康面に加え、家族の会話が短くなるといった生活面に影響を及ぼすと指摘。子どもにとって「十分な睡眠時間の確保は心身の成長に不可欠」としている。

     市内の学校に通う市外在住の子どもも対象で、保護者に対し家庭でのルール作りを要請。市は過剰使用者やその家族に対する相談や支援の体制を整備するとした。

     市議会は、施行後に効果や市民の反応を定期的に検証し、必要に応じて条例を見直すことなどを市に求める付帯決議も可決した。

     小浮市長はこれまでの取材に、睡眠時間に関する厚生労働省の指針などを参考に、余暇に充てられる平日の時間を2時間程度と算出し、スマホをそれ以上使えば睡眠不足になるとして使用時間の目安を設けたと説明している。

     市議会では採決に先立つ討論で、スマホの使用実態が十分に調査されておらず「根拠が立証されていない」と疑問視する意見も出た。一方で「条例があることで使い方を意識するようになる」と理解を示す声があった。


    【インサイド】「自由制限」行政関与を疑問視

     自由時間のスマートフォン使用の目安を1日2時間以内とするよう全市民に求める条例が22日、愛知県豊明市議会で可決、成立した。長時間利用是正につながると歓迎の声が出るが、「自由が制限される」として行政の関与を疑問視する意見も。心身への影響の大きさから、子どものデジタルメディア使用の在り方を巡り国内外で模索が続いている。

     「市内外から大きな反発の意見をいただいた。今後丁寧にに市民に説明していきたい」「22日の本会議での条例成立を受け、小浮正典市長は記者団にこう述べた。

     条例案公表は8月。反響は大きく、今月19日時点で市役所に届いたメールや電話などは約300件に上った。「子どもの使用を考えるきっかけになる」など賛同の一方で、「自由が制限されるのではないか」「憲法違反だ」との反対意見も多く寄せられた。22日の市議会本会議は賛成12人、反対7人と賛否が割れた。

     条例は、スマホの過剰使用が「子どもの健全な育成を阻害してしまう恐れがある」とし、小学生以下は午後9時以降の使用を控えるよう求めるなどと規定している。

     スマホが脳に及ぼす影響を研究する東北大の榊浩平助教は、長時間の使用は行動を制御する働きを持つ脳の前頭前野の働きを低下させると指摘。「9〜18歳ごろの過剰使用は将来的な影響が大きい」と話し、制定の趣旨に理解を示す。

     使用に関するルール作りを家庭に委ねたことも「家庭で自ら決め、子どもにも自主性が生まれる」と評価。長いスパンで条例制定の効果を確認する必要があるとした。

     ただ2時間という目安への疑問は根強い。睡眠時間に関する厚生労働省の指針などを踏まえたと小浮氏は説明したが、デジタル機器の依存症に詳しい多摩大の井出草平客員教授は「根拠が薄弱」と批判する。

     デジタル機器の画面を閲覧する時間が減っても、睡眠時間の増加はわずかとする海外の調査結果も出ていると説明。重度の依存であれば、発達障害や精神疾患が考えられ「発見と治療につながる根本的な支援の方が必要だ」と訴える。

     子どもによるデジタルメディアの過剰使用対策は他の自治体でも進められている。先駆けとなった香川県では20年、子どものゲームの利用時間を、平日は1日60分とするなどの目安を設けた条例が施行された。

     宮城県東松島市は22年、小中学生同士で意見交換するイベントを開催。平日のスマホなどの使用を小学生は1時間などと定めた「東松島ゴール 」を決めた。実際に使用時間に変化があったかどうかなどは不明だが、市担当者は「子どもたちの自主性が育っている」と強調する。

     海外では、オーストラリアで24年12月、16歳未満の交流サイト(SNS)利用を禁止する法律が成立している。


    スマホの長時間使用が健康にどれくらい影響するのかはよく分からないけれども、単にエビデンスに基づく議論かそうでないかにかかわらずスマホの長時間使用は好ましくないとは思う。しかし、それを条例で規制することには違和感がある。とりわけ条例の「施行後に効果や市民の反応を定期的に検証」するという付帯決議は問題ではないか。改めて『茶色の朝』を見るまでもなく、はじめは「2時間」からはじまるとすれば…。


    9月20日  地方の教員確保 苦戦続く

     地方の自治体が教員確保で苦戦を続けている。民間企業との人材獲得競争を受けて、採用試験を前倒しし都市部にも試験会場を設置。受験者数は増えたものの、多いところでは辞退者が7割を超える。他地域との併願が増えて「模試」化しているのが実情だ。自前での養成に回帰する自治体もある。

     鳥取県の公立高校に勤務する40代の男性教諭は、教員のなり手不足を実感している。新たに入る若手が少なく、職場は高齢化。周囲はタブレットをはじめ電子機器導入に四苦八苦する。部活動の顧問のように体力的に厳しい場面も増えており「若い人が入ってこないと大変だ」とつぶやく。

     文部科学省によると、都道府県や政令指定都市が2023年度に実施した公立学校の24年度教員採用試験で、倍率は小学校の2・2倍をはじめ、小中高校でいずれも過去最低を記録した。民間に比べて試験日程が遅いのが要因とみられている。

     若年層を中心に人口流出が続く地方は試験日程の前倒しを進める。20年度試験から6月実施を始めた鳥取では、小学校の24年度試験で受験者557人に対し、採用は74人。倍率は7・5倍で、11・0倍の中学と共に全国最高となった。

     鳥取県内の大学には教育学部がなく「県外受験者に頼らざるを得ない状況で、受験をしやすくする」(県教育委員会)狙いは奏功した。一方で県教委によると、採用者数は小中高いずれも、実際に求める予定者数には届かない状況が数年続いている。24年度試験では、小学校教員に合格した203人のうち129人が辞退した。

     25年度試験の日程を6月1日に設定した高知県でも、小学校の合格者280人中、辞退者は208人で7割を超えた。ここ数年、割合は同程度で推移しているという。

     両県は大阪府にも試験会場を設けて受験者増加につなげた。こうした「配慮」が力試しでの受験と辞退者続出を招いているとみられ、鳥取県教委の担当者は「大阪会場は鳥取と縁もゆかりもない受験者が多く、辞退者も特に多い」と嘆く。事態を打開しようと、鳥取県は鳥取大に教員養成機能の強化を要請する。04年の学部再編で、機能の大半は島根大に一本化。教員免許の取得課程は残るものの、県内で教員として働く卒業生は減っている。

     要請を踏まえ、鳥取大は27年度から教員免許取得のコース名に「教育」を復活させ「教育科学コース」と改める。平井伸治知事は「第一歩だが、全てではない」とさらなる変革を求める構えだ。


    明治大・伊藤直樹教授教員養成の学部充実を

     試験の前倒しによって受験者は増えるかもしれないが、教員不足解消への効果は薄い。教職へのブラックなイメージが先行し、民間企業に流れる学生が増えてしまっている。ゆかりのない地方で教職に就く学生は珍しい。長期的な視点に立ち、県内の大学で教員養成の学部を充実させる必要がある。


    小手先の受験環境を変更してもさほどの効果はない模様。やはり基本は魅力ある職場をどう構築するかだろう。地方に責任を押し付ける文科省の責任は大きい。


    9月20日 中教審 教育課程を編成を柔軟化

     中教審の特別部会は19日、次期学習指導要領に向けた基本方針をまとめた。多様な個性や背景を持つ子どもたちが増えていることを踏まえ、学校現場の裁量で各教科の授業時間数(こま数)を一定範囲で増減できるようにする新制度を設けるなど「教育課程の柔軟化」が柱。デジタル化が加速する中、情報活用能力の抜本的な向上を図る方針も示した。

     中教審は今後、各教科の作業部会で具体的内容の議論を進め、2026年度中に文部科学相への答申をまとめる。次期指導要領の全面実施は30年度から順次始 まる見込み。

     現在は学校教育法施行規則で、各学年・教科で年間の標準授業時間数が定められている。基本方針では、年間の総時間数は維持した上で、小中学校が柔軟にカ リキュラムを編成する「調整授業時間数制度」を創設するとした。

     新制度により、ある教科の時間数を減らして別の教科に上乗せしたり、子どもの特性に応じた学習支援や教員の研修などに充てたりできるようにする。増減できるこま数の上限や対象となる教科などを、今後の作業部会で検討する。文科省は円滑な導入につなげるため、来年度から一部学校を対象に同制度を試験導入する。

     また不登校の児童生徒に対し、学校と教育支援センターが連携して個別の指導計画を作成できるようにする。日本語指導が必要な児童生徒には、デジタル技術の活用などで教育の質を高める。

     情報活用能力に関しては小中高を通じた育成体系が明確になっておらず、小学校では探究学習が中心の「総合的な学習の時間」で「情報の領域(仮称)」を扱い、中学校では従来の技術・家庭科を分離して技術分野を「情報・技術科(仮称)」に改編するとした。技術革新がもたらす負の側面への対応も必要だとして、メディアリテラシーの育成にも力を入れる。


    来年度から一部で先行実施

     文部科学省は19日の中教審特別部会で、次期学習指導要領の基本方針に盛り込まれた、各教科の授業時間数(こま数)を一定範囲で増減できる「調整授業時間 数制度」を、来年度から一部の小中学校で試験的に実施する方針を示した。都道府県や政令指定都市ごとに希望する学校を募る。

     事業の名称は「教育課程柔軟化サキドリ研究校」。次期学習指導要領は203O年度から順次始まる見込みで、先行事例を蓄積して円滑な導入につなげる。対 象は全国で300校程度を想定。対象校では、教科ごとに10%程度を上限に減らすことができ、別の教科に上乗せしたり、新設の教科に使ったりすることが可能なる。教員の研究などの「裁量的な時間」に充てることもできる。


    【インサイド】不登校児・生徒に個別学習計画

     中教審特別部会が19日にまとめた次期学習指導要領の基本方針には、不登校の児童生徒それぞれに合わせた学習指導計画を策定し、柔軟に評価できるようにすることが盛り込まれた。教室で学ぶことが困難な子の努力が評価されやすくなると歓迎の声が上がる一方、過度な負担とならないように配慮すべきだとの指摘もある。

     不登校の児童生徒が過ごす「居場所」として、各自治体が学校内外に整備を進める「教育支援センター」。小中学生60人ほどが通う大阪府大東市の「ボイス」では5月中旬の平日、児童らがオンライングームをしたりスタッフと一緒に学校の課題に取り組んだ力と、思い思いに過ごしていた。

     通信高校2年の女子生徒(16)は小学校から不登校となり、中学時代にボイスに通った。学習が遅れ進路の不安も重なって学校に行きづらくなった経験から、個別の学習計画やそれに基づく評価の導入を「取り戻そうと頑張った姿を見てもらえるのは救われる」と前向きにとらえる。

     基本方針では、学校を年間30日以上欠席し、教育支援センターに通う児童生徒側から希望があれば、センターの指導員や学校の担任らが連携して個別の学習指導計画を作成。柔軟な評価も取り入れ、高校入試への活用も検討する。

     これまでは、例えば6年生が学習の遅れを取り戻そうと5年の内容を学び直しても、6年の教育課程で評価され努力が反映されにくかった。文部科学省の担当者は「センターは居場所の役割をある程度担えるようになった。今後は学びに向かう子を後押しする体制を整えたい」とする。

     ただ、センターのような場所にも学習評価が持ち込まれることによって、教室復帰への焦りにつながるのではとの懸念もある。「ボイス」スタッフの富岡久美江さん(67)は「笑っていてもしんどさを抱えていたり、遊んでいるように見えてもそれが精いっぱいだったりする。充電することを大事にしてあげたい」と話す。

     立命館大の春日井敏之名誉教授(臨床教育学)は「不登校の子どもは多様であり、学習に向かえる状況ではない人も多い。学習への復帰が最大のゴールであるかのように追い立てられないよう、配慮する必要がある」と話している。 


    中教審が目指そうとするところは一定理解できるが、それをこなさなければならいない現場の事情はどうなのだろうか。教育課程は学校が編成することに建前上はなっているが実情は違う。教員の質と定数を上乗せがまず第1義的に考えられなくてはならないが、これまでも理念だけが先行し物理的な裏打ちがなされていない。結局現場が疲弊するだけに終わりはしないかと懸念する。


    9月20日 防衛省有識者会議 原潜念頭に「次世代動力」

     防衛省が設置した防衛力の抜本的強化に関する有識者会議(座長・榊原定征元経団連会長)は19日、報告書を取りまとめ、中谷元・防衛相に提出した。報告書は、非戦闘目的の5類型の防衛装備品のみ輸出を認める現行ルールの緩和や、防衛力整備計画の柔軟な見直しを提言。潜水艦の長時間潜航に向け、原子力を念頭に、従来の例にとらわれることなく「次世代の動力」活用の検討を求めた。

     安全保障関連法成立から19日で10年となった節目に一層の防衛力強化を促す内容で、憲法の原則である「平和主義」を後退させる懸念がある。原子力潜水艦は原子力基本法が規定する「原子力の平和利用」との整合性も問われる。

     有識者会議は昨年2月に設置された。報告書を受け取った中谷氏は「抜本的強化を進めるに当たり大いに活用したい」と述べた。

     政府は現在、防衛装備移転三原則や運用指針に基づき「救難、輸送、。警戒、監視、掃海」に限り装備品の輸出を容認している。

     報告書は「国民の理解を得て移転の道を広げていくことが必要だ」と主張。他国から脅威を受けている友好国に対しては、殺傷能力のある武器を含め「制限を 設けないとする考え方も一案だ」と記載した。

     潜水艦を巡り「長射程ミサイルを搭載し、長距離、長期間の移動や潜航を可能にすることが望ましい」として、研究、技術開発をすべきだと強調した。

     2023〜27年度の防衛費総額を計約43兆円とする防衛力整備計画について、国際情勢や戦い方の変化の速さを踏まえ「対象期間や策定と見直しのサイクルの 在り方をより柔軟にする工夫も検討すべきだ」と指摘。前倒し改定の必要性を示唆した。

     27年度に防衛費を関連経費と合わせて国内総生産(GDP)比2%とする政府目標を「国家意志を示すものとして重要」と評価。防衛力強化に必要な対応を説明すべきだと訴え、増額に向けた議論を求めた。安定財源確保にも言及した。


    【インサイド】防衛費増なら国民負担必至

     防衛力の抜本的強化に関する有識者会議は、2023年度からの5年間で計約43兆円を投じるとした防衛力整備計画の柔軟な見直しを政府に提言した。防衛費のさらなる増額を促すのが狙いで、見直しに踏み切れば国民の負担増は必至だ。報告書では原子力潜水艦の保有も排除しない姿勢を示し、防衛装備品の輸出拡大も主張。地域の緊張を高める恐れがあり、慎重な対応が求められる。

     防衛力整備計画はミサイルや航空機、艦艇といった装備品の取得方針を定める。5年で約43兆円は、それ以前の計画の1・5倍超となる大幅増で、政府は22 年末に法人、所得、たばこ3税の増税による一部財源の確保を決めた。だが国民の反発を懸念し、所得税増税は先送りされたままだ。

     報告書では、継続的な財政支出には「安定財源の確保」が必要だと指摘した。現行計画の財源確保に苦労する中、さらなる増税は容易でない。

     潜水艦を巡り、報告書は「次世代の動力」として原子力を明示しなかったが、防衛省側は燃料電池などと共に原子力も排除されないとしている。

     原潜は通常、核を含むミサイルを搭載して隠密潜航させる目的で保有する。仮に日本が導入すれば、専守防衛の理念や「原子力の平和利用」を掲げる原子力基 本法との整合性が問われ、国内外からの反発が予想される。防衛省関係者は「他の動力も含め、何が最も潜水艦の運用に適切なのか検討する。まだ何も決まっていない」と話す。

     報告書は防衛装備品の輸出について「防衛力の抜本的強化と経済成長の好循環につながる」として推進を求め、輸出ルールの緩和を迫った。

     武器禁輸政策を転換した14年の「防衛装備移転三原則」決定以降、輸出は拡大の一途。国際紛争を助長するとの懸念がつきまとい、制限緩和には丁寧な議論が不 可欠だ。輸出拡大に前のめりな自民党に対し、公明党は慎重姿勢で、与党内の合意形成のハードルも高い。


    国防は金になる。そう言った印象をうける「有識者」会議の報告だ。「5年で約43兆円」という巨額の財源をどう捻出するのかが問題になっているようだが、生活の安定を訴える野党の多くは防衛費の問題を口にしない。ガソリン暫定税率廃止で年間約1兆5千億円が税収減となるそうだが、およそ桁が違ってはいないか。


    9月20日 岩屋外相 パレスチナ国家承認 見送り

     岩谷毅外相は19日の記者会見で、パレスチナの国家承認を見送る方針を表明した。承認によりイスラエルが態度を硬化させ、パレスチナ自治区ガザの情勢が悪 化することを懸念した。米ニューヨークの国連本部で22日に開かれるパレスチナ問題解決に向けた首脳級会議には、石破茂首相に代わって自らが参加し、こうした立場を説明する意向も示した。

     岩屋氏は「承認を求める声が大きくなっているが、何が実際の解決につながるのかを総合的に判断した」と強調。現時点での承認は、停戦や中東和平の実現への 影響は小さいとの見方を示した。日本政府はイスラエルとパレスチナが共存する「2国家解決」を支持している。岩屋氏は、事態がさらに悪化してパレスチナの国家樹立が困難となりかねない状況になった場合、パレスチナ承認やイスラエルへの制裁を検討する必要があるとの認識も示した。

     パレスチナに対しては「しっかりとした統治体制を構築する必要がある」と指摘。イスラム組織ハマスに人質解放や武装解除を求めた。米国とイスラエル、パレスチナとそれぞれ電話会談し、イスラエルには即時停戦を要求したことを明らかにした。イスラエル寄りの米国は、日本に承認しないよう要求。岩屋氏は会見で、不承認は対米追従ではないかと問われ「指摘は当たらない。わが国が主体的に判断した」と主張した。

     一方、世界では約150力国がパレスチナを国家承認している。フランスや英国、カナダなどはガザの人道危機の深刻化を受け、イスラエルに圧力をかけるた め国際会議に合わせて正式に承認する見通し。フランスは日本に承認を強く求め、英国も水面下で日本に期待感を伝えていた。日本国内では、超党派の「人道外交議員連盟」が11日、国家承認を求める要望書と衆参両院議員計206人分の署名を岩屋氏に提出していた。


    安保理米、ガザ停戦また拒否権

    【ニューヨーク共同】国連安全保障理事会(15力国)は18日、パレスチナ自治区ガザの停戦やイスラエルにガザヘの支援物資搬入の制限解除を求めた決議案を否決した。14力国が賛成したが、常任理事国の米国が拒否権を行使した。米国は6月にも同様の決議案の採決で拒否権を使った。ガザ中心都市の北部ガザ市制圧を目指し地上侵攻するイスラエルへの批判が高まる中、米国は擁護する姿勢を堅持し、国際社会との溝が鮮明になった。

     決議案は非常任理事国の10力国が主導した。採決前に米国の代表は「決議案はイスラム組織ハマスを非難せず、イスラエルの自衛権も認めていない。容認でき ない」と反対の理由を述べた。2023年10月のガザ戦闘開始以降、ガザを巡る決議案への米国の拒否権行使は修正案も含めて7回目。賛成した14力国は失望や遺憾の意を表明した。

     決議案はハマスが拘束する人質全員の即時解放も求めていた。取りまとめたデンマークの代表は「ガザで飢餓に苦しむ人や停戦を切望する人たちに対し、安保 理が背を向けていないという断固たるメッセージだ」と提出理由を述べた。ガザではイスラエルによる物資搬入制限で人道危機が深刻化している。

     イスラエルのダノン国連大使はX(旧ツイッター)に「拒否権行使にお礼を言いたい」と書き込み、米国代表と握手する動画を投稿した。

     ガザの人道危機の改善を求める国々は、国連総会一般討論に合わせ各国首脳らが来週ニューヨークの国連本部に集まる機会を捉え、米イスラエルへの批判を強 める構え。今回の安保理会合は通算1万回目の節目がつた。

     林芳正宣房長官は19日の記者会見で、決議案否決への見解を問われたが、評価を避けた。 


    23日に予定されている石破首相の国連演説を政府は「核軍縮・不拡散や地球規模課題に関する日本立場を表明する、有意義な機会だ」としている。なら、ガザでの非人道状況に対する日本の立場も問われるはず。「石破おろし」で退陣を強要された石破首相のできる「最後の一撃」は、戦後80年を機に後の政府の手足を縛る「談話」を「一般討論演説」で示すことしかない。


    9月19日 国連人権理事会 米軍基地PFAS「深刻」

     国連人権理事会に任命された特別報告者のマルコス・オレリヤーナ氏は18日までに、発がん性が指摘される有機フツ素化合物(PFAS)を巡り、米軍基地な ど軍事施設での汚染が「極めて深刻」とする報告書を公表し、沖縄の基地におけるPFASの検出例にも言及した。軍事活動に起因する有害物質によって悪影響を受ける人を保護するため、国際的な法的枠組みの強化などを各国に勧告した。

     特別報告者は国連総会などに報告するため、独立した個人の資格で調査を行う。オレリヤーナ氏は昨年い11月、沖縄県の招きで県内を訪問し、普天間飛行場(同県宜野湾市)や、移設先である同県名護市の辺野古を付近から視察していた。

     報告書は、沖縄県で「深刻な水質汚染問題が発生している」とした上で、嘉手納基地(同県嘉手納町など)内で高濃度のPFASの検出が報告されたことを紹介。地元の人々に利用されてきた普天聞付近の湧き水で、国指定重要文化財の喜友名泉(ちゃんなーがー)は「飲用として使用できない」と指摘した。

     報告書は、軍事活動が海洋生態系を含む環境に及ぼす影響も検証している。普天間の辺野古移設に言及し「新たな米軍基地が辺野古大浦湾のサンゴ礁の上に建設されている」と紹介した。

     ロシアのウクライナ侵攻やパレスチナ自治区ガザでの戦闘で建物などが多数破壊され、アスベスト(石綿)などによる健康リスクをもたらしている点にも懸念を 示した。


    CO2の削減に反する空爆、砲撃を指摘するまでもなく、軍事行動が環境に及ぼす影響が極めて大きいことは今更言うまでもないことだろう。また、日本ではアスベストを含む建物の解体には大きな制約があるが、戦場となっている地域での曝露は数十年後の被害は間違いなくやってくる。そして、PFASも汚染源の確定も行われていない中での放出は未知の被害が予想される。戦闘の即時停止が何よりも環境保護に必要だ。


    9月19日 安保法制10年 日米、指揮系統の連携加速

     集団的自衛権行使を可能にした安全保障関連法は19日、成立から10年を迎えた。防衛省は今年3月、陸海空3自衛隊を一元的に指揮する「統合作戦司令部」を新設。米側はカウンターパートとして在日米軍司令部を「統合軍司令部」に再編成する方針で、指揮・統制の枠組みを含め日米の連携を加速させる。日本は他国のミサイル基地などを破壊する反撃能力(敵基地攻撃能力)に活用する長射程ミサイルの配備に着手した。中国やロシア、北朝鮮を念頭に抑止力強化を狙うが、東アジアの緊張が高まる可能性もある。

     林芳正官房長官は18日の記者会見で、安保関連法に基づく取り組みについて「地域と国際社会の平和と安全に一層積極的に貢献するものだ。日本の平和と安全の確保に資する」と述べた。

     安保関連法は、安倍政権下の2015年に成立。米国などが攻撃を受け、日本の存立が脅かされる「存立危機事態」での集団的自衛権行使を可能にした。平時から自衛隊が他国軍の艦艇や航空機を守る「武器等防護」もできるようになり、米国、オーストラリア、英国に実施した。

     安保関連法を土台に、岸田政権は22年、国家安全保障戦略、国家防衛戦略、防衛力整備計画の安保関連3文書を策定した。23年度からの5年間に計約43兆円を投じて防衛力強化を進めることも決定。22年度当初予算で約5兆4千億円だった防衛費は増え続け、25年度は約8兆7千億円に上った。

     統合作戦司令部は約240人態勢で東京・市谷の防衛省に発足した。司令官は米軍と運用や作戦面の調整を担当し、日米の共同対処能力を向上させる方針。ただ、有事の際、自衛隊は膨大な情報を持つ米軍の指揮に従わざるを得なくなるとの見方が強い。

     反撃能力保有は、安保関連3文書に明記された。

     防衛省は25年度末に、国産の長射程ミサイル「12式地対艦誘導弾能力向上型」の地上発射型を陸上自衛隊健軍駐屯地(熊本市)に配備。艦艇発射型と航空機発射型の運用開始は28年度以降から27年度に前倒しする。


    【表層深層】日本、米の負担肩代わり

     安全保障関連法の成立から10年が経過し、自衛隊と米軍の一体運用が着々と進む。日米両国は自衛隊の役割拡大による同盟強化を旗印に掲げるが、日本が米側から一部任務や負担の肩代わりを迫られる構図が続<。米国第一主義をうたうトランプ大統領の下、米国が内向き志向を一層強める中、同盟国への関わりには不安も残る。

     「日米同盟はかつてなく強固となり、抑止力、対処力が向上した。同志国との連携も進展している」。林芳正宣房長官は18日の記者会見で、安保法に基づく取 り組みの意義を強調した。

     安保法成立は、政府による国会提出から約4ヵ月後の2015年9月19日。一方、法案を先取りする形で、日米防衛協力の方向性を事実上決定付けていたのが、 15年4月に18年ぶりに改定された新たな「日米防衛協力指針(ガイドライン)」だった。

     新ガイドラインは、自衛隊と米軍の協力を地球規模に広げ、平時から緊急事態まで「切れ目のない対応」を明記。後方支援や米艦防護なども盛り込まれ「世界 の警察官ではない」と宣言した米国の意向が色濃く反映された内容だった。

     改定に合わせて訪米した安倍晋三首相(当時)は連邦議会で、安保法を夏に成立させると踏み込んだが、審議では憲法学者から違憲批判が続出。当初描いたス ケジュールは狂い、95日間という極めて異例の国会会期延長の末、「ぎりぎりのところ」(政府筋)で対米公約を果たした。

     安保法成立後、日本は軍事面の役割だけでなく、防衛費の膨張を余儀なくされている。17年1月に大統領に就任したトランプ氏が同盟国に「応分の負担」を求 める中、安倍政権は最新鋭ステルス戦闘機F35など米国製武器の大量購入を次々に決定。ディール(取引)重視のトランプ氏に日本の貢献をアピールし続けた。

     政府は23年度からの5年間で計約43兆円を投じ、27年度に防衛費と関連経費を合わせて国内総生産(GDP)比2%とする目標を掲げるが、今年に入り、GD P比3・5%案が第2次トランプ政権から水面下で提示された経緯がある。

     防衛省幹部は「3・5%はこれまでと次元が異なる額だ」と困惑した表情を浮かべる。

     最近のトランプ政権の同盟国軽視とも取れる姿勢は、安保を頼る日本にとって「不安要素の一つ」(外交筋)になっている。

     7月に公表された25年版防衛白書は、24年版と比べ米国の安保政策についての詳述が控えられ、トランプ政権の施策を予見する難しさが表れていた。日本が日 米韓連携や日米豪印の協力枠組み「クアッド」の重要性をことあるごとに確認するのは、中国などに対する抑止に加え、米国の東アジア関与が揺らがないよう念押す側面もある。

     政府関係者は「米国の力の低下は予想されていたが、想定を上回るスピードだ。日本の防衛力強化と同志国との連携で補うしかない」と指摘する。 


    長谷部恭男・早大教授武力行使要件 不明確

     集団的自衛権行使容認した政府の憲法解釈変更は、個別的自衛権の行使のみが許されるとした1972年の政府見解と、論理的整合性を欠いている。安全保障関連法成立から10年を経ても、その状況に変わりはない。

     他国から武力攻撃を受け、その結果として日本国民の生命、自由および幸福追求にたいする権利が根底から覆されるという「存立危機事態」は、自民、公明両党の中でも具体的な解釈が異なる。

     どのような場合に武力行使が認められ、どのような場合に認められないのか、分からなくなってしまった。武力行使に至る要件は不明確で法的安定性も失われた。

     安保法の違憲訴訟で仙台高裁は2023年12月の判決で、憲法9条に明白に違反するとは言えないとの判断を示す一方、集団的自衛権行使は「武力行使の新3要件」を満たす場合に限られるとした。判決はそのような事態は起こりえないから、集団的自衛権の行使は不可能だと示唆している。政府がどう対応するか注目したい。


    森本良・元外務事務次官手続きの煩雑さ課題

     湾岸戦争で有事に日本ができる国際的貢献は金を出す以外にないのだと骨身に染みた。一歩、半歩とできることを増やしてきたが、日本が同盟国やパートナーのために本格的行動を取れるようになったのは安全保障関連法成立のおかげだ。ようやく底なしの無力感は脱せた。

     安保法成立時、米国で孤立主義が強くなる兆しが垣間見えた。何らかのきっかけで表面化するかもしれない、との危惧を外交当局は持っていた。トランプ米政権、特に第2次政権は想定を上回る激しい転換だ。

     トランプ大統領と安倍晋三元首相が良好な関係を築けたのは安倍氏の人間力が大きい。ただ、安保法を成立に導いた人物だとの高い評価が米側にあったこと が前提だ。

     安保法成立時より、日本を取り巻く安全保障環境ははるかに悪化している。中国の海軍力は、特にアジア海域で米軍を上回ったとの見方もある。軍事シミュレ ーションでは、手続きの煩雑さや曖昧さが課題になっている。現状に合わせ、法制を不断に整備する必要がある。


    安保法制が成立してからすでに10年が経過しているという実感はない。当時、国会周辺の抗議の声は全国的な関心を呼んだが、今では忘却してしまっていると言っていいのかもしれない。南西諸島でのミサイル配置やレーダー基地建設はますます北東アジアでの軍事的緊張を高める以外の何物でもないだろう。ヨーロッパ諸国がトランプ政権追従の姿勢を変更しつつあるなか、日本も一定の距離を保つことの方がより高い安全保障環境を築く道ではないか。


    9月18日 釧路市 メガソーラ規制条例成立

     北海道釧路市の全域で10キロワット以上の事業用太陽光発電施設の設置を許可制とする条例が17日、市議会で可決、成立した。釧路湿原国立公園の周辺などで相次ぐ開発に歯止めをかける目的で、来月1日に施行し、来年以降に着工する事業に適用される。

     資源エネルギー庁によると、市丙では10跡以上の太陽光発電施設が600件超(計11万キロワット超)稼働。湿原に生息する希少な野生生物への悪影響を懸念する声が高まっている。鶴間秀典市長は条例成立後、記者団に「自然や希少生物を守りたい。条例だけでは難しく、(国による)法整備も要望を続ける」と話した。

     条例は、事業者に市との事前協議を必須とし、命令に従わない場合などに事業者名を公表するとした。国の特別天然記念物タンチョウや天然記念物オジロワシ など、希少な野生生物計5種が生息している可能性が高い区域内の事業では、市が選定した専門家の意見に基づく生息調査や保全計画の作成を義務付ける。施設の廃棄費用も積み立てさせる。

     施設の設置が急拡大する中、市は2023年、着工前の届け出を求めたガイドラインを策定。今年6月には「ノーモアメガソラー宣言」を出した。国も対応を検討しており、今月1日には環境省幹部が市長を訪問して課題を聞き取った。

     交流サイト(SNS)などでも、開発の行き過ぎを懸念する著名人らの発言がたびたび話題となっている。


    【17日夕刊】再生エネ拡大に逆風

     政府が将来の主要電源と位置付ける再生可能エネルギーが逆風にさらされている。切り札とされた洋上風力発電は三菱商事がコスト増を理由に撤退、大規模太 陽光発電所(メガソラー)も環境影響を巡り各地で対立が起きている。再エネ拡大は地球温暖化対策にも不可欠で、官民ともに戦略見直しを迫られそうだ。

     「日本の脱炭素には貢献できなかった」。三菱商事の中西勝也社長は8月、秋田・千葉両県の3海域で進めてきた洋上風力発電事業の撤退を発表した。再エネ 拡大に向けた政府の肝いり案件で、2021年に同社が中部電力の子会社などと落札。風車計134基(計170万キロワット)を設置し、28年以降に順次運転を始める計画だった。だが22年の口シアによるウクライナ侵攻以降、インフレや円安などで建設費が想定の2倍以上に膨らんだ。

     洋上風力は陸上よりも安定して風を受けやすく、大型化で効率的に発電できるため、海に囲まれた日本とは相性が良いとされていた。政府は撤退に至った経緯を検証し、後継事業者を再公募して仕切り直す方針。事業者支援の拡充など具体策を年内にまとめる。

     メガソーラーを巡っては、環境破壊や景観悪化への懸念から摩擦が生じている。北海道は今月、釧路湿原国立公園周辺の建設工事について、森林法で定めた許可を得ずに進めたとして、森林区域での中止を事業者に勧告した。環境省の野生生物保護センター付近の民有地にパネル6600枚を設置する計画で、タンチョウやオジロワシなど希少生物の生態系への悪影響も危惧されていた。

     奈良県は1月、五條市の県有地で検討していたメガソ上フー建設を断念した。災害時の破損を不安視する声などを受け、規模が大幅に縮小された。仙台市も今 月、大規模な森林伐採を伴う事業の自粛を求める方針を策定するなど、けん制の動きも広がる。福島市では市街地から望める先達山の山肌が露出して住民の苦情が相次ぎ、市は23年に「ノーモアメガソーラー宣言」を発表している。

     2月に閣議決定したエネルギー基本計画は、再エネを最大電源と位置付ける。電源全体に占める割合を現在の2割程度から、40年度には4〜5割程度に拡大さ せる。同時決定した地球温暖化対策計画は、温室効果ガス削減目標を「35年度に13年度比60%減、40年度に同73%減」としている。

     だが前提とする再エネ拡大が想定通り実現しなければ温暖化対策計画も共倒れの恐れがある。帝国デー夕バンクによると、再エネ中心の発電事業者の倒産、休 廃業、解散の件数は、24年度は過去最多の52件。事業者の淘汰は今後も進む可能性がある。

     メガソラーに関し浅尾慶一郎環境相は今月12日の記者会見で「自然環境との調和を図るため、地域の実情に応じた仕組みが求められている」とし、関係省庁 と課題を共有し、対応を検討する考えを示した。環境団体「350.orgジャパン」の伊与田昌慶さんは 「世界の再エネ拡大の道筋は揺るがない。政府は目標を断念して逆行するのではなく、支援を強化すべきだ」と指摘している。


    政府のエネルギーに対する考え方に問題はないのだろうか。大規模発電で地方から都市へ電力を供給する体制を維持(原発の稼働も同じだが)することに固執する限り同様の問題は今後も起きる。野口健さんはメガソーラー拡大の懸念を「山や森を削ってまで必要か」と訴えているが、その通りだろう。。住民の参加が及ばないところでの議論は、「ハーディンの『コモンズの悲劇』」を思い出させる。


    9月18日 パレスチナ承認問題 日本政府、米との関係重視

     日本政府がパレスチナへの国家承認を見送る方向にかじを切った。既に退陣を表明した石破茂首相から踏み込んだ意思表明はな<、政治の停滞を印象付けた。中東の惨状は終わる兆しが見えず、目標とする「2国家解決」は遠い。

     日本政府が、パレスチナ国家承認を見送る方向で調整するのは、承認に反対する米国との関係を重視したためだ。米国はイスラエルの「後ろ盾」として、パレ スチナ自治区ガザの停戦交渉を仲介している。国家承認を通じてイスラエルに圧力をかけるよりも、米国と連携して停戦を後押しする方が現実的だとの判断がある。

     日本政府はフランスなどが国家承認の意向を表明した7月以降、外務省を中心に是非の検討を続けてきたが、一貫して承認に慎重な声が大勢を占めていた。

     国家承認はイスラエルに圧力をかける狙いがあったが、米国は「和平実現を後退させる」(ルビオ国務長官)などと反発。実際、イスラエルはヨルダン川西岸への入植を加速させるなど情勢はかえって悪化した。

     こうした状況を踏まえて、日本は承認が事態の好転につながる保証はないと分析。今後も米国と共同歩調を取りながら、独自にイスラエルに停戦を要求する方針だ。

     日米関係への影響も重要な判断要素になった。米国は7月以降、日本に対して複数の外交ルートで承認を見送るよう要請。日本も予測不能なトランプ大統領の 反感を買えば「どのような報復があるか分からない」と身構えた。

     石破茂首相の側近は承認を見送る理由に関し「パレスチナには申し訳ないが、日本外交の基軸は日米同盟だ」と語った。


    駐日パレスチナ代表「すぐにでも承認を」

     駐日パレスチナ常駐総代表部のワリード・シアム代表(大使)は17日、東京都内で共同通信の取材に応じ、日本政府がパレスチナの国家承認を当面見送る方 向で最終調整に入ったことを受け「すぐにでも承認すべきだ」と繰り返し訴えた。

     シアム氏はイスラエルが国際法を無視した攻撃を続けているとして「日本が承認をためらうことは法の支配を二の次にしているのと同じで、イスラエルによる 殺りくを許している」と強い口調で指摘した。

     シアム氏は国家承認が地域を安定させる条件だと説明。広島や長崎への原爆投下といった太平洋戦争の惨状から発展を成し遂げた経緯を念頭に「日本には国際 社会に平和を訴えられる特別な役割がある」と述べた。日本の市民に対しても「政府に国家承認を働きかけてほしい」とした。

     パレスチナ自治区ガザの中心都市、北部ガザ市では16日、イスラエル軍による制圧作戦が始まった。現地ではパレスチナ人が生活できないよう建物の破壊が繰 り返され、新生児も爆撃や飢餓で命を落としているといい、シアム氏は「沈黙している者は民族浄化の共犯者だ」と糾弾。「国際社会が黙っている間に墓が増え続ける。世界の良心が試されている」と投げかけた。


    日本政府の弱腰外交。「パレスチナには申し訳ないが、日本外交の基軸は日米同盟だ」とする石破首相の発言には落胆してしまう。自動車とパレスチナの人たちの命が天秤にかけられたと考えてしまう。混とんとするパレスチナ状況の中で私たち庶民にできることは署名sすることしかないのかもしれないが、せめてそれくらいはと思う。


    9月18日 高校授業料無償化 府教育長「公立離れ」危惧

     2026年度から私立高の授業料無償化の所得制限を撤廃する議論が国会で進んでいることについて、京都府の前川明範教育長17日の府議会代表質問で、「公立離れにつながる可能性があると危惧している」と危機感を示した。

     高校授業料に対する支援金は本年度に所得制限が撤廃され、公立を含めて一律年11万8800円の支給を開始した。26年度からは私立高加算分の所得制限も撤 廃し、支給上限額を年39万6千円から全国の私立の平均授業料である年45万7千円に引き上げる方向で議論が進んでいる。

     前川教育長は答弁で「多くの生徒にとって私立高への進学がより大きな選択肢となり、公立離れにつながる可能性がある」と述べた上で、「中学生から選ばれる府立高であるためには、より一層魅力化を進める必要がある」と強調。教育内容と施設・設備の両面で魅力向上を図る考えを示した。

     また、西脇隆俊知事は私立高の授業料無償化が国費により実現した場合、府が独自に支給している私立高生支援金のうち授業料に充てる約11億円分(24年度) が余剰となる可能性があることを明かした。ただ、余剰分の活用策については「(制度の)全体像が示されていない。財政需要の増減も含めさまざまな要素を考慮する」と述べるにとどめた。

     いずれも西條利洋議員(国民民主党・日本維新の会)への答弁。


    府議会で無償化の意義を宣伝するはずの質問に対して、教育長は「危惧」を表明した。維新としてはこれによる公立高の改革が前進するとの評価を得たいのだろう。しかし、京都府北部の公立高の現状は無償化によってますます「格差」を実感することになるだろう。即時的な都市型住民に依拠した維新の底の浅さをかえって明らかにしたとでもいえるか。


    9月17日 【インサイド】 首相 反対顧みず侵略強行

     イスラエルがパレスチナ自治区ガザの中心都市、ガザ市で地上侵攻を開始した。ネタニヤフ首相が軍幹部の反対も顧みず猛進する背景には、トランプ米政権の容 認を取り付けた自信があるもようだ。米側は長期化しないようくぎを剌すが、停戦交渉が窮地に陥る「重大局面」(ルビオ米国務長官)を迎えた。

     「合意に達する時間は非常に限られている。数力月はない。恐らく数日、せいぜい数週間だ」

     ルビオ氏は16日、イスラエルで記者団に、ガザ市制圧作戦に反対する姿勢を見せなかった一方「停戦交渉の時間がなくなっている」と危機感を示した。同時に「戦争よりも悪いのは、永遠に続くような長期化だ」とも訴え、作戦が長引かないようイスラエルに求めた。

     トランプ大統領はイスラエルが9日にハマス幹部を狙ってカタールを空爆したことに「不満」を表明。停戦交渉を進めて外交成果をアピールしたい思惑から、今回の地上侵攻も快く思つていないとみられる。だが「ハマス壊滅」(ネタニヤフ氏)に突き進むイスラエルのコントロールは難しい。一方で、親イスラエルの右派を支持層に抱えるトランプ氏に切り捨てる選択肢もない。

     ルビオ氏は15日、ネタニヤフ氏との共同記者会見で、両国の共同歩調を誇示。今回のイスラエル訪問で、ほころびを見せる場面はなかった。

     トランプ氏は15日、ホワイトハウスで記者団に、ハマスが地上侵攻に備えて人質を「人間の盾」として利用しようとしているとのニュースを読んだと語った。「イスラエルが進軍すれば人質は死ぬことになる。非常に恐ろしい」。批判はハマスだけに向けられた。

     イスラエル紙は、ネタニヤフ氏が地上侵攻開始を巡ってトランプ氏の説得に「成功したようだが、トランプ氏の忍耐にも限界がある」と指摘。作戦の短期終結どころか「制圧には1年かかる」(イスラエル軍のザミール参謀総長)との見方も。ハマスがガザ市で拘束している人質の命を危険にさらす上、張り巡らされた地下トンネル網もあり、作戦が短期で終わるとみる向きは少ない。

     イスラエルでは政権与党に加わる極右政党が、停戦すれば連立から離脱すると警告。ネタニヤフ氏が自身の政治的な延命策として戦闘を続けているとの認識が広がる。

     イスラエルは来週から10月初旬までユダヤ新年の休暇に入る。2年近く続く戦闘でイスラエル兵の士気が低下し、今週を逃すと作戦に当面着手しづらくなる事情もあった。

     「なぜ交渉団は世界を飛び回り、停戦合意を妥結しようとしないのか」。報道によるとザミール氏は14日、閣僚との会合で「軍事作戦ではなく停戦合意を進めるべきだ」と交渉膠着への不満をぶちまけた。(エルサレム、ワシントン共同)


    住民「どこいても死ぬ」

    【エルサレム共同】パレスチナ自治区ガザの中心都市、北部ガザ市でイスラエル軍が制圧作戦を開始した。既にがれきの山と化した街の至る所から攻撃に伴う煙が立ち上り、イスラエルとの境界を越えて一帯に爆発音が響き渡った。崩れ落ちた住宅から運び出される、ぐったりとした少女の遺体。「どこにいても、どうせ死ぬだけだ」。ガザ市内で避難生活を続ける住民からは、絶望の叫びが上がった。

     「おなかの子どものためにも避難したいが…」。市の海沿いに避難している妊娠8ヵ月のサナアさん(34)が電話取材に不安な思いを語った。食料は乏しく、身重の体に十分な栄養を取ることもできない。イスラエルが南部で指定した「人道地区」で攻撃を受けて殺された親戚もいる。「ガザ全域が死と破壊の地と化している」と行き場のなさを吐露した。


    15日付の報道では、岩屋外相はパレスチナの国家承認に対して「承認と言えば全てが解決するわけではない」と語り慎重姿勢を示したと、ある。核兵器禁止条約への不参加も加藤官房長官(2020年当時)は、「この条約は非核保有国からも、必ずしも支持を得ていません」と語った。前に進まない理由をあげるがいずれもアメリカの顔色をうかがうだけの外交ではないか。まず承認、あるいは参加が第1歩、そこからしか始まらない。


    9月14日 【社説】 朝夕の居場所 一層広げよう

     子育て世帯がぶつかる「小1の壁」が問題となって久しい。

     就学に伴い、子どもの朝夕の預け先探しが難しくなる問題で、親の働き方の制約や離職にもつながっている。安心して預けられる受け皿作りに向け、行政、企業とも対応を加速させる必要があろう。

     壁が立ちはだかるのは、保育と学校教育の接ぎ目である。

     早朝保育では午前7時ごろから預けられたが、小学校は午前8時ごろの開門が多い。親が出勤したあと登校時間まで一人で家で過ごすか、開くまで校門前で待ち続けることに不安を抱く親が多い。

     先駆とされる大阪府豊中市や東京都三鷹市は全小学校で、学校の開門時間をそれぞれ1時間早め、外部スタッフが児童を見守っている。神戸市や横浜市もモデル校で実施している。

     東京都品川区も5月下旬から一部の小学校で始めた。秋以降、全校に広げ、本年度中に朝食の無償提供も始めるという。

     だが、こども家庭庁が昨秋に実施した初の調査によると、子どもの「朝の居場所」を確保する施策を実施、もしくは検討しているのは31の市区町村と全体の3%にとどまった。

     保護者への調査では、3割が自宅以外の朝の居場所を「利用したい」と答えており、ニーズと大きな差がある。

     実施していない自治体などが挙げた課題では、「人材の確保」が7割、「場所の確保・調整」も4割に上った。

     実施自治体の居場所づくりは、学童保育の運営事業者とシルバー人材センターが各2割、地域住民・団体が1割を担っている。教員の長時間労働を避けなくてはならず、地域での連携は有効だろう。

     豊中市では委託スタッフの人件費として約7千万円、三鷹市は約1700万円計上する。

     国は本年度から、朝の居場所を設けた自治体に最大500万円の補助金交付を始めた。活用実態を踏まえ、全国的な広がりへ内容を充実してほしい。

     「壁」は朝だけではない。放課後過ごす放課後児童クラブ(学童保育)は満員で入れず、入れても閉館時間が早い場合が少なくない。

     民間調査によると、「小1の壁」で働き方の変更を考えた母親は約4割。うち実際に退職した人は3割いた。人手不足が進む中、築いてきたキャリアの断絶や離職は、社会的にも経済的にも大きな損失といえよう。

     国や企業は未就学児を育てる親への後押しを厚くする一方、就学後は手が離れるとみて、支援が手薄になりがちだ。

     企業側も出退勤務を融通できるフレックスタイムや時短、在宅勤務など柔軟な働き方の選択肢を整えることが欠かせない。

     「個人の事情」だと突き放すのではなく、官民、地域で理解と支え合いを高めたい。


    現実には子どもの「居場所」が問題になっていることは事実だろう。しかし、人件費や補助金で現状を肯定するかのような対応は果たしていいのだろうか。早朝勤務や残業など「働き方改革」とは逆方向の職場がいかに多いかということの証でもあるだろう。こうした働き方を余儀なくされている人たちは権利としての「勤務間インターバル」などの労働条件を保障されていないのではないか。「居場所」の議論と同時に「働き方」も同時に考えなければいけない。


    9月14日 ダイキン PFAS 従業員の血液検査

     一部で発がん性が懸念される有機フツ素化合物(PFAS)を巡り、代表物質の一種PFOAを扱っていた大手化学メーカー「ダイキンエ業」(大阪市)が2 000年代初頭〜15年ごろ、PFOAと接する業務にあった従業員に血液検査をしていたことが13日、関係者への取材で分かった。米学術機関指針値の500倍以上となる濃度も検出したが、健康への影響は確認していないという。

     PFASを扱う国内メーカーで血液検査の実施が分かったのは初とみられる。血中濃度と健康影響に関する知見が不十分として国が慎重な姿勢をとる中、専門 家は貴重なデータであり情報公開すべきだと指摘。実施を受け環境省は「公表されればPFASに係る研究への活用が検討できるのではないか」とした。

     関係者によると、検査ではPFASの血中濃度を計測し、1ミリリットル当たり1万ナノグラム(ナノは10億分の1)以上の人もいた。PFOAの製造に携わった複数の従業員が対象で、健康状態の調査は15年以降も行ったという。米国の科学・工学・医学アカデミーは、リスクが高まる可能性がある値を、PFAS7種類で計20ナノグラムとしている。

     同社は今月8日、同社工場がある大阪府摂津市の住民に説明会を開催。血中濃度への懸念に対し、幹部が「00年当時に従業員の血液検査を測定して(検出濃度 の桁数が)4桁、5桁という状況だった。健康影響は確認されず一安心した」と説明し、実施を明らかにした。発言は同席した市職員も確認した。

     摂津市は20年、地下水に国の暫定目標値を大幅に上回るPFASが含まれることが判明。京都大などの住民の検査では中央値で1ミリリットル当たり24・2ナノグラムを検出、対応を求める声が出ていた。同社は取材に「人体への蓄積が健康に及ぼす影響が未解明な部分が多い中、対応の検討を続けています」と回答した。PFOAに関しては15年までに全拠点で製造・使用を終了している。

     京都府立大の原田浩二教授(環境衛生学)は「日常生活では出ない数値で、労働と血中濃度の因果関係が強く疑われる」と分析。海外事例と比較しても高いとし て、データの公表を求めた。


    群星沖縄臨床研修センター・徳田安春センター長関連疑い疾患調査を

     国内企業で血液検査を実施した事例は聞いたことがなく、血中濃度も極めて高い数値だ。海外のガイドラインにはPFASを扱う工場作業者は定期的な血液検査が推奨される「暴露のハイリスクグループ」に位置づけているものもある。ダイキンは従業員から要望があれば個別に説明やPFAS検査を継続し、高暴露患者では PFASとの関連が疑われる疾患のスクリーニングを実施すべきだ。健康影響に対する国の評価は定まっていないが、企業には予防原則に従った対応が求められる。


    PFAS対策について国の取組は緩慢としかいいようがない。ダイキンのみならず米軍・自衛隊などが汚染源として疑われるが実質的な調査は行われていない。クボタによるアスベスト被害が公になってから20年になるが未だに被害が報告されている。早期の実態解明は国の責任ではないか。


    9月13日 【社説】 岐路に立つ公立高

     「準義務教育」とも言うべき高校教育の軸である公立高の運営が厳しさを増している。

     高校無償化の拡充で、私立高より経済的負担が軽いというメリットが薄らいでいるからだ。

     高校生がいる世帯への国の支給額は、公立の場合は本年度から所得制限が撤廃されて授業料の全額となった。一方。私立でも公立高授業料に相当する年額11万 8800円となり、来年度からは無償化を賄う同45万7千円とする議論が進んでいる。

     少子化により生徒集めの競争が激化する中、授業料の格差縮小で「公立離れ」が一気に進む可能性がある。教育の機会均等と地域社会のインフラを担ってきた公立高の役割と将来像を、今こそ見つめ直すべき時だ。

     私立高生への支給を先行して拡充した大阪府や東京都では、公立高の志願倍率が実際に下がっている。

     京都と滋賀の公立高も、既に厳しい状況にある。

     今春入学の入試では、京都府内の全日制校56校のうち半数に当たる28校で合格者が定員に届かなかった。滋賀県でも全日制44校67科のうち24校33科で定員 を下回った。関係者からは「高校無償化によって施設面で充実する私立に生徒が流れ、さらに公立が追いこまれるのではないか」との危惧が聞かれる。

     定員割れは、選択科目や学校行事、クラブ活動の縮小などによる教育の質の低下、運営費不足による設備更新の遅れなどを招く原因となる。定員充足のめどが立たなければ、教育機関としての存続が危ぶまれる。

     各公立高は、進学先として選ばれるための「魅力化」や「特色化」を打ち出す。学校の存在意義や社会的役割を記した「スクール・ミッション」や教育活動の指針「スクール・ポリシー」を掲げ、地域連携による探究学習、IT技能の習得など独自教育に力を入れるという。

     生徒1人当たりで公立高生の3倍超もの公費を、都市部に集中する私立高生に投じる「無償化」の不公平さは否めない。

     国や教育委員会は、公立高の質向上の取り組みが実りあるものになるよう、専門的な知識のある教員の養成や財政的支援に積極的に乗り出してほしい。

     少子化に伴う統廃合を検討する場合でも、効率や定員の充足率だけで対象となる学校を決めるのではなく、地域の実情を十分考慮する必要があろう。京滋で定員割れに苦しむ公立高の多くは人口減が顕著な両府県の北部に多いが、拙速な統廃合は、さらなる地域の過疎化と衰退に拍車をかけかねない。

     高校無償化は、少数与党下の政治的な駆け引きで決まった。不登校の受け皿や、農林業を支える人材育成など多様な側面も持つ公立高を、どう維持するかという議論は置き去りのままだ。国は、高校教育の将来像を明示しなければならない。


    高校無償化による影響は公立高とりわけ偏差値の低いといわれる学校で大きい。無償化導入にあたって「私学助成」の議論はどこまで行われたのかも不明。本来、戦前の公教育が国家の支配を強く受けていたことへの反省から、私学を振興させるための助成であったはず。しかし、現実には学力競争を激化させ、営利目的の経営が私学を席巻しているように見える。日本維新の会、とりわけ教育無償化を推進してきた前原議員の責任は大きい。結局地方創生という観点の欠如した、都市型の教育にだけ目を向け、競争を煽るという結果を招来したといえる。


    9月13日 パレスチナ承認 米、日本に見送り要請

     イスラエルへの圧力を目的としたパレスチナの国家承認を巡り、日本政府が米国側から承認を見送るよう要請されたことが分かった。複数の外交筋が12日、 明らかにした。米ニューヨークの国連本部で22日に開かれる会議に向け、石破政権は承認の是非を巡る詰めの協議に入っている。国際情勢や国内世論などを考慮 し、来週にも政府としての態度を決める方向で調整する。

     フランスや英国は7月、パレスチナ自治区ガザで人道危機が深刻化している状況を踏まえ、パレスチナを国家承認する意向を相次いで表明した。これに対し、 親イスラエルの姿勢を取るトランプ米政権は「和平実現を後退させる」として承認に反対の立場を示す。

     外交筋によると、米国側は、複数の外交ルートで「パレスチナ国家承認は情勢を悪化させる」として、承認に反対する考えを日本政府に伝え、同調を促した。

     米政府関係者は「日本が国家承認すれば、日米関係に重要な影響が出る」との見方を示す。

     一方、日本政府関係者によると、フランスのバロ外相は11日の岩屋毅外相との電話会談で承認を強く求めた。英国も水面下で日本の承認に期待感を伝えてい る。

     日本国内では、超党派の 「人道外交議員連盟」が11日、国家承認を求める要望書と衆参両院議員計206人分の署名を岩屋氏に提出。公明党の斉藤鉄夫代表 は12日の記者会見で「承認に向けた積極的な判断を日本政府に強く求める」と述べた。


    政府がパレスチナを国家として承認しないという理由は何もない。トランプ政権はそのことで「日米関係に重要な影響」があるとするが、沖縄をめぐる日米地位協定の再検討はおろか関税交渉を含めて、これまでも一貫してアメリカに追従してきて日本に利があったのだろうか。退陣を余儀なくされた石破首相ができる最後の「石破流外交」が、パレスチナの国家承認ではないのだろうか。


    9月13日 DBS 性犯罪歴確認の業種明確化

     こども家庭庁の有識者検討会は12日、子どもと接する仕事に就く人の性犯罪歴を雇用主側が確認する「日本版DBS」の運用指針の策定に向けた中間取りまとめ案を大筋で了承した。制度の対象となる業種や対応策などを明確化。国の認定を受けて性犯罪歴の確認や子どもの安全確保を行う民間事業者として、学習塾やスポーツクラブに加え、子ども食堂や芸能事務所などを明記した。幅広く制度の対象とする。

     面談室など子どもと1対1になる場所への防犯カメラ設置を「有効」とする安全確保の具体案も示した。指針を年内に策定し、制度を2026年12月25日から 開始する予定だ。

     制度を盛り込んだ「こども性暴力防止法」は昨年成立。学校や認可保育所などに性犯罪歴の確認や安全確保措置を義務付けた。行政による監督の仕組みがない 民間事業者の参加は任意だが、国の認定を受ければ同様の対応が必要になる。義務の対象となる施設で働く人は約280万人、民間事業者で働く人は約120万人と推計される。

     中間案によると、子どもに知識や技芸を対面で教えるなど一定の要件を満たした事業者を認定の対象とする。教員や保育士は一律で性犯罪歴の確認対象となり、事務職員や送迎バスの運転手、実習生なども現場の判断で確認の対象になり得る。現職者の性犯罪歴を確認できた場合は子どもと接する業務から原則除外し、まずは配置転換を検討。新規採用者なら内定取り消しを検討する。

     性犯罪歴がなくても、子どもや保護者から被害申告があれば、加害が疑われる人を自宅待機や別の業務に当たらせるなど一時的に業務から外す。

     調査の結果、性加害や重大な不適切行為が認められた場合は配置転換などを行う。不適切行為は「私用スマートフォンで児童の写真を撮影・管理する」などを 例示した。被害の有無を判断する際は当事者の聞き取りをした上で、第三者の証言や防犯カメラの記録など客観的な証拠を集めるよう慎重な対応を求めた。


    【インサイド】子の安全確保 現場判断重く

     「日本版DBS」の運用指針に関する12日の中間まとめ案は、学校などと同様に性犯罪歴の確認が義務付けられる民間事業者の認定要件を整理した。子どもの安全確保を最優先とする一方、雇用主側による不当な就業制限や解雇を防ぐ注意点を明記し、労働者側の権利にも配慮。現場ごとに重い判断を迫られることになるため、混乱を招かない内容の指針が求められる。

     性犯罪歴の確認が必要となるのは、仕事の性質が、指導など優越的立場の「支配性」、密接な人間関係を持つ「継統性」、他者の目に触れにくい「閉鎖性」の 3要件を満たす場合だ。その上で@子どもに技芸や知識を指導A6ヵ月以上の事業に子どもが複数回参加B対面で指導C事業者が用意する場所で指導D指導者が3人以上―の全てを満たせば国の認定を受けて制度の対象になる。学習支援をする子ども食堂やダンス指導をする芸能事務所なども該当する。

     個人事業主のベビーシッターや家庭教師は対象外だが、委託契約を結ぶマツチング事業者は認定の対象となる。

     性犯罪歴の確認対象とする職種も分類し、教員や保育上は職種全体が確認対象。これに対し送迎バスの運転手や嘱託医、調理員は「子どもと継続的に接する」など現場の判断で一部が確認の対象になり得るとした。

     性犯罪歴がなくても初犯対策として、被害の申告があった場合は自宅待機などで一時的に対象業務から外し、事実関係を調査する。聞き取りに加え防犯カメラの記録や交流サイト(SNS)のやりとりを活用し、臨床心理士や弁護士との連携も促す。

     性暴力とまでは言えない「不適切行為」があったと判断した場合、軽微なら指導にとどめる。繰り返せば配置転換などを行う。行為の具体例に「休日に2人きりで会う」「SNSの連絡先を交換」「不必要に子ども1人を車で送迎」を挙げた。

     子どもの聞き取りでは心理的な「二次被害」が生じないよう留意。被害を早期に把握するには日常的に複数人で子どもを観察し、防犯カメラ設置で死角をなくす取り組みなどが有効とした。

     就業制限を巡る労使のトラブルを防ぐ留意点も例示。現職者に性犯罪歴が確認できた場合、労働者の権利保護の観点から解雇や懲戒処分ではなく、まずは配置転換や業務範囲の限定を検討する。被害の申告があっても、事実確認する前の段階で懲戒や確定的な配置転換を行ってはならないとした。

     解雇や懲戒は労働契約法で「客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は無効」と規定されており、司法の場で有効性が争われることが想定されるとして、慎重な対応も求めた。

     小規模事業所のように「子どもと接しない業務がなく配置転換できない」など、解雇や懲戒以外の選択肢がない場合もある。政府関係者は「できるだけ多くの事例を示したいが限界もある。走りながら現場の不安を取り除きたい」と話した。


    「国の認定」を受ける・受けないは民間業者の判断にゆだねられるようだが、利用する側はなにを基準に子どもの安全を確認することができるのだろうか。また、ボランティア活動で、どのような判断が可能なのかは不透明。「走りながら」より適正なものにしていくことしか今は見えないのかもしれない。


    9月12日 東京地裁 パワハラ自殺 遺族に1.5億円支払い

     化粧品会社の「ティー・アップ」(東京都港区)に勤務していた女性=当時(25)=が社長からパワーハラスメントを受けて自殺したとして遺族が賠償を求めた訴えを巡り、東京地裁(松下絵美裁判官)は11日までに、同社社長の辞任や1億5千万円の支払いなどを民事調停法に基づき決定した。遺族側の代理人弁護士が同日、東京都内で記者会見し、明らかにした。決定内容に社長の辞任が盛り込まれるのは異例。9日付。

     訴状などによると、亡くなった里実さん(姓は非公表)は入社した2021年、先輩社員とのトラブルなどを理由として社長に呼び出され「野良犬」と罵倒され たり、「大人をなめるなよ。会社をなめるな」などと約1時間にわたって一方的に叱責されたりした。翌年にうつ病と診断。休職期間満了を理由に解雇された後に自殺を図り、意識が戻らないまま23年10月に死亡した。三田労働基準監督署は、社長の言動はパワハラに当たると判断し、労災を認定した。

     里実さんが亡くなる前の23年7月に遺族が提訴し、今年に入り会社側が和解を提案。その後に調停に移行し、地裁が民事調停法に基づき決定を出し、双方が受 け入れた。

     会見で里実さんの姉(31)は「頑張っている人に強い言葉を投げかけるのではなく、温かく見守る優しい社会になってほしい」と求めた。

     ティー・アップはホームページに「深い哀悼の意を表し、心からおわび申し上げる」とする遺族への謝罪を掲載。ハラスメント防止規定の見直しなどの再発防 止策を講じていくとした。社長が10日付で辞任したことも明らかにした。


    日本ハラスメント協会・村嵜要代表社会的に意義ある

    遺族側からすれば納得できない感情はあると思うが、裁判所が主張を全面的に認めた印象を受ける。パワハラ行為の当事者だったとはいえ、社長の辞任まで盛り込 まれるのは珍しい。決定は社会的に意義のある内容で、他の企業や団体などに与える影響も大きいのではないか。ハラスメントがなくならない中で、企業は一律に研修を行う従来型ではなく、個別に実施する方式に切り替えるなど、より実効性のある対応が求められるだろう。


    2015年に大手広告会社電通の新入社員の高橋まつりさんが過労自殺で亡くなったことで、働き方改革が大きな社会的な関心を呼んだ。しかし、それ以降も働き方をめぐっての自殺は後を絶たない。ハラスメント行為が自殺を誘引したという判断をした東京地裁の決定は重いといえる。学校現場でも、同様のハラスメント行為はこれまでにも多くあっただろう。それを指導としてとらえていた現場感覚も刷新されなくてはならない。


    9月12日 【インサイド】 NATO出方 試す狙いか

     ロシアの無人機がポーランド領空に侵入し撃墜された事件は、欧州の北大西洋条約機構(NATO)加盟国に強い緊張をもたらした。ロシアはポーランド領空深くに入り、NATOがどういう出方をするのか試すことを狙った可能性も。欧州側は臨戦態勢を取り、3年半以上に及ぶウクライナ侵攻がNATO軍との紛争に急拡大し得るリスクがあらわになった。

     「第2次大戦後、最も戦争に近づいた」。ポーランドのトゥスク首相は10日、議会で「ロシアが一線を越えた。以前とは比べものにならないほど危険な状況になった」と懸念を示した。

     最初の無人機侵入を確認したのは9日午後11時半ごろ。米紙ウォールストリート・ジャーナルによると、12日開始予定の口シアとベラルーシの合同軍事演習を警戒し、ポーランドのF16戦闘機2機、オランダのF35戦闘機2機が既にポーランド東部上空に展開していた。

     無人機撃墜が報じられた10日、ブリュッセルのNATO本部では毎週定例の大使級理事会が開かれたが、ポーランドの要請で北大西洋条約第4条に基づく協議に移行した。第4条協議は加盟国の領土や独立が脅かされた際に開かれるもの。集団防衛を定めた第5条について話し合ったかどうかは明らかにされていないが、緊迫度は高まった。

     元ポーランド軍高官は米メディアに「ポーランドの動きを意図的に試すための侵入だった」と指摘し、ロシアが有事の際の欧州側の動きを把握するために「入念に準備した」と分析した。

     ロシア側は「撃墜された無人機がロシア由来との証拠をポーランドは提示しなかった」(駐ポーランド臨時代理大使)と関与を否定し続けるが、無人機はロシア製のゲルベラと判明している。

     ロシア独立系メディアによると、ゲルベラは通常、弾頭や偵察カメラを搭載しない安価なつくりで、敵の防空システムをかいくぐるための「大量のおとり」として運用されているという。

     ロシア世界経済国際関係研究所のクラムニク研究員はロシア紙RBKに「敵が電子戦を仕掛けたとすれば、ナビゲーションエラーが起きて標的を見失った可能性がある」と、意図に反して侵入したとの見方を強調。しかし、欧州高官は19機もの無人機が偶然国境を越えるのは「考えにくい」と米メディアに語った。

     ロシアの今回の狙いについて、ウクライナが対口抑止で求める「安全の保証」確保のために欧州各国軍がウクライナに駐留する構想に対するけん制との見方もある。

     プーチン大統領は5日「もし今欧州がウクライナに部隊を派遣したら、正当な破壊目標とみなす」と発言している。無人機侵入は「NATOとの衝突も辞さないとのメッセージ」(米紙ニューヨークータイムズ)を込めた威嚇とも読み取れる。(ブリュッセル、モスクワ共同) 


    「一線を越えた」という事態が世界中に広がっている。政治はその「一線」を超えないためにあるはずではないのか。しかし、逆に「一線」を超える根拠を政治は求めているように見える。庶民のできることが戦火が拡大しないように祈るしかない。それでも「非戦」を訴え続けることを放棄してはいけない。


    9月12日 トランプ大統領 「左派が暴力」一方的に主張

    【ワシントン共同】トランプ米大統領は10日、自身に近い保守系の政治活動家チャーリー・カーク氏が銃撃され死亡したことを受け、約4分間の動画声明を発表した。「過激な左派による政治的暴力があまりにも多くの命を奪ってきた」などと主張。容疑者が判明していない段階で責任をリベラル派に一方的に負わせるような発言で、批判が出るのは必至だ。

     歴代米大統領は国全体を揺るがすような事件や政治的な暴力が起きた際、党派の違いを乗ぴ越えて国民に融和や団結を訴えてきたが、トランプ氏は動画でそうした姿勢をみせなかった。


    トランプ米大統領にとって「命」ということばの重みはいかほどのものなのだろうか。世界の分断を自らの政治的なディールで解釈するという非正義は許しがたい。もちろんカーク氏への銃撃テロは許されるものではない。


    9月12日 イスラエル カタールにハマス追放要求

    【ドーハ、エルサレム共同】イスラエルのネタニヤフ首相は10日、カタール政府がパレスチナのイスラム組織ハマスをかくまっていると批判し、追放か処罰するよう要求した。ハマス幹部を狙ったカタールの首都ドーハで実施した空爆を改めて正当化し「追放や処罰の措置を取らなければ、われわれがやる」とさらなる攻撃の可能性を示唆し、圧力を強めた。

     米紙ウォールストリート・ジヤーナルは、トランプ米大統領が9日、ネタニヤフ氏と電話会談し、空爆を巡り激論を交わしたと報じた。トランプ氏は不意を突 かれたことへの「深い憤り」を伝え、攻撃は賢明ではなかったとも訴えた。

     カタールはパレスチナ自治区ガザの停戦交渉の仲介国を務める。ムハンマド首相兼外相は米CNNテレビで、今後の交渉への関わり方を含め「あらゆる点を再 検討している」と述べ、ネタニヤフ氏への怒りをにじませた。

     カタール外務省は、アラブ諸国の首脳会議を14〜15日にドーハで開催すると発表。ネタニヤフ氏の発言に対し「ハマス事務所は米イスラエルの要請に基づき、 仲介活動の一環としてドーハに置かれている」と強調した。9日の空爆ではハマスのメンバー5人が死亡した。

     国連安全保障理事会は10日、カタールでの空爆に関する緊急会合を11日午後(日本時間12日未明)に開くと決めた。

     ネタニヤフ氏はビデオ声明で、11日に発生から24年となった米中枢同時テロに言及。2023年10月のハマスによる奇襲はイスラエルにとって同義だと主張した。米軍がその後パキスタンでビンラディン容疑者を殺害したのを引き合いに「われわれも同じことをした」と持論を展開した。

     イスラエルメディアによると、イスラエル政府内でもカタール領内への攻撃の是非について意見が割れた。


    イスラエルでも空爆非難

    【エルサレム共同】イスラエル軍によるイスラム組織ハマス幹部を標的にしたカタールでの空爆を巡り、国際社会に加えイスラエル国内でも非難の声が上がっている。ハマス拘束下にある人質の家族は「人質が殺されるリスクを高めた」と激しく反発。「戦果」を疑問視する声も広がるが、ネタニヤフ政権は強硬姿勢を崩していない。

     「ハマスは死に値する。だが、人質の命が危険にさらされるリスクを考慮したのかどうか、政府には説明責任がある」。イスラエルの最大野党党首、ラピド前 首相はX(旧ツイッター)で、ネタニヤフ氏に疑問を投げかけた。人質家族会は「空爆に対する人質への報復が残酷なものになる」と人質の安否を気遣った。

     空爆は、パレスチナ自治区ガザ戦闘を巡りトランプ米大統領による新たな停戦案をハマスが協議する中で実施された。このタイミングでの作戦にイスラエル軍 のザミール参謀総長や対外特務機関モサドの高官らは反対した。

     空爆ではハマスメンバー5人が死亡したとされる。だが、狙った幹部が死者に含まれるのかどうかは不明だ。地元メディアは国防筋の話として、標的の大半に致命的な結果をもたらしたとは言いがたいと伝えた。

     ハマスは攻撃後の声明で「イスラエルの試みは失敗した」として、幹部は無事だと強調したが、証拠は示していない。


    第1次、第2次世界大戦と大きな被害を出した世界は、平和を基調とするために国際連盟、国際連合を立ち上げたはずだった。しかし、そこで確認されたはずの国際的な合意(領土保全など)すら守られない混とんの世界に突入している。


    9月11日 長岡京市立中 逮捕に憤り・落胆の声

     長岡京市立長岡中教諭の松岡寿俊容疑者(39)が教室で着替え中だった女子生徒の動画を撮影した疑いで9日に逮捕された事件を受け、同中では保護者説明会を同日夜に開催。市教委は10日、市議会全員協議会で謝罪するなど対応に追われた。子どもを守るべき学校内で起きた事件に、保護者らからは憤りや落胆の声が上がっ た。

     長岡中で開かれた保護者説明会は、9日午後7時から3時間半にわたった。市教委によると約350人が出席。今回の事件の経緯と、今後の生徒への対応などを説明したという。保護者からは、生徒が安心して登校するための対策を求める声が相次いだ。説明会後、ある保護者は「説明を受けても納得できない部分が多く、こんなことが起こるなんて信じられないという思い」と硬い表情で話した。

     市教委や同中によると教諭は2019年度に着任し、数学科を担当。3年生の進路指導の主任も務めていた。5日午後の掃除中に生徒が教室に設置されたモバイルバッテリー型カメラに気付き、学校が警察に通報。8日に教諭が自分が設置したと名乗り出たという。

     名古屋市立小教員らが女子児童の盗撮画像などをSNS(交流サイト)で共有したとして逮捕・起訴された事件を受け、文部科学省は7月、服務規律の徹底を求めて都道府県教委に通知していた。長岡京市内の市立小中でも教員研修などに取り組んできた。保護者説明会後に取材に応じた湯浅修一校長(60)は「まさかという思い。生徒や保護者に申し訳ない」と声を落とす。

     10日は西村文則教育長ら市教委幹部が市議会全員協議会で経緯を説明し「第一に子どもを守るべき教員が信頼を損ない、大変申し訳ない」と謝罪。生徒のケアのためスクールカウンセラーの増員派遣を府教委に要請し、同日午後からは全14市立小中学校長による緊急会合を開くと説明した。

     教諭は5日午後に教室で着替え中の女子生徒5人を撮影したとして、性的姿態撮影処罰法違反(撮影)の疑いで9日に向日町署に逮捕・送検された。同署によると、容疑を認めているという。


    言葉を失う事態だが、過去にもこうした事案は残念ながらあった。あれをしてはいけないこれをしてはいけないということも必要なのだろうが、根本的には大人としての教員が子どもとの関係をどのように保つのかという研修も必要だろう。


    9月9日 【取材ノートから】 寛容な社会 一人一人が守る

    報道部 中村 幸恵

     「日本人ファースト」を掲げる参政党が躍進した7月の参院選。支持の広がりに呼応し、他党の多くも「違法外国人ゼロ」など外国人に関わる規制強化策を打ち 出し、排外主義的な言説が拡散した。その光景を振り返り「少数者の人権がないがしろにされる社会にならないか」と先行きに不安を抱く人がいる。

     坂田麻智さん(46)とパートナーで米国籍の坂田テレサさん(42)が暮らす京都市中京区の自宅にも選挙中、「日本人ファースト」と書かれた参政党のチラシ が投函された。政策集には「同性婚反対」と記されていた。2人は女性で異性愛者と平等な婚姻制度を求める同性婚訴訟の原告。「二重に傷ついた。政策を見るのもしんどかった」

     SNSでは「外国人犯罪が増えている」「外国人は優遇されている」といった根拠の無い投稿が広がり、さらには「外国人は出て行け」など差別を扇動する言 葉が繰ぴ返された。

     選挙後に2人を訪ねると、「自分たちと違う人は排除していいという空気になるのではないか」と懸念を深めていた。「日本人ファースト」というスローガンから「人を区別することが正当化され、国籍や属性、見た目で差別されることになりかねない」と麻智さんは話す。

     2人の脳裏にはトランプ政権以降のテレサさんの母国、米国の姿が浮かぶ。トランプ大統領は移民対策の厳格化を皮切りに、「性別は男性と女性だけ」と宣言 し、多様性・公平性・包括性(DEI)を重視する前政権の政策を廃止。トランプ支持か不支持で世論が割れる米国のように「日本でも分断があおられている」と言う。

     自身の訴訟では大阪高裁が同性婚法制化への社会環境は整っているとし、立法による解決を求めた。同種訴訟でも同性婚を認めない現在の婚姻制度は違憲との 判決が相次ぎ、最高裁の判断を待つ。世論調査では7割前後が同性婚に賛成している。

     一方で2人は参院選で示された民意の背後に少数者に対する排他的なまなざしの根深さを感じ取った。「人々の不満の矛先が政治によって弱者に向けられている。でも誰といつ結婚するかは人権の問題。政治に左右されることではないはず」と麻智さんは言葉を強める。

     2人は同性婚が認められていないため、法的には同居人同士に過ぎない。相続権など異性婚カップルが手にするさまざまな権利や利益を享受できない。テレサ さんが友人から精子提供を受けて出産した子どもを2人で育てているが、麻智さんは法律上の親になれず、娘は米国籍。何重もの意味で少数者として生まれた娘が将来、「社会に認められている」と実感しながら生きていくためには、法的な解決と寛容な社会の両輪が必要だ。

     「少数者も生きやすい世の中になってほしい」との2人の願いは切実だ。訴訟や取材では実名を掲げ、家族の暮らしが法的に保障される社会の実現を目指してきた。少数者の声に耳を澄まし、社会を不寛容へと傾けない努力が、政治にも、私たち一人一人にも求められている。



    9月9日 山科 国境超えて住民交流を

     排外主義的思想が広がる中、国籍を超えて交流しようと14日、京都市東部文化会館(山科区)で「山科・京都多文化まつり」が開かれる。実行委員会は「国籍にかかわらず一緒に作り上げるまつりにしたい」と力を込める。

     市内は近年、特定技能実習生の受け入れなどが進み、在住外国人が増えている。7月1日現在の住民基本台帳人口における外国人人口は6万4457人に上り、市内の人口の約4・7%を占めている。

     区の玄関口であるJR山科駅は2029年度をめどに関西国際空港行き特急「はるか」の発着点となるなど地域は変革期にあり、在住外国人やインバウンドのさらなる増加が予想される。多様な文化的背景を持つ人々を受容できる地域にしようと、地域住民や市内の在住外国人らが企画した。

     実行委はベトナム国籍やネパール国籍の住民も加わり、国籍を問わず楽しめる内容を考えた。当日は中国やミャンマーといった各国の伝統舞踊やK―POPダンスの披露、中国や朝鮮半島の民族楽器の演奏があるほか、多言語でカラオケ大会を行う「国際紅白歌合戦」、思い思いの言語で叫ぶ「大声コンテスト」を実施する。

     インドや中東地域の料理の物販や多言語絵本の読み聞かせ、お絵描きを通じて多様性を学ぶワークショップもある。

     実行委代表の同志社大准教授崔紗華さんは「主催者側と来場者側が立場を越えて交われる点がこのイベントの最大の特徴。同じまちに住む人同士、顔が見える関係性を作れれば」と期待を込めた。

     まつりは午前11時〜午後4時。


    参政党の「日本人ファースト」は日本人の意識を大きく変えたのだろうか。それは、参政党支持者のみならず外部へのとりわけ他の政党への影響力が大きかったというべきだろう。石破首相が突然の退任を発表し、後継者に名乗りを上げた人の中には「日本人ファースト」以上にポピュリズム的な政治家もいる。彼らは国防を説く。しかし、多文化共生こそが平和への道しるべであることは間違いない。不動産業界では山科の評判は1ランク下がる。その山科で「まつり」が開催される意味は大きい。ただ、インバウンドを呼び込むことを目的とした商業主義に取り込まれないような配慮は必要?


    9月9日 パレスチナ 米、ガザ停戦で新提案

    【エルサレム、ワシントン共同】複数のイスラエルメディアは7日、米国がパレスチナ自治区ガザの新たな停戦案をイスラム組織ハマスに示したと伝えた。八マスが人質全員を解放し、イスラエルは中心都市ガザ市の制圧作戦を中止する内容としている。トランプ米大統領は7日「最終警告だ。次はない」と交流サイト(SNS)に投稿し、合意を迫った。

     ハマスは7日、声明で「米国の提案を受け取った。直ちに交渉の席に着く用意がある」と表明。イスラエルのサール外相は訪問先の八ンガリーで「イスラエル側 が示した条件での戦闘終結を望む」と述べた。

     トランプ氏はSNSで、イスラエルは停戦案の条件を受け入れたと主張し、八マスが受け入れを拒めば相応の結果が訪れるとして圧力を強めた。その後、合意 は「近く得られるだろう」と記者団に語り、自信を示した。

     報道によると新たな案は、停戦初日にハマスが人質全員を解放し、イスラエルは拘束するパレスチナ人数千人を釈放する。イスラエル軍はガザ市制圧作戦を進めず市外にとどまる。双方はトランプ氏の監督下で戦闘終結に向けた協議を進め、協議が続く限り停戦状態は維持される。人質48人のうち20人前後が生存しているとみられている。

     60日間の停戦や人質の段階的解放に同意したハマスに対し、イスラエル側は人質全員を一度に取り戻す合意を要求。ハマスの武装解除も求めており、双方の溝は大きい。トランプ氏は3月にも、ハマスに「これが最後の警告だ」として人質解放を求めたことがある。


    イスラエル兵士「虐殺終わらせるべきだ」

     パレスチナ自治区ガザの戦闘が長引く中、イスラエル軍の元兵士からも停戦を求める声が高まっている。イタマール・シユバルツさん(23)は軍に招集されても応じない考えだ。戦車部隊でガザに2度入り、地上侵攻に従事したが、パニック発作を起こし除隊した。「イスラエル軍はガザの民間人を殺害している。虐殺を終わらせるべきだ」

     ガザ戦闘が始まった2023年10月、イスラエルがシリアから占領するゴラン高原の駐留拠点にいたシュバルツさんは、間もなくガザに派遣された。イスラム組織八マスがイスラエルに奇襲攻撃を仕掛け、多数を殺害、拉致した直後で「自分も周囲の兵士も復讐に燃え、人質を取り戻すと意気込んでいた」と明かす。

     3週間の従軍を終え、自宅で休暇を過ごしてから再びガザヘ戻ると「戦術もないまま戦車を展開しているのではないか」と疑問を抱くようになった。司令官からの命令で住宅ビルを砲撃し、中で暮らしていた家族が死亡。うち母親だけが生き残ったと聞いた。自分たちの戦車も攻撃を受け、仲間が1人犠牲となった。

     シュバルツさんは職業軍人だった父にあこがれ、パイロットになりたいとの思いを抱いていた時期もあったという。2回目のガザでは(記憶が突然よみがえる)フラッシュバックと不眠に苦しむようになり、後方支援部隊に異動後、除隊した。

     「小麦粉の配給を求めて並んでいたガザ住民を殺した」などと白慢げに話す友人に嫌悪を感じるようになり、「招集が来ても拒否投稿した。海外で暮らしたいが、ガザ戦闘でイスラエルに対する国際社会の目は厳しくなり、国外に出づらくなったと説明する。

     イスラエル軍は8月、ガザの中心都市、ガザ市の制圧計画決定に伴い、新たに予備役約6万人に招集命令を出した。ガザ市への攻撃を連日激化させている。

     「イスラエルは間違った方向に進んでいる」。シュバルツさんは「われわれが破壊したガザの街の復興を望んでいる」と静かに話した。(エルサレム共同) 


    トランプ大統領の「仲介」がノーベル平和賞受賞のためのパフォーマンスであることはすでに世界中に知られている。そして、その実効性が疑われてもいる。しかし、一刻も早い停戦が望ましいことに間違いはない。テルアビブで1000人を超える人たちが、パレスチナで殺害された子どもの写真を手に、サイレント・スタンディングを行っているという。この訴えが政権へ届くのは難しいとの見方もあるが、イスラエル内部からの現政権批判があることは一筋の光明、人間への信頼でもあるように思える。


    9月6日 中教審 学校裁量で教科時間増減

     中教審の特別部会は5日、次期学習指導要領の論点整理素案を示した。児童生徒の状況に応じた柔軟な教育課程が編成できるよう学校現場の裁量を拡大し、各教科の授業時間数(こま数)の増減を一定範囲で可能にする制度を導入。削減で生じた時間は別の教科に上乗せするだけでなく、教員研修にも使えるようにする。

     情報活用力の抜本的な向上に向けて情報教育を強化。小学校は探究学習が中心の「総合的な学習の時間」で扱い、「情報の領域(仮称)」として位置付ける。中学校は技術・家庭科を分離し、技術分野を「情報・技術科(仮称)」に改編して内容を充実させる。

     学校教育法施行規則は、学年・教科ごとに年間の標準授業時間数を最低基準として定める。次期指導要領では、年間の総時間数を維持した上で、各小中学校が柔軟にカリキュラムを編成する「調整授業時間数制度」を創設する。

     例えば、週5こまの国語を4こまにして、削った分を英語に上乗せしたり、学校独自の教科に充てたりできるようにする。現状、こうした運用には国に申請が必要だが、どの学校でも申請なしで可能とする。削減分の振り分け先として、個別の児童生徒への学習支援や教員研修といはそれぞれの作業部会で詰め、26年夏ごろまでに取りまとめる。答申は26年度中の予定で、次期指導要領の全面実施は小学校が30年度、中学校が31年度、高校は32年度以降の見込み。


    論点整理素案 主な改訂

     次期学習指導要領について中教審の特別部会が論点整理素案で示した主な改定内容は次の通り。(新たな制度や教科の名称はいずれも仮称)

    調整授業時間

    多様な子どもの学び促進

     児童生徒や地域の実情に応じて各学校が柔軟に教育課程を編成できる「調整授業時間数制度」を創設し、学習内容の学年区分にとらわれない編成も可能とすることで、多様な個性や背景を持つ子どもたちに対応した学びを促進する。

     現状でも国が認めれば、年間の標準授業時間数を維持した上で、時間数の1割を上限として増減が可能な特例制度があるが、申請から認定までに時間がかかることなどが課題だった。

     新制度は申請なしでも教育委員会や学校の判断で柔軟な編成を可能とする。1こまの授業時間を45分から40分に短縮したり、週4こまの教科を3こまにしたりして確保した時間を、重点的に指導したい教科や特色あるプログラムだけでなく、教員の授業研究などにも充てられるようにする。

     高校では、必修科目と関連する選択科目を組み合わせて指導できるようにして必要な単位数を減らし、その分、学校が独自に設定する科目に組み替えられるようにする。

     中教審は今後、調整可能な授業時間数の上限や確保した時間の具体的な利用方法など詳細な制度設計をする。

    情報教育

    小学校から体系的に育成

     情報活用力の抜本的向上を目指し、情報教育を強化する。小学校はどの教科でどう学ぶかが示されていない現状を改め、探究活動が柱の「総合的な学習の時間」に「情報の領域」を設けて学ぶ。中学校は技術・家庭科を二つに分け、技術分野は「情報・技術科」とする。@活用A適切な取り扱いB特性の理解―を各学校段階で位置付け、体系的に育成する。

     小学校は体験的活動を重視し、低学年はデジタル端末を使った写真・動画の撮影、中・高学年は表やグラフによる整理・分析、プログラミング体験を盛り込む。中学校は生成人工知能(AI)の基本的な仕組みを学ぶほか、3Dプリンターの活用といったデジタル技術を導入する。

     小中の内容を踏まえ、高校の情報科の内容を充実させる。

     インターネットや交流サイト(SNS)のさまざまなリスクといった情報化社会の負の側面も重要な学習課題とした。


    【インサイド】柔軟な課程編成 期待

     中教審の特別部会は次期学習指導要領の目玉として、「調整授業時間数制度」の創設と、情報教育の強化を打ち出した。これからの社会に必要な情報活用力の向上は、柔軟な教育課程編成や学校の業務効率化につながるとのもくろみも。ただ、多忙化で余裕のない学校現場は新たな負担増を懸念し、学習内容の削減が先決との声が上がる。

     「現代と古墳時代、生きるにはどちらが良いか考えてみよう」。6月下旬、愛知県春日井市立出川小6年3組の社会の授業。担任の中田昂樹教諭の呼びかけで、児童たちは周囲と相談しながら、手元のノートパソコンで二つの時代の長所や短所を検索した。

     一人の児童が「建物が頑丈だから現代が良い」と発言すると、中田教諭が「今の方が頑丈だと言える根拠は?」と問う。その後の発表では、出典元などを示して意見を出し合うことができる研究開発学校の出川小は、全学年に年30こま以上の「情報の時間」を設け、教科学習で情報の収集・分析などにパソコンを使う。

     仲渡隆真校長は「児童が自ら問いを見いだし、主体的に学ぶ力が定着することが重要。情報を活用する力はその支えになる」と話す。

     「主体的・対話的で深い学び」を打ち出した現行指導要領が議論されたのは約10年前で、小学校の全面実施は2020年度だった。阿部俊子文部科学相が次期指導要領への改定を諮問したのが24年12月。この4年の間に、小中学生1人1台のデジタル端末配備が完成し、生成人工知能(AI)が飛躍的発展を遂げるなど環境は劇的に変わった。

     論点整理素案が掲げた改定の方向性は「『深い学び』を確かなものに」。その方策として、児童生徒の実情に応じた柔軟な教育課程編成と情報教育の強化を打ち出した。

     実はこの二つの関連性は高い。出川小の教員アンケートでは、全教員が「情報の時間」が各教科の学びに良い影響があると感じると回答。「情報の時間」に取り組むことで各教科の授業時間が短縮できそうだと考える教員も9割近くに上った。

     実際、6こま必要な国語のある単元が、内容の整理・分析に情報機器を活用したことで5こまで終えることができ、浮いた6こま目は探究的な課題に充てることができたという。

     素案はこれからの時代には「自らの人生や社会のために課題解決や探究ができる力が不可欠」とうたい、情報活用力を探究的学びの基盤と位置付け、小中高を通じて系統立った情報教育の必要性を強調した。

     デジタル人材の育成も急務で、信州大の佐藤和紀准教授(教育工学)は「情報教育が各段階で強化される意義は大きい。自治体は今から支援体制を整備すべきだ」と話す。

     ただ、懸念は現場の負担増。東北地方の公立小の20代教諭は「現場は手いっぱいなのに、やるべきことはトップダウンで増える一方。減るものがない」と嘆息する。

     神奈川県の学校関係者は「カリキュラム編成の裁量があっても年間授業時間数は変わらない。現場に工夫を求めるなら、まずは指導要領の中身を減らして余裕を与えるべきだ」と訴えた。

     学校の主体性高める

     青山学院大の益川弘如教授(学習科学)の話 「主体的・対話的で深い学び」を掲げた現行学習指導要領は、教員にとって理念は理解できても、現状の授業をどう変えればいいのかが分かりにくかった。論点整理素案は、その理念を実現するための基盤づくりに取り組んでいる印象だ。教育課程を柔軟に編成できる制度の導入は、学校現場の主体性を高めるものになる。めりはりある授業づくりや学校間の交流研修などにより、教員が「主体的・対話的で深い学び」に取り組みやすくなるのではないか。ただ、今の大人が経験してきた従来の学びのゴールをイメージしたままでは実現が難しい。今後の議論で各作業部会が各教科の内容の関係性を整理し、方策をきちんと示していけるかがポイントになるだろう。


    学校の主体性というけれどもそれだけの力量が現場にあるのかと疑わざるを得ない。【インサイド】での教員のコメントはまさにそれをあらわしている。おそらく実際は教育委員会の事務方が方針を作成するということが落としどころではない。必要なのは授業内容の削減であり時数の削減だろう。また、情報教育の例として挙げられた「出川小」のケースで、教師の発問に対してノートパソコンで検索したことが書かれているが、ここで生成AIを使うことも子どもらの自然の行為となるだろう。果たしてそれは教育的なのかどうか?「深い学び」はデジタルを利用する必要はなく、いわゆる「子ども哲学」の手法が使える領域でもある。そのための時間確保の方がよほど必要だろう。


    9月6日 中教審 QRコード先も検定対象

     デジタル教科書導入を検討する中教審の作業部会は5日、審議まとめの素案を示した。デジタルを紙と同様に正式な教科書と位置付け、動画や音声といった2 次元コード(QRコード)の接続先のコンテンツも教科書の一部として検定の対象とする。学年や教科ごとの活用方法に関するガイドラインを策定することを盛り込んだ。

     現在のデジタル教科書は、紙の教科書の内容をそのままデジタル化した「代替教材」の位置付けで検定の対象外。紙の教科書に記載されたQRコード先のコンテンツも教材扱いで対象外となっている。

     素案によると、紙、デジタル、その両方で構成する「ハイブリッド」の三つを正式な教科書として検定や無償配布の対象とする。各教育委員会がどれを使うか 選択する。

     QRコード先のコンテンツは、多すぎると学校現場や教科書会社の負担になるため、教科書の一部として位置付けられるもののみを認め、量に制限をかける。検定は音声読み上げや動画機能などの限定的な範囲で一定の確認を行うにとどめる。

     ガイドラインには、学校現場での教科の特性や児童生徒の発達段階に応じ、学年や教科、学習場面ごとの活用の具体的イメージを示す。

     作業部会は次期学習指導要領が小学校で全面実施される予定の2030年度からのデジタル教科書導入が望ましいとして議論を進めている。文部科学省は26年 の通常国会に学校教育法などの改正案を提出し、成立後にガイドラインを策定する方針。教科書会社は27年度中にデジタル教科書を編集し、28年度に検定、29年 度に採択が行われる見通し。



    9月5日 洛和会が農業参入

     病院や介護施設を運営する洛和会ヘルスケアシステム(本部・京都市山科区)が、農業ビジネスに新規参入した。ITやロボットなどを駆使する「スマート農業」技術でトマトを効率的に栽培し、グループで運営する医療・福祉施設で提供する計画という。

     運営する洛和会音羽病院(同区)近くでビニールハウス2棟(計1560平方メートル)を整備した。投資額は3千万円。ハウスには室温や二酸化炭素(CO2)濃度をセンサーで制御する装置を導入した。大玉のトマトやミニトマトを年30トン生産できるという。

     栽培責任者の看護師大鐘由晴さん(45)は、医療現場を通じて食の大切さを知ったといい、農園で1年間研修して栽培技術を習得した。「おいしいトマトを提供し、患者さんや地域住民を健康にしたい」と話す。

     8月中旬に栽培を始め、10月に収穫して近くのスーパーや音羽病院内で販売する計画。洛和会の矢野裕典理事長は「トマトは血圧を下げる作用があり、健康に役立つ。病院内で患者さんを待つだけでなく、外に出て地域に貢献したい」と力を込める。 


    医療関係の法人がその組織を拡大している中で、新たな領域への参入となるのか、あるいは食への啓発的な事業となるのかは現時点ではまだ見えない。しかし、大規模事業が自前の食糧供給システムを持つのは地産地消の観点からは好ましいといえる。今後の展開を見守りたい。


    9月5日 京の新興2社 生態系守る「新農法」実践

     環境負荷を抑えた農産物を販売する坂ノ途中(京都市南区)と、生物分布データ収集のバイオーム(下京区)が、エクアドルのガラパゴス諸島でコーヒー栽培と生物多様性の調査で連携する。世界屈指の多さの固有種が生息する太平洋の島で、京都の環境系スタートアップ2社が自然と共生する新たな農業モデルの可能性を探る。

     坂ノ途中は、森の木陰で農作物を栽培する農法「アグロフォレストリー」の普及に取り組んでいる。コーヒーは日陰を好み、同諸島では実践する農園もある。バイオームが独自に持つ生物分布のビッグデータなどを生かし、同農法が生態系に与える影響を調べる。

     両社は、社会課題の解決に向けた革新的事業を支援する国際協力機構(JICA)プログラムに採択された。11月に同諸島のサン・クリストバル島のコーヒー農園4〜10力所に人工知能(AI)搭載カメラを設置し、新農法と生態系保全を両立できるか調べる。

     アグロフォレストリーで栽培したコーヒー豆はブランド化し、小規模生産者を支える。坂ノ途中のプロジェクトリーダー田才諒哉さん(33)は「生物多様性の保全と農業の収益が両立できることを実証したい」と話す。


    坂ノ途中HPには「取り扱い基準」として5つの項目が並んでいる。どれも基準満たす「農家さんを優先します」とある。これまでは生活協同組合がこうした考えのもとで食品の供給を行ってきたが、一部では利益確保のために「消費者」の獲得だけが目標になっている恨みもある。坂の途中は株式会社であり、企業が農家と消費者を結ぶ役割を担っているとの印象を持つ。


    9月5日 教員盗撮事件 子の性被害 長期的ケア必要

     小学校教員らが女子児童を盗撮し交流サイト(SNS)のグループチャットで画像を共有したとされる事件に、衝撃が広がっている。教員らのわいせつ事案が相次ぐ中、卑劣な行為で傷を受けた小さな心をどうケアし、子どもたちをどう守っていけば良いのか。大人たちの取るべき対応を専門家に聞いた。

     子どもの虐待防止センター理事で小児精神科医の奥山眞紀子さんは、「今回の事件は国際的定義では性虐待」と糾弾。「盗撮された児童らの年齢にもよるが、(低学年の子でも)自分が成長し『そういえばあの時』とショックを受けることも。思春期になってすごく不安になってしまう子もいるでしょう」と長期的なケアの必要性を指摘する。

       「絶対守る」伝えて

     インターネット上で共有された画像や動画は回収、削除が難しく、被害者側は「名前や住所も載っているかもしれない」と不安は尽きない。できれば保護者は画像を確認し、「子どもが不安な様子であれば話を聞くことが大切。そして何よりも、とにかく『あなたを絶対守るからね』と言ってあげてほしい」。

     子どもと接する仕事に就く人に性犯罪歴がないか雇用主側が確認する「日本版DBS」が2026年度から導入される。だが初犯は防げず、学校内で「芽を摘む」ことが大切と奥山さん。「意欲に燃えて教員になったが、児童生徒と接するうちに性癖が出てきてしまう人がいてもおかしくない。教員の相談に乗れる場を設け、学校として子どもたちの安全を守るための方策『セーフカーディングポリシー』を定め、教員らの研修なども繰り返し行うべきだ」と強調した。

      画像加工の対象に

     デジタル技術が犯行を“手軽”にし、子どもたちを危険にさらす。東京を拠点に児童ポルノの閲覧防止に取り組む「 インターネットコンテンツセーフティ協会」(ICSA)の桃沢隼人さんは、無音でひそかに撮影できるスマートフォン用のカメラアプリや、人物の画像を生成AIで加工できるアプリなどの登場に警鐘を鳴らす。「普通の子どもが画像加工の対象になる兆候が出てきた」

     対策として、まずは不審な出来事、小さなトラブルもすぐ保護者が把握できるようにすべきだと桃沢さん。加害者が子どもを手なずける「グルーミング」があれば、犯行は気付かれにくいため「本当に子どもが被害に遭っていないか、細心の見守りが求められます」。

       撮らせぬ、送らぬ

     普段から注意したいのが、子どもの写具の取り扱いだ。例えば学校での集合写真、卒業アルバム、家族写真などもネットにいったん発信されれば、悪用を防ぎきれない。

     「子どもの写真は撮らない、学校側にも撮らせない、誰にも送らない、ぐらいの危機感を持つべきです」


    子どもの時の性的虐待を本人が理解するのは難しいといわれているが、成人するにしたがってフラッシュバック的に蘇ることが多いといわれている。こうした事実を子どもと接する人は理解しておかなければならないだろう。IT技術の進歩は単なる「記念写真」の世界をも変えてしまったのだろうか。


    9月4日 食糧支援利用者調査ひとり親の半数超 うつ、不安障害疑い

     埼玉県の食料支援団体を利用するひとり親の半数超にうつや不安障害が疑われることが、明治大公共政策大学院の大山典宏専任教授(社会福祉政策)らの調査で分かった。経済的に苦しいひとり親が精神的にも追い詰められている実態が浮き彫りになった。大山専任教授は行政によるカウンセリングなどメンタルケアの必要性を訴えている。

     調査は昨年5〜8月、ひとり親世帯に無料で食品を配る団体が加盟する「埼玉フードパントリーネットワーク」(埼玉県)と実施し、支援を受ける約1400世帯から回答を得た。9割近くがシングルマザーで、離婚者の約7割が養育費を受け取っていないと回答。収入別では半数ほどが年収200万円未満だった。

     自身の精神状態について「自分は価値のない人間だと感じた」「何をするのも面倒だと感じた」など六つの指標にどの程度当てはまるかを尋ね、ストレス度を測った。ストレスが大きく、うつや不安障害が疑われたのは53・5%で、このうち半数超に重度の疑いがあった。何らかの問題を抱えている可能性がある保護者も24・6%に上った。

     自由記述では「離婚し、子どもが荒れた。選択が間違いだったのかと落ち込み、自己嫌悪になる」「自分が倒れたらどうなるのかと不安」と苦しい心境がにじんだ。大山専任教授は「経済的な困窮に、頼れる人がいない孤立感が重なっている。行政が積極的なサポートに乗り出すべきだ」と話した。


    ひとり親の9割がシングルマザー。日本のジェンダー状況が浮かび上がる。とりわけ養育費を受け取れない中での離婚を余儀なくされていることが分かる。離婚しても経済的にやっていけることが必要だろう。三重県の鈴鹿市で生活保護申請の際に財布の中まで確認するということが数日前に報道されていた。こうした「自己責任」的な発想を行政が持っている限り解決の糸口は見えてこないだろう。


    9月3日 核燃中間貯蔵 原発保管 近づく限界

     山口県上関町での使用済み核燃料中間貯蔵施設建設が現実味を帯び始めた。中国電力との共同運営を目指す関西電力は、福井県内にある原発で燃料がたまり、運転停止がちらつく。全国の原発でも保管容量の上限が近づき、電力各社は搬出先確保に躍起になる。背景には、国策の核燃料サイクルの行き詰まりがある。

     「2030年ごろの中間貯蔵施設の操業開始という約束を守れるように全力を挙げる」。関電の水田仁原子力事業本部長は8月29日、福井県幹部との面会後、記者団の取材に答えた。

     関電は県内にある美浜、大飯、高浜の3原発7基が再稼働。使用済み燃料が増えた結果、保管する原発内プールの容量の82〜90%に達する。県は燃料の県外搬出を要求している。関電は青森県むつ市にある国内唯一の中間貯蔵施設への搬出を探ったが、地元の反対で断念。実現すれば国内2ヵ所目となる上関町の施設に期待を寄せる。

     各地の原発も置かれた状況は同様だ。電気事業連合会によると、保管する使用済み燃料は6月末時点で計約1万7千トン。九州電力川内原発(鹿児島県)は容量の85%、四国電力の伊方原発(愛媛県)は80%が埋まる。昨年10月に再稼働した東北電力女川原発(宮城県)でも57%だ。

     自治体は懸念を強める。使用済み燃料は強い放射線や熱を出すため、原子炉から取り出した後はプールで冷却しながら保管している。しかし11年の東京電力福島第1原発事故では、運転停止中だった4号機でもプールの冷却ができなくなった。燃料がむき出しになれば、大量の放射性物質が放出される危険もあった。

     容量が逼迫するのは、想定していた搬出先に運び出せないためだ。政府は使用済み燃料を再処理し、プルトニウムやウランを再利用する核燃料サイクルを掲げるが、実現は見通せていない。

     中核となる日本原燃の再処理工場(青森県)は、当初1997年だった完成予定を27回延期。現在の目標は26年度内だ。プールはほぼ満杯の約3千トンが運び込まれており、電力各社は原発の敷地内外で新たな保管場所を建設せざるを得ない。

     原子力規制委員会はプールよりも安全性が高いとして、容器に入れた燃料を空気で冷却する「乾式貯蔵」を推奨する。中間貯蔵施設もこの方式を採用するが、原発から施設、施設から再処理工場と移動を繰り返すことになる。長崎大の鈴木達治郎客員教授は「繰り返し輸送すれば燃料が損傷するリスクが高まる。敷地外での中間貯蔵は好ましくない」と指摘。核燃料サイクルを前提とした原子力政策の見直しが必要だとした。


    【社説9/4】ぬぐえない根本リスク

     多くの懸念を抱える原発再稼働を進めるための「地ならし」であるのは明らかだ。

     政府が、原発立地地域に財政支援する対象を、現行の半径10キロ圏から30%圏に拡大すると決めた。

     2011年の東京電力福島第1原発事故後、避難計画策定が求められる地域は、それまでの10キロ圏から30キロ圏に広がった。だが立地振興に関する特別措置法による国の支援対象は10キロ圈のままだった。避難道路や防災施設の整備などで負担を強いられる自治体から、地域拡大を求める声が上がっていた。

     特措法の対象になると、道路や港湾、教育施設など「特定事業」にかかる国の補助率が50%から最大55%にかさ上げされる。さらに地方債を使えば、自治体の当面の負担は低減される仕組みだ。

     対象地域は、現在の14道府県76市町村から22道府県の約150市町村に広がる。該当する自治体の多くは「要望が認められた」と歓迎を表明。福井県の美浜原発から30キロ圈にある滋賀県、大飯と高浜の原発から30キロ圈にある京都府の両知事も評価する姿勢を示す。

     留意すべきは、国が対象地域の拡大に踏み込んだ背景である。

     2月に閣議決定した新たなエネルギー基本計画では、従来の「可能な限り原発依存度を低減する」との表現を削除し、原発の「最大限活用」へと方針転換した。2040年度の電源構成に占める原発比率を2割程度に設定している。

     達成には30基以上の稼働が必要になる。国内の33基のうち再稼働中は14基にとどまる中、国の環境整備の一手に違いない。

     特に、東電が早期の再稼働を目指す柏崎刈羽原発では、地元・新潟県の同意が焦点となっている。

     国策で原発を進める以上、事故時の避難対策に責任を持つのは当然だろう。だが事故の恐れをゼロにはできない原発の根本リスクに向き合うことは別次元の問題だ。

     能登半島地震で浮き彫りになった複合災害をはじめ、想定を超える事態や、見通しが立たない使用済み核燃料の処理、安全保障上の懸念…。こうした 難題を踏まえれば、原発回帰へ公費を注ぐことには十分な議論が欠かせない。

     かつて「最も安い」とされた原発は、廃棄物処分や事故対策を考慮すれば、優位性を失っている。

     脱炭素の命題を受け、日本の電源をどうするかは喫緊の課題だ。洋上風力発電の先行事業の頓挫で、エネルギー戦略の再考が問われる中、再生可能エネルギーの拡大こそ優先すべきである。



    9月3日 熱中症警戒 府北部2町休校

     熱中症のリスクが高まった際に注意を呼びかける国の「熱中症警戒アラート」が2日に京都府内に発令されたのを受け、府内では伊根、与謝野両町の公立小中学校計10校が同日、児童生徒の熱中症予防のため休校した。2021年4月に同アラートの運用が始まって以来、発令に伴って京都と滋賀で公立学校が休校になるのは初めて。与謝野町教育委員会は「子どもの通学の安全を考慮した」としている。

     同アラートは、気温や湿度、日差しの強さなどで算出する暑さ指数が33以上と予想される際に発令されており、京都府内では今年7月から計38 日、8月29日からは連日発令されていた。

     府教育委員会によると、休校したのは、伊根町内にある小中3校のうち伊根小と、与謝野町内の全6小学校と全3中学校。同町に最も近い観測地点の宮津市で2日の暑さ指数が33以上の予想となったことを受け、各校が児童生徒の登校が危険と判断し、休校を決めたという。府内公立小中学校の普通教室の空調設備の設置率は100%となっている。

     全国では、北海道で今年7月、同アラートの発令を受けて一部の小中高で休校した。文科省は8月下旬、夏休み明けの時期は子供たちが暑さや運動に体が慣れていないと考えられるため、熱中症事故防止に留意するよう通知していた。

     府教委をはじめ、滋賀県教育委員会や京都市教育委員会も、同アラート発令に伴う休校措置は学校長が判断するとしている。市教委によると、夏場の教育活動は、各学校が暑さ指数計の数値を基に判断しており、今年は日によっては部活動を中止して学習に切り替えた中学校もあったという。


    学校や家庭戸惑い

     町内の全小中学校9校が休校になった京都府与謝野町では、学校関係者や家庭で戸惑いが広かった。

     2日午前5時時点で、隣接する宮津市の暑さ指数の最高値予測が、同町教育委員会ガイドラインの休校基準「35」を示したたため、各学校が統一的な対応をとった。町教委の担当者は「9月に35の数値が出たのは驚き。各校とも子どもの通学の安全と健康の保持を考慮した」と説明する。

     加悦小(同町加悦)では、保護者に携帯電話のアプリで休校を通知した。安達佳代子校長は「暑い日が続きそうなので、水分を十分持たせるなど熱中症への予防も連絡した。今後、休校が何度もあると、授業に影響が出るのでどうしたらいいものか」と話す。

     同小6年の坂中晴紀さん(12)は「9月なのに暑すぎて登下校が大変」と言い、祖父の紀文さん(65)は「全国でも気温が40度になる事態が起きており、昔に比べて暑さが尋常ではない。仕方がないが、急な休校のため、共働きで負担になった家庭もあるのでは」と心配した。

     一方で、宮津市教委は「暑さ指数の予測では昼間に最高値に達し、登下校の時間帯は数値が下がっていたため休校を見送った」とし、判断が分かれた 


    コロナ流行期でも「休校」が問題となった。確かに子どもの学習権の保障や居場所の確保は必要だが、休校に伴って勉強、仕事に影響があることが困りごととして報道される。しかし、いのちや健康を優先する発想こそ大切ではないか。


    9月3日 【視標】 中東 軍拡より外交で平和を

      平和運動家 ダニー・ネフセタイ

     日本に滞在してほぼ45年、私は母国イスラエルと日本を見つめ、お互いから学べること、お互いの過ちについて深ぐ考える日々を過ごしてきた。2008年のイスラエルによるガザ攻撃以降、全国で「戦争と人権」をテーマに講演を続け、北は北海道・稚内から南は沖縄県・石坦島まで、計800回以上講演した。

     イスラエルでは自国民について「選ばれた民族」「世界一頭のいい民族」などの発言がなされる。こんな雰囲気の中に育つと私たちは知らず知らずにそう思うようになる。違うと思っても、いつの間にか自分も染まってしまう。こんな考えを持つと近隣諸国と仲良く暮らすのは難しい。

     日本はどうだろうか。20年6月、麻生太郎財務相(当時)は国会で日本の新型コロナウイルスの死者が欧米より少ないことについて「国民の民度 のレベルが違う」と発言した。日本国民は諸外国より優れた民族だと思い込んでいるのだろうか。

     一般の市民からも「中国人は信用できない」「中国製品は壊れやすい」という声を耳にする。こうした意識が排外的な「日本人ファースト」への支持につながるのではないか。

     イスラエルはパレスチナへのユダヤ人国家建設運動シオニズムを続けてきた。これは日本が旧満州(中国東北部)で行った「開拓」によく似ていると思う。今、イスラエルは戦争中の日本と同じ過ちを犯している。当時の日本のように武力に頼り、外交を軽んじる政策に基づき教育と洗脳を行っている。私は18歳になり、徴兵制によって全く疑問なく入隊した。

     「中東の現状は生きるか死ぬか」と言われ「近隣諸国は敵だ」と教わった。国家を守るのは当然だと思い、3年間イスラエル空軍に所属し、訓練で戦闘機を操縦した。入隊当時、軍隊の役割とは人を殺すためではなく国家を守るためだと思ったが、戦争が起きれば「敵」を殺害するのも仕方ないと考えていた。

     来日後、日本は戦争を放棄した憲法9条を持ち、第2次大戦の後は一度も戦争をしていないと知った。08年のガザ攻撃では多くの子どもたちが殺された。兵器は人を殺し、物を壊すこと以外に何もできないのだ。洗脳から覚めた。

     「近隣諸国は敵」と思わされると武力はやむを得ない、抑止力が必要とじわじわと思うようになる。「抑止力」とは説得力のある言葉に聞こえるが、実際はどうだろうか。武器を抑止力にするためには「敵」より強い武器を保有しなければならない。

     「敵」も同じことを考えれば軍拡競争のいたちごっこが始まる。終わりのない、意味もない競争となる。どの国であれ軍事費より、国民生活のためにより多くの国家予算を使うべきだ。近隣諸国について「敵ではなく同じ人間だ」と子どもたちに教えなければならない。

     国家の責任とは軍事力に頼るのではなく、外交で平和を保ち、犠牲者を一人も出さないことだ。

     戦後80年に考えるべき大切な課題だ。



    9月2日 【インサイド】 「異常が日常」農作物被害

     今夏も経験のない暑さになった。気象庁は高気圧が強い状態が予想以上に長く続いたことが主な原因とする。地球温暖化で気温が底上げされており、来年以降も楽観できない。農作物の被害も深刻だ。専門家は「異常が日常になりつつある」として、強い危機感を持つよう呼びかけている。

     コメどころの新潟県。JA全農にいがたの担当者によると、今年は米粒が猛暑で割れたり、白濁したりする「高温障害」が多発した。収穫時期が早い「葉月みのり」は、昨年は品質が最も優れている1等米の比率が9割以上だったが、今年はほとんどが2等米に。精米の際に削られる部分が増え、農家の収入が減ってしまうという。

     新潟県長岡市のコメ農家田中敏文さん(73)の周囲ではここ数年、猛暑による収入減で、生産をやめる農家が相次いでいる。「行政には、暑さに強い品種の開発に取り組んでほしい」と切実だ。

     気象庁は夏に入る前、「今夏の平均気温は平年より高いが、記録的な値になる可能性は低い」と予想していた。地球全体で見た大気の温度の高まりが、昨年ほどではないことが理由だった。

     想定外だったのは、二つの高気圧の動向だ。6月から「太平洋高気圧」が日本へ張り出し、平年は雨が多い時期に晴れの日が続いた。大陸の「チベット高気圧」も強まって偏西風が押し上げられる形で北寄りを流れ、暖かい空気が流れ込んだ。

     通常、高気圧の勢力は強弱を繰り返すが「ごく一部の期間を除き、高温になりやすい気圧配置だった」と担当者。2層の高気圧に覆われた状態が続き、8月は40度以上となる地点が続出した。

     三重大の立花義裕教授(気象学)は、インド洋など熱帯の海面水温の高さが高気圧を強めたとみる。中国大陸の高温も影響し「地球温暖化がさまざまな形で日本に作用した」と指摘した。

     日本近海の海面水温は6月の高温で急激に上がり、猛暑に拍車がかかったという。高い海面水温で水蒸気が多く供給され、8月は九州など多くの地域を大雨が襲った。一方、少雨に苦しんだ地域も。極端な天候だとして、立花氏は「『自然相手だから仕方ない』ではなく、温暖化による災害と認識するべきだ」と強調する。

     温暖化は、熱中症や農作物の不作などあらゆる面に影響を与え、誰もが不利益を被るとして「次の世代のために、長期的な視点で二酸化炭素(CO2)排出削減に取り組む必要がある」と述べた。


    環境省は国民運動「デコ活」を進めているが、一つの省庁で解決できる問題ではないことは明らか。今のGDP至上主義のままで問題は解決することはできないだろう。コロナの流行時に一時的に経済がストップした経験を生かして、一時的にでも今の経済活動をストップさせる政策も選択肢としてはあるのかもしれない。また、多量の電力を消費するAIを含めたコンピューターの使用制限も必要ではないだろうか。


    9月2日 専門家組織 イスラエルは大量虐殺該当

    【エルサレム共同】ジェノサイド(民族大量虐殺)の防止を目的とする組織「国際ジェノサイド研究者協会」は8月31日、イスラエルによるパレスチナ自治区ガザ攻撃は「ジェノサイドに該当する」と指摘する決議案を採択した。「子どもを含む民間人を意図的に殺害し、水や燃料といった生存に必要な物資を奪っている」として、イスラエルに即時停戦を求めた。

     ロイター通信によると、採決に参加した専門家らの86%が、イスラエルによるガザ攻撃をジェノサイドとみなすことを支持した。国連が1948年に採択した「ジェノサイド条約」の定義を満たしているとした。

     同協会のオブライエン会長はロイターに「ガザで起きていることはジェノサイドだと考える専門家らの決定的な声明だ」と強調した。

     ガザでの攻撃に関しては、イスラエル国内の人権団体からも「ジェノサイドだ」と非難する声が上がっている。


    グレタさんの船、出発延期

    【ロンドン共同】スウェーデンの環境活動家グレタ・トウンベリさん(22)らを乗せた「クローバル・スムード船団」が8月31日、パレスチナ自治区ガザに向けスベイン・バルセロナを出発したが、荒天のためバルセロナに引き返した。後日改めて出発する。AP通信が1日伝えた。

     船団は飢餓に苦しむガザ住民に食料や水、医薬品などの支援物資を届ける目的で、約20隻に44力国の活動家が乗る。後にイタリアやチュニジアからも船が合流し、最終的に70隻ほどでガザヘ向かう計画だった。15日ごろの到着を目指していた。

     グレタさんは6月にもガザを目指したが、イスラエル当局に船が拿捕され、国外退去となった。

     グレタさんは出発前の記者会見で「人々が生きるための手段を意図的に奪われている」と危機感をにじませていた。


    イスラエルの蛮行を「ジェノサイド」と認定するのは遅きに失したとはいえるものの、ようやくここに至って各方面から「ジェノサイド」であることを認定しようとする動きがあるのは歓迎すべきこと。しかし、イスラエルは「西岸地区」の併合を検討しているとの報道もある。トランプ任せではなく世界はこれを阻止する方向で動かねばならないだろう。日本も少なくとも「パレスチナの国家承認」へと舵を切らなければならない。


    9月2日 スキマバイト 無保険助長は重大問題

     「スキマバイト」「スポットワーク」を巡るトラブルが増えているという。スマートフォンのアプリを通じて働きたい時に働ける気軽さに起因する問題も少なくない。非正規労働の問題に詳しい中村和雄弁護士(市民共同法律事務所、京都市中京区)に問題点や課題などを聞いた。(日比野敏陽)

     −スキマバイトで働く人からどのような相談があるのか。

     例えば紹介事業者大手「タイミー」のアプリを通じて3日連続で飲食店で働くことになっていた人が、直前に店からキャンセルされた。賃金補償がないので、店に直接抗議したところ、タイミーから「店と直接交渉するな」と言われたという。

     −どうアドバイスしたか。

     この場合に店と直接やりとりするのは当然で、問題はない。紹介事業者は「働く当日にアプリのQRコードを読み込んだ時点で労働契約が成立する」と主張したが、労働契約の成立と労働時間の開始の違いを理解していない、間違った解釈だ。労働契約は「働いてください」「働きます」となった時点で成り立つ。当日に仕事をキャンセルされれば100%の賃金、前日や3日前でも少なくとも60%を請求できる。

     ―求人サイトに「仕事はキャンセルになる場合がある」と記されていることがある。

     「賃金債権の放棄」になる。判例でその要件と手続きは厳しく制限されており、サイトに書いているからというだけで認められるものではない。

     ―スキマバイトの最大の問題点は?

     社会保険に加入させないことが前提になっている。毎日スキマバイトを続けている人は無保険状態になってしまっている。多くは賃金も低い。スキマバイトで暮らす人たちは生活のために何社にも登録している。合計すれば社会保険に加入する資格が発生する可能性もある。いっこうに賃金が上がらない状況下で、低賃金で無保険という人たちが増える仕組みを拡大させているのは、重大な問題といえる。

     ―禁じられている「日雇い派遣」ではないのか。

     賃金の支払いや労務管理の代行をしているアプリ業者がある。実態は派遣業者だ。不安定雇用の温床になっていた日雇い派遣については、経済団体からも疑問の声が出るなどして、2012年に当時の民主党政権が禁止した。しかし、スキマバイトを政府は派遣と認めず、お墨付きを与えてしまっている。労働安全教育などの面で、働き先の企業の使用者責任もあいまいになっている実態がある。立法による規制が求められる。


    スマートフォンでの「労働契約」の危うさが浮かび上がる。例示されている「タイミー」でも、労働者側が行った契約不履行の場合のペナルティについては詳細な説明があるが、労働者の権利については全く触れていない。不利益を被った労働者が弁護士に相談するのも一つの手ではあるが、積極的に既存の労働組合が相談窓口を設けることや労働争議を支援することが必要ではないだろうか。参政党や国民民主党を支持した人に届く言葉が必要。


    9月1日 綾部市教委 小規模特認校PR

     綾部市教育委員会は、規模の大きな小学校から児童を受け入れる小規模特認校5校の特色や魅力を伝えるPR動画を、市の公式動画チャンネルで公開している。少人数を生かした行事やきめ細かな授業などについて詳しく紹介している。

     動画は計6本作成。制度説明などの概要版(約12分)と特認校ごとの各校版(1校につき約5分)がある。「個のペースで学びのびのびと過ごせる」「一人ひとりにきめ細やかな学習指導」「言葉の力を最大限に伸ばす」などとアピールしている。

     小規模特認校制度は通学区域を越えて特認校に通学できる制度で、綾部市では来年度から市立小学校で導入する。児童が小規模校への通学を選べるの は、綾部・中筋・豊里・吉美・西八田の5校。志賀・物部・東八田・東綾・上林の5特認校が受け入れる。

     綾部市教委によると、8月21日時点で計4件の相談があるという。児童の募集は9月30日まで受け付ける。「どんなことでも気軽に問い合わせしてほしい」(学校教育課)としている。


    【インサイド】。